今年も難関大現役合格者数が大躍進、東進ハイスクールの強さの秘密

 2024年3月31日の締め切り最終確定数で、東京大学に834名、京都大学に史上最多の493名、東京工業大学も同じく史上最多となる219名が合格した東進ハイスクール。早稲田大学・慶應義塾大学の現役合格者数も史上最多の5,980名となっている。現役生の合格にこだわり、躍進を続ける東進ハイスクールのカリキュラムや方針について、運営元であるナガセの広報部長 市村秀二氏に聞いた。

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  • 旧七帝大+東工大・一橋大の2024年度合格実績
  • 早慶の2024年度合格実績
  • 上理明青立法中の2024年度合格実績
  • 関関同立の2024年度合格実績
  • ナガセ広報部長 市村秀二氏
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 今年も各予備校から合格者数が発表されている。東進ハイスクールでは2024年3月31日現在、東京大学(以下、東大)は834名が、京都大学(以下、京大)では史上最多となる493名が、東京工業大学(以下、東工大)も同じく史上最多となる219名が合格したことが判明。旧七帝大と東工大、一橋大を合わせた9つの国立大学で、計4,116名が合格の切符を手にしている。一方、難関私立大学でも、早稲田大学・慶應義塾大学の現役合格者数も史上最多の5,980名(昨年最終数比較+239名)となったという。

 現役生の合格にこだわり、躍進を続ける東進ハイスクールのカリキュラムや方針について、運営元であるナガセの広報部長 市村秀二氏に聞いた。

来年度入試は浪人生の動向に変化?

--2024年度入試の全体の傾向を教えてください。

 まず国公立大学の傾向です。

 国公立大の一般選抜の志願者数は、前期では100.4%、中後期まで含めた全体では100.0%とほぼ前年度並みとなっています。18歳人口の減少が進み共通テストの受験者数が前年比96.5%だったにもかかわらず、国公立大は出願を回避した人が前年より少なくなり、人気が上がったといえるでしょう。

 難関国立大学(旧七帝大+東工大・一橋大・神戸大の10大学)の前期日程の志願者数は、北海道大学、大阪大学、東京工業大学をのぞき昨年度より上昇しました。東京工業大学は、全体で前年比95.6%と10大学の中ではもっとも志願者数が減少しましたが、昨年度は109.6%と大きく志願者数を増やしていたため、その反動があったとみられます。同時に、本年から出願時の志望が2つしか記入できなくなったことも影響したのではないかと思われ、特に「情報理工学院」の同比74.9%という数字からは、どうしても情報理工学院に行きたい人以外が、リスクを考え志望から外した可能性もあるとみています。また、生命理工学院と環境・社会理工学院は、学校推薦型選抜と総合型選抜の募集人員を増やし、一般選抜の募集人員が減ったことも志願者数減の要因の1つと考えられます。


 文理の傾向としては、理高文低がややくずれ、文系では人文系の人気が高くなりました。理系では、薬や農など前年度入試では人気が高かった学部がやや減となっています。

 次に、難関私立大の傾向としては、早稲田大学は総志願者数が89,420人、前年比98.4%と減少傾向が続いています。学部別でみると文化構想学部が93.0%、教育学部が94.1%と減少が目立ちました。逆にスポーツ科学部は前年比112.5%大きく増加しています。慶應義塾大学は、前年比100.5%と前年並みでした。医学部、理工学部が3年連続の増加となりましたが、SFCの環境情報学部は2020年度以降、総合政策学部は2018年度以降からずっと減少が続いており、人気の低迷に歯止めがかかっていない状況です。上智大学は、今年、出願期間の延長、試験日程の後ろ倒し、一部の学部で試験日程の分割化を実施したため、人気を呼んで全体で111.4%と志願者数を大きく増やしています。


 関西では立命館大学が大阪いばらきキャンパスに移転する情報理工学や映像学部で志願者が増加し、全体として104.8%となりました。関西学院大学は、2021年度入試の理系4学部改組以降、積極的な入試改革を行っていることもあり、4年連続で志願者が増加しています。


 文理の傾向としては、文系では国公立と同様に人文系、さらに社会系の人気が回復傾向にあり、理系では医学系の人気が高くなっています。逆に歯学部は志願者数を大きく減らしました。

 来年度は新課程による初めての入試となり、共通テストも情報Ⅰの追加や地歴公民の科目変更など大きな変化があります。旧課程履修者に対する移行措置があるとはいえ、今年度は浪人を回避する受験者が増え、来年度入試では浪人の受験者数は大きく減少すると予想されます。

大学受験はゴールではなく「通過点」

--今年度も東大に834名が合格、京大は史上最高の493名が合格されたとのこと。そのほかの大学も合格者数が増えていることがWebサイトからも見てとれます。この好調な合格者実績を支える東進の取組みについてお聞かせください。

 まず前提として、東進では大学受験はゴールではなく、通過点であると考えています。将来成し遂げたいこと、つまり志を持ち大学受験に臨むための「人間力を高める指導」を行っています。このような前提があったうえで、より効果を発揮する東進の取組みをご紹介します。

 ここ数年、AI演習講座を強化しており、2023年は新たに東大・京大・東工大・一橋大志望者を対象とした「最難関4大学特別演習講座」を開講しました。従来は、苦手をすべて克服してから志望校に特化した演習を行っていましたが、二次試験の比重が高く出題傾向が特徴的な最難関大に特化した対策を行うため、大問や単元ごとに苦手克服から志望校対策に特化した演習までを一気に行う専用講座です。本年、これら最難関大学の合格実績が好調なのは、この講座を多くの生徒が活用してくれたからだと考えています。

 「最難関4大学特別演習講座」は4大学に特化した新たな取組みの紹介でしたが、AI演習講座はすでに2017年から開講していて、のべ100万人以上の卒業生の、200億題にもおよぶ学習履歴や成績、合否等のビッグデータと、各大学入試を徹底的に分析した結果等の教務情報をもとに年々その精度が上がっています。「志望校別単元ジャンル演習講座」は、受講生個人の学習履歴と、東進独自のビッグデータから、苦手分野を中心に志望校の傾向に沿ったその生徒にとって得点を最大化するために最適な「必勝必達演習セット」を提案します。

 弱点克服のための「志望校別単元ジャンル演習講座」を経て、東進で最後に取り組むのが「第一志望校対策演習講座」です。第一志望校の入試傾向に即した演習を、直前期の仕上げとして行っていきます。もちろん添削指導も行います。対象大学は101大学610学部をカバーしています。丁寧できめ細やかでありながらも、返却迄のスピードにこだわったことが、効果を高めたと考えています。

 AI演習講座は、生徒の学習履歴によってより精度が上がります。その一番の指標となるのが、過去問演習です。そのため、AI演習講座に取り組む前には、「過去問演習講座」に徹底的に取り組みます。

--「AI演習講座」に取り組む“前”に、過去問演習に取りかかるとは驚きです。

 そうなのです。高校生や保護者の中には「過去問は直前に行うもの」と思っている人もいるかもしれませんが、それは誤った認識です。早い段階で過去問に取り組み、志望校の傾向やレベルを把握して、的確な志望校対策演習を徹底して行う。これが東進の合格指導のポイントです。

 過去問演習講座は、「大学入学共通テスト」と101大学610学部に対応する「国公立二次試験」「私大一般選抜」を取り揃え、最大10年分の過去問演習を提供しています。国公立大学と記述形式の問題が出題される一部の私立大学には採点に加え添削指導がついており、1回だけでなく、完全解答を目指して各問題3回の添削指導を受けることができます。また、東進講師による解説授業を受講することで、問題のポイントをしっかりと理解することができます。東進では、この過去問演習講座の成績データをはじめとするすべての学習履歴をAIに取り込み、次のステップに活用していきます。

 なお、過去問演習講座は昨年大幅に拡充し、これまで対応していなかった666大学の5年間の採点をスタートしました。これで、全国すべての国公立大学・私立大学である全767大学に対応したことになります。

 そのほか、東進では「大学入試問題 過去問データベース」を構築しており、190大学、最大30年分の過去問を無料で閲覧することが可能です。一部の大学には解説がついています。志望校選択の材料として、いつでも過去問の確認ができます。

ナガセ広報部長 市村秀二氏

「情報Ⅰ」はこれからの社会で必須のスキル

--来年度の共通テストでは情報Iが試験科目として導入されるなど、変更されることが明らかになっています。これによって志願動向に影響はあるとお考えですか。

 結論から言うと、志望動向の変化はあまり変わらないと予想されます。

 共通テスト「情報Ⅰ」が課されるか否かについて、国立大学は82大学中79大学が必須と発表(うち25大学は一部の学部のみ必須、その他は選択可)、公立大学は94大学中58大学が必須と発表(うち25大学は一部の学部のみ必須、その他24大学は選択可、12大学は実施無し)しています。主要な国公立大学は原則必須としているため、志望校を変更しても結局は受験科目に「情報Ⅰ」が必要となる可能性が高いと考えられます。

 新しい教科で注目が集まっていますが、実際には6教科8科目を課す大学の約6割の大学が、その配点を10%未満に抑えています。ですから、「情報Ⅰ」を必要以上に恐れる必要はなく、すべての教科バランスよく学習をすることが大切です。

 私立大の共通テスト利用方式で「情報Ⅰ」が課されるケースはまれです。ほとんどがいくつかある共通テスト方式の一方式として利用するか、そもそも「情報Ⅰ」は利用しないという状況です。

 以上から、「情報Ⅰ」が増えるからといって、志望校を変更するのは現実的ではありません。各大学から公表される入試情報をしっかりと確認しましょう。しかし、それ以前に「情報Ⅰ」という教科はこれからの社会を生きていくうえで、理系・文系かかわらず必須の知識・スキルとなっていくため、避けるのではなく、真正面から取り組んでほしいと思います。むしろ入試科目に「情報Ⅰ」があることは、長い目で見てラッキーと前向きに捉えてはいかがでしょうか。

受験勉強は早期スタートが肝要

--「現役合格」を目指す受験生のサポートにおいて、御社が注力されていること、日々心掛けていらっしゃることを教えてください。

 先ほども述べたように、東進では大学受験はゴールではなく、通過点であると考えています。将来成し遂げたいこと、つまり志をもち大学受験に臨むことが大切であると考え、「人間力を高める指導」に取り組んでいます。生徒の皆さんが夢を見つけ、志を育み、その夢を志へと昇華させるための機会や出会いを多数用意しています。

 その一例として、世界に影響を与えてこられた産業界や学術界等における第一人者をお呼びして、ご講演いただく「トップリーダーと学ぶワークショップ」というイベントがあります。講演後はチームにわかれてテーマに沿ったディスカッションを行い、チームの考えをまとめてプレゼンテーションを行います。一流の方々から新しい知見を得て、それを発信することを目的としていて、学習するうえで極めて大切な「何のために学ぶのか」という志を高める取組みです。

 志をもった生徒は、目標が明確になり、自ずと学習のモチベーションが高まっていきます。受験指導においては、自分の可能性を信じて目標は高くもち、「第一志望校現役合格」を貫こうという指導をしています。もちろん受験勉強だけでなく部活や学校行事等、高校生活を充実させながら現役合格を目指します。こう聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、時間の使い方を工夫し努力すれば実現可能です。

--高1、高2生に対してはどのような指導を行なっていますか。

 受験勉強は早期にスタートできるかで大きく変わっていきます。そのため高2、高1や中学生(東進では高0生と呼んでいます)からでも、受験生と同じように必要な指導を行っています。大学入試まで残された時間は決まっていて、それはどの高校生も同じです。目標が決まっていたら、そこに至るまでに何をすべきかを逆算して、計画を立てて実行していくのです。東進では、ひとりひとりの理解度に合わせたIT授業で高速学習が可能です。また、時間のかかる重要項目・スキルの修得についても、「高速マスター基礎力養成講座」や、高2生・高1生向けのAI演習講座「個人別定石問題演習講座」「個人別基礎定着演習講座」(この夏開講予定)等、東進のノウハウが詰まった演習講座で力をつけていきます。

--日々の学習を効率的に進めていくために、模試はどのように活用すれば良いですか。

 日々の学習の指針を立てるには、模試を活用し、現状の学力を測っておくことがとても重要です。

 年2回無料で実施している「全国統一高校生テスト」は、学年ごとに部門がわかれていて、同じ学年内での立ち位置を確認できます。その他にも「高校レベル記述模試(高2生・高1生)」「大学合格基礎力判定テスト(全学年)」等、高1から受けられる模試も充実させています。

 中高一貫校生や、学力上位層は年6回の「共通テスト本番レベル模試」(うち2回は「全国統一高校生テスト」)に挑戦します。また、最上位生向けには、難関国立大学の本番レベル模試や同日・直近日体験受験を実施しています。いち早く全国区での自分の実力を知り、志望校の傾向や難易度等、目指すべきゴールとその差を明確にします。それにより、ゴールから逆算して最短距離で現役合格するための力をつけていきます。

 自分の意志で決めた志望校合格に向けて全力で取り組む。受験勉強の過程で培った努力は次につながる大きな財産となります。限られた時間の中で目標に向かって本気で取り組むことが大切です。

--2025年度現役合格を目指す受験生に、メッセージをお願いいたします。

 新課程の共通テストで不安を抱えている新高3生も少なくないと思います。しかし、未知のテストに対しても、必要な対策を行えば、しっかりと対応できる力を身に付けることができます。恐れることなく、前向きに学習をしていきましょう。まずは、今から夏前までを目途に共通テストレベル完成を目指しましょう

 2025年の共通テストに向けて、東進ではいち早く「大学入学共通テスト『情報Ⅰ』体験模試」等を実施してきました(4回実施で18万人が受験)。そのデータや知見を生かしたうえで、本年度は「共通テスト本番レベル模試」の1教科として「情報Ⅰ」が加わります。未知のテストだからと恐れず、演習の機会は十分に用意をしていますので、積極的に受験をしてほしいと思います。

 AIをはじめとしたテクノロジーの研究では、毎日新しい論文が公表されているように、時代の変化は今までの比べ物になりません。また、驚くようなニュースが日々飛び込んできます。数年後、激動の社会の最前線に立ち、未来を創っていくのは、若い世代の皆さんです。どんな世界や社会にしていきたいか、どこで自分はどう生きていくのか。それを今から考え、少しでも行動することが大切です。

--ありがとうございました

 受験生対象の講座はもちろん、高等学校対応コースなど、さまざまな講座や模試を取り揃えている東進ハイスクールでは、希望校舎での1日無料体験も受付中だ。新高3生のみならず、今後受験に臨もうと考えている新高1・新高2生も、東進ハイスクールの「学び」について知るために、まずは資料請求をしてみてはいかがだろうか。

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