無戸籍の小中学生、35人の就学確認…文科省調査

 文部科学省は2023年10月31日、「無戸籍の学齢児童生徒の就学状況に関する調査」の結果を公表した。5月10日時点で把握している無戸籍の学齢児童生徒149人のうち、就学が確認できていない36人を調査した結果、死亡が判明した1人を除く35人の就学を確認した。

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無戸籍の学齢児童生徒の状況
  • 無戸籍の学齢児童生徒の状況
  • 教育委員会と関係部局との連携による就学に向けた支援の具体例
  • 教育委員会関係部局との連携によって戸籍の取得に向けた支援の具体例
  • 関係機関との間で戸籍や住民基本台帳に記載されていない学齢児童生徒に関する必要な情報共有のためのルールを定めている場合の具体例

 文部科学省は2023年10月31日、「無戸籍の学齢児童生徒の就学状況に関する調査」の結果を公表した。5月10日時点で把握している無戸籍の学齢児童生徒149人のうち、就学が確認できていない36人を調査した結果、死亡が判明した1人を除く35人の就学を確認した。義務教育諸学校の設置者に向けて、就学の徹底ときめ細かな支援に引き続き取り組むよう求めている。

 日本国籍を有するものの戸籍に記載がない者(無戸籍者)は、社会生活上さまざまな不利益を被ることがあると考えられる。そのため、政府は無戸籍者が適正な手続で戸籍に記載されるための支援を推進。法務省は、無戸籍者に関する情報の収集に努めている。

 2023年5月10日時点で、法務省が把握している無戸籍の学齢児童生徒は149人。このうち、就学が確認できていないのは36人。文部科学省は7月20日から8月25日、34市区町村教育委員会などを通じて、この36人の就学状況などを調べた。

 調査の結果、36人のうち1人は、学齢に達する前に死亡していたことが判明。残り35人の義務教育諸学校への就学状況については、35人全員の就学を確認した。児童生徒の登校状況は、「支障なく登校している」が33人、「就学しているが、欠席が目立つ」が1人、「就学しているが、不登校状態となっている」が1人であった。

 文部科学省は10月31日、無戸籍の学齢児童生徒の就学状況に関する調査結果について、全国の教育委員会などに事務連絡を発出。調査結果とあわせて、教育委員会などが関係部局と連携して就学や戸籍取得に向けて支援した具体例、戸籍や住民基本台帳に記載されていない学齢児童生徒の情報共有のためのルール例も紹介している。

 事務連絡では、義務教育諸学校の設置者に向けて、就学の徹底ときめ細かな支援に引き続き取り組むよう要請。住民基本台帳に記載されていない者であっても、市町村に学齢期の児童生徒が居住していれば、学齢簿を編製し、就学の通知などの手続をとるようこれまでも通知しているとしたうえで、今後も子供たちの就学機会を逸することのないよう求めている。

《奥山直美》

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