20-30代「子供欲しい」7割超も、経済的に不安

 ライボの調査機関「Job総研」は、「2023年 少子化に関する意識調査」を実施し、2023年11月13日に結果を公開した。子供をもつうえで「経済的に不安がある」と約9割が回答しており、教育費や保育料への不安が多いことが明らかになった。

生活・健康 保護者
将来的に子供は欲しいと思うか/共働きはした方がいいと思うか
  • 将来的に子供は欲しいと思うか/共働きはした方がいいと思うか
  • 共働きはした方がいいと思う理由/共働きのパートナーに求める理想の年収
  • 子を持つ上での経済的な不安/不安な理由
  • 現在の自身の年収/子1人あたり育てやすいと思う額
  • 子育てに必要だと思う最低限の年収/ゆとりをもって子育てできると思う年収
  • 子育てをしやすい社会だと感じるか/子供が育てやすくなる環境の変化

 ライボの調査機関「Job総研」は、「2023年 少子化に関する意識調査」を実施し、2023年11月13日に結果を公開した。子供をもつうえで「経済的に不安がある」と約9割が回答しており、教育費や保育料への不安が多いことが明らかになった。

 「2023年 少子化に関する意識調査」は、2023年10月25日から30日にかけて、全国の20~30代の現在職をもつすべての社会人でJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者を対象にインターネットで実施した。有効回答数は454人(男性6/女性4)。

 将来子供が欲しいと思うかを聞くと、「思う派」が71.8%と過半数を占しめた。同回答者に共働きはした方がいいと思うかを聞くと「思う派」が87.9%となった。共働きはした方がいいと回答した人にその理由を聞くと「経済的なリスクが分散できる」が76.4%で最多となり、ついで「世帯収入が増える」が67.4%、「将来的に貯蓄の余裕が出る」が65.7%となった。共働きを想定する場合にパートナーに求める理想の年収額を聞くと、平均額は646.1万円、中央値が560万円、最頻値が600万円となった。

 子供をもつことへの経済的な不安の有無については「ある派」が87.0%となった。経済的な不安ありと回答した人にその理由を聞くと「教育費が十分に確保できない」が52.4%で最多となり、ついで「他の支出や返済で精一杯」が45.8%、「保育料や食費の高騰」が43.8%と、上位3つの回答となった。

 次に、現在の自身の年収を聞くと平均額は471.0万円、中央値が450万円、最頻値が500万円となった。同回答者に子供1人あたり年収がいくら増えれば子育てしやすいかを聞くと平均額は+391.4万円、中央値が+300万円、最頻値が+200万円となった。子育て1人に対して必要な最低限の年収額を聞くと平均額は855.2万円、中央値が600万円、最頻値が600万円、ゆとりをもって子育てができる年収額を聞くと、平均額は1,037.6万円、中央値が900万円、最頻値が1,000万円となった。

 最後に、子育てがしやすい社会だと感じるかを聞くと「感じない派」が76.7%と過半数を占めた。何が変われば子育てしやすい環境になるかを聞くと「賃金の増加」が65.6%で最多となり、ついで「景気(不況・物価高)の回復」が64.3%、「金銭的な支援制度の充実」が51.8%となった。

 ライボは、「20~30代が考えるゆとりある子育てには1,000万円以上が必要と考えられていることに加え、子育てがしづらい社会という印象がついていることを踏まえると、少子化鈍化の鍵を握る若者へのサポートが、結婚や子をもつことへの不安を解消するきっかけになることが推測できる。そして、賃上げや金銭的支援で僅かでも若者の経済並びに心理的不安を払拭しながら、この500万円以上の年収ギャップをどう埋めていくかが『脱』少子化の鍵だとわかる調査結果となった。」としている。

《中川和佳》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top