台風は少なめ、インド洋の高温とニーニャ現象が原因と予測

 例年なら、遅くとも5月に発生している「台風1号」。今年はけっきょく5月中に発生せず、1998年以来18年ぶりの事態だという。この事態を受け、ウェザーニューズは、今シーズンの台風遅延の理由と、今後の傾向予想を発表した。

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インド洋の高温とフィリピン付近の対流活動の関係
  • インド洋の高温とフィリピン付近の対流活動の関係
  • 季節予報モデルによる6~8月の海面水温平年偏差予測(出典:ECMWF)
  • エルニーニョ現象が春~夏に終息し、夏にインド洋の海面水温が平年より高かった年の台風発生数(月別・年間)
 例年なら、遅くとも5月に発生している「台風1号」。今年はけっきょく5月中に発生せず、1998年以来18年ぶりの事態だという。この事態を受け、ウェザーニューズは、今シーズンの台風遅延の理由と、今後の傾向予想を発表した。

 台風発生が遅れている理由としては、「インド洋の海面水温が平年より高温だから」とのこと。これにより、フィリピンの東海上で太平洋高気圧が強まり、例年より積乱雲が発生しにくくなっているのが原因だ。さらに、インド洋の高温傾向は続く見込みだ。

 また、太平洋赤道域では夏に「ラニーニャ現象」が発生する可能性が高まっているという。「ラニーニャ現象」は、太平洋赤道付近の海域(ハワイ諸島の南の赤道域~ガラパゴス諸島)で、海面水温が平年よりも5度程度低くなる現象を指す(逆に高くなるのは「エルニーニョ現象」)。

 エルニーニョ現象の終息後にラニーニャ現象が発生した年は、台風発生数が平年より少ない傾向があり、今シーズンがそれに当たる。過去の同様の年は、平年なら26個の台風が、21個程度になっている。そのため、ウェザーニューズでは、今年の台風発生数は少なめになると予測している。

 なお、発生数は少なくても、接近・上陸する台風自体の数が多めになることもあるし、個々の台風の威力や被害範囲はさまざまだ。災害についてはつねに注意してほしい。

今年の台風は少なめ……「インド洋の高温」「ラニーニャ現象」が原因

《赤坂薫@RBB TODAY》

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