面接官4割「見た目採用」経験、男子就活生は身だしなみで差

 パナソニックの調査によると企業の就職面接担当者の92%が、就活生に対し「面接で身だしなみを必ずチェックしている」ことが明らかになった。男子学生へのチェックポイントは、「ネクタイがきちんと締められていること」がもっとも多く、ついで「髪型」だった。

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 パナソニックの調査によると、企業の就職面接担当者の92%が、就活生に対し「面接で身だしなみを必ずチェックしている」ことが明らかになった。男子学生へのチェックポイントは、「ネクタイがきちんと締められていること」がもっとも多く、ついで「髪型」だった。

 パナソニックが行った「男子就活生の採用活動」に関する調査は、2017年卒男子大学生の採用活動を行っている、もしくは採用する予定のある企業の採用・面接担当者100名を対象にインターネットで実施。調査期間は2016年1月29日~2月1日。

 2017年4月入社の男子新入社員に求める資質でもっとも多かったのは、「コミュニケーション力」で84%。ついで「協調性」62%、「行動力」58%、「積極性」55%、「誠実さ」52%と続いた。「組織の中でうまく他人と仕事を推進していく能力」に高い支持が集まっているという。また、近年の男子就活生について「元気がない」と81%が回答しており、「もっと積極的に就職活動に取り組んでほしい」と72%の面接担当者が回答した。

 面接に関する質問では、92%もの面接担当者が「面接で身だしなみを必ずチェックしている」と回答し、面接でチェックしているポイントの1位は「ネクタイがきちんと締められているか」58%、2位「髪型が整っていること」55%、3位「ヒゲの手入れがきちんとされていること」52%だった。さらに、面接担当者の40%が「身だしなみが整っている男子学生を積極的に通過させる『見た目採用』を行った経験がある」という。

 面接で「整っていないと印象が悪くなると思うポイント」でもっとも多かったのは、「(整っていない)ヒゲ」の47%。ついで「髪型」42%、「ネクタイ」34%の順だった。また、面接担当者の62%が「身だしなみにまったく気を使っていない学生」に遭遇した経験があると回答している。反対に、「面接の際に整えていると印象が良くなると思うポイント」の1位は「髪型」で62%、2位「ネクタイ」53%、3位「スーツのしわ」44%となった。

 文部科学省の「学校基本調査」によると、2000年代に入り男女の就職率の逆転が始まり、現在は16年連続で女子の就職率が男子を上回っている。男子学生が就職活動に苦戦している状況について、「就活のバカヤロー」(2008年、光文社新書)など就職関連の著作で知られる大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は「男子学生は就職活動において周りに流されやすい傾向にある」と語っている。さらに、「男子学生の面接の場で、大きく差が出てくるのが『身だしなみ』」だとし、特に男子が多い学部やサークルに所属している男子学生や、学生の友人同士以外の外部との接触がない男子学生は就職活動でも身だしなみへの意識が低くなってしまうという。

 石渡氏は男子就活生に対し、ちょっと身だしなみを整える新習慣「リクルート盛り=リク盛り」を勧めている。ヒゲを剃ったり、髪を整えたり、フケをはらうといった簡単な身だしなみへの気づかいが、ライバルに大きく差をつけるという。

 石渡氏の提案する「リク盛り」について面接担当者に聞くと、82%の担当者が「『リク盛り』することで面接での印象が良く見える可能性がある」と回答した。「よく見える可能性がある」と回答した担当者に「どれだけ面接での印象が盛れると思うか」と聞いたところ、平均で「3.5割」という結果だった。男子就活生がライバルに差をつけるには、「リク盛り」や「元気」「積極性」がポイントになりそうだ。
《外岡紘代》

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