【共通テスト2024】政経・英リーディング難化…Y-SAPIX

 Y-SAPIXが運営する東大・京大・医学部合格を目指す受験生のための総合情報サイト「東大・京大・医学部研究室」は2024年2月9日、2024年度大学入学共通テスト平均点(最終)をWebサイトに掲載した。政経、英語リーディングが難化したが、ほかは落ち着いた結果となった。

教育・受験 高校生
2024年度大学入学共通テスト平均点1
  • 2024年度大学入学共通テスト平均点1
  • 2024年度大学入学共通テスト平均点2
  • 共通テスト・平均点推移(理科・数学)
  • 共通テスト・平均得点率推移(英語)
  • センター試験・共通テスト、平均得点率60%以上の科目

 Y-SAPIXが運営する東大・京大・医学部合格を目指す受験生のための総合情報サイト「東大・京大・医学部研究室」は2024年2月9日、2024年度大学入学共通テスト(以下、共通テスト)平均点(最終)をWebサイトに掲載した。政経、英語リーディングが難化したが、ほかは落ち着いた結果となった。

 2023年度は、生物、化学で得点調整が実施されたが、2024年度は理科の得点調整は実施されず、平均点が極めて高いか低いという科目は、ほぼなかった。2023年度の得点調整前の平均点が40点を下回った生物は、54.82点と一定の水準に回復。理科の科目間得点差は10点未満で、科目間の難易差もある程度適正と考えられる結果となった。

 数学においては、2022年度に極めて低い平均点を記録したが、2023年度は大きく回復した数学I・A/II・Bでは、2024年度はI・Aが-4.27点、II・Bが-3.74点、やや低下で落ち着いた。数学I・Aは、センター試験時代から比較的低い数値だが、数学II・Bは比較的高く、数学合計ではやや低い水準にとどまっているという。

 概算では、共通テスト5(6)教科合計平均点を文系型・理系型で選択者の多い科目で算出すると、文系型は約0.8%(+7.36点)、理系型は約1.2%(+10.99点)のプラスになった。理系型は、共通テスト1年目の2021年度に近い水準まで上昇する形となり、ボーダーラインなども同様に上昇すると考えられるという。

 一方、政治・経済と英語リーディングが難化した。政治・経済は、センター試験以降で過去最低、英語リーディングはセンター試験時代の英語(筆記)を含め、1994年度についで過去2番目に低い結果だった。英語リーディングは、2023年度より総語数が増え、分量の多さが平均点を下げる一因ともいえる。

 しかし英語リスニングは、導入以降で過去3番目に高い平均点だった。英語合計でみると、例年並みといえる。2023年度、2024年度と低水準だった英語リーディングに対し、共通テスト開始以降上昇が続く英語リスニングと、対照的な結果となった。

 また主要20科目のうち、平均点が60点を超えているのは7科目だった。理科基礎導入後、現行の科目数になった2015年度以降では、2023年度の6科目についで少ない数だという。センター試験時代は例年10科目前後だったため、6割程度の平均点となるよう作題努力をすると公言していたセンター試験より、やや低い水準で定着する科目が増えることも考えられそうだという。

 4年目の共通テストを迎え、過去問が増えたことで、受験生側が対策を進めやすく、出題の傾向や難易度もおおむね安定してきたとみられる。

 しかし、2025年度は新課程入試に切り替わり、「情報」の追加や地歴公民科目の改編、国語、数学II・Bの大問数・試験時間増といった変更が予定されている。2025年度の受験生は、すでに試作問題が公開されているとはいえ、本番の試験で新しい問題に対応するため、過去問や模試などを利用して、志望校の配点なども加味したうえで、入念に対策を進めることが重要になるという。

 共通テストの志願者数や受験者数は、2023年度より減少したが、受験率(全志願者における受験者の割合)は3年連続上昇し、93.03%だった。しかし、2020年度以前の水準に比べるとやや低く、総合型・学校推薦型選抜の拡大にともない、共通テストに出願したが、合格によって不要になる受験生の増加などが要因といえる。

 また、受験科目数別の受験者数は、私立型3科目受験者が、2023年度に続き大きく減少した。私立専願で共通テストを利用する受験生は、センター試験末期と比べて少なくなってきているとみられる。

 一方、国公立型7科目受験者は、2023年度から減少しているが、減少幅は小さく、全受験者に占める割合は2023年度から+1.5%、58.3%と6割近い数値になったと分析している。

《宮内みりる》

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