スマホ利用で運動不足、東京都の児童・生徒体力テスト

 東京都教育委員会は1月12日、平成28年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果を発表した。1日の携帯電話やスマートフォンなどの使用時間が長い児童・生徒ほど、体力・運動能力が低い傾向にあることが明らかになった。

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 東京都教育委員会は1月12日、平成28年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果を発表した。1日の携帯電話やスマートフォンなどの使用時間が長い児童・生徒ほど、体力・運動能力が低い傾向にあることが明らかになった。

 通称「東京都統一体力テスト」は、東京都内の公立学校(小学校と中学校、中等教育学校、高等学校、特別支援学校)計2,184校の全児童・生徒合計93万3,788名を対象に、体力・運動能力調査と生活・運動習慣等の実態に関する質問紙調査を実施した。調査時期は平成28年6月。

 体力テストの結果、すべての種目で目標値を下回り、いずれの校種も「20mシャトルラン」「ボール投げ」の値が低い傾向にある。特に中高生は「握力」の値が低く、高校生男子は「上体起こし」の値が低い傾向にある。

 東京都統一体力テストを開始した平成23年度と比べると、すべての学年で向上傾向にあり、体力合計点平均値も上昇している。

 運動習慣や意欲の状況をみると、運動・スポーツが好きな児童・生徒、運動の実施時間が多い児童・生徒ほど総合評価が高い。また、1日の携帯電話やスマートフォンなどの使用時間が長いほど、総合評価が下位層の児童・生徒が多い。中学2年生男子の例をあげると、総合評価がもっとも高い上位層(A)は1日の携帯電話やスマートフォンなどの使用時間が3時間以上の割合が17.0%であるのに対し、もっとも低い下位層(E)は30.2%と長時間使用する傾向にある。

 東京都教育委員会は、平成29年度における重点的取組みとして、中学校62校を体力向上のモデル校「スーパーアクティブスクール」と位置付けて体力向上の取組みを推進し、その成果を全中学校へ発信する。また、体育の授業や運動部活動で活用できる「体力を高める運動ガイドライン」の作成・配布のほか、体力テストの効果的な実施などを掲げている。
《工藤めぐみ》

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