英語を勉強している人の中には、DMEメソッドというものを聞いたことがある人もいるでしょう。
実際にやってみたいと思っている人もいるかもしれませんね。そしてDMEメソッドが何なのか全く知らない人もいるはずです。
DMEメソッドとは、英会話習得のために用いられるメソッドのひとつ。この記事ではそんなDMEメソッドについて、どんなものなのかをご紹介しつつ、その効果をご説明します。
より効果的な学習方法をお探しの人は、ぜひこちらを参考に、DMEメソッドを検討してみてくださいね。
DMEメソッドとは?
DMEメソッドは、2007年に発案された比較的新しい英会話習得のためのメソッドです。
カランメソッドなら知っている人も多いでしょう。DMEメソッドは、あのカランメソッドを基盤として作られており、カランメソッドの進化版とも言えるかもしれません。
知らない人のために簡単にご説明すると、カランメソッドとは正しい文法や発音を身につけつつ、一問一答形式の会話の反復練習によって、コミュニケーション能力を磨くメソッドのことです。
少しでもミスをすると、すぐにその場で講師が訂正し、正しい文章で言い直すようになるので、瞬発力を鍛えつつ、正しい英語が学べると世界的に好評のメソッドなんですよ。
そんなカランメソッドが元になっているため、DMEメソッドでも基本的に会話・コミュニケーション能力重視の学習が行われます。
その内容もカランメソッドによく似ているのですが、カランメソッドよりも初心者にやさしく、学びやすい内容になっているのがDMEメソッドの特徴です。
DMEメソッドを用いたレッスンの流れ
DMEメソッドを用いたレッスンでは、基本的なルールと体系的なカリキュラムをもとに授業が行われます。
ここからはDMEメソッドを用いたレッスンがどんなものになるのか、そのルールとレッスンの流れをご紹介します。
DMEメソッドのルール
DMEメソッドでは、基本的に下記のルールに沿ってレッスンが行われます。
- 講師からの質問は2回繰り返される
- 質問にはフルセンテンスで答える(単語やYes・Noのみは×)
- 短縮系を使う(I’m, isn’tなど)
このルールは、DMEメソッドのレッスンを受ける際に、必ず説明がありますので、覚えていなくても大丈夫です。どのようなレッスンが行われるかの参考にしてくださいね。
レッスンの流れ
DMEメソッドを用いた実際のレッスンでは、まずその日のレッスンで学ぶ文法や単語などの説明が行われます。
この説明が終わったら、いよいよDMEメソッド開始。上記のルールに沿って講師から2回同じ質問が繰り返されるので、その繰り返しが終わったら質問にフルセンテンスで答えます。
DMEメソッドでは短縮系を使うというルールになっていますから、I amやI cannotなどとは言わず、I’m、I can’t と言うように注意が必要です。
カランメソッドと同様に、言い間違いをしたらその場で訂正が行われ、正しい文章を言うことになります。
DMEメソッドを用いたレッスンでは、会話練習だけではなく、ディクテーションも行われます。この点もカランメソッドと共通していますね。
ディクテーションは、講師が言ったことをそのまま書き起こしをする学習方法です。手書きの場合もあれば、オンライン英会話でDMEメソッドをするなら、チャットボックスへの書き込みという方法で対応します。
DMEメソッドとカランメソッドとの違い
ここまでの説明を見ると、カランメソッド経験者やカランメソッドについてよく知っている人は、DMEメソッドとカランメソッドの違いがわからず混乱してしまっているかもしれませんね。
確かにDMEメソッドとカランメソッドは共通点が多く、ただ説明を聞いただけでは同じものに思えてしまうでしょう。
そこでここからは、DMEメソッドとカランメソッドの違いをご紹介します。DMEにするかカランにするか迷っている人は、こちらを参考にすれば、どちらが自分に合っているかがわかるはずですよ。
初心者からでも取り組める!
DMEメソッドとカランメソッドの大きな違いのひとつは、DMEメソッドはほとんど英語がわからない初心者からでも取り組めるということです。
これはなぜかと言うと、DMEメソッドで一番最初に習うのは、本当に英語の基礎の基礎。まだ文法力や語彙力が身についていなくても、こなせるような内容になっています。
また、カランメソッドに比べると、ゆるやかに難易度が上がっていくように作られているため、英語初心者であってもストレスなく取り組めるのです。
一方カランメソッドは、基本的な文法力や語彙力、リスニング力などがすでに身についている人向きのメソッドです。
そのため、初心者にとってはとっつきづらいですし、難易度もぐんぐん上がっていって、ストレスを感じてしまう人もいるでしょう。
DMEメソッドはアメリカ英語
もうひとつの大きな特徴は、DMEメソッドはアメリカ英語でできているということです。
カランメソッドはイギリスで生まれた英語学習メソッドですから、イギリス英語がベースとなっています。
そのため、アメリカ英語の方が身近な日本人にとっては、文法やスペリング、語彙の違いなどの観点から、学びづらい部分もあるのです。
ですからアメリカ英語を習いたい人や、すでにアメリカ英語で英語のベースができている人には、DMEメソッドがおすすめ。学びやすいでしょうし、習得したい英語をしっかり習得できます。
時代に即した英語が学べる
カランメソッドでは割と古めかしい文章も使われていることがあります。現在はネイティブでもあまり使わないような表現が入っていることもあるのです。
しかし、DMEメソッドは今使われている英語で構成されている、モダン・イングリッシュ(現代英語)が学べるメソッドなのです。
さらには、使われている話題もタイムリーなものが多いです。これは、DMEメソッドは数年に1度のペースで学習内容が更新されるため。最新の話題を英語で話せるようになるため、実際の英会話にも役立ちます。
文法学習も組み込まれている
カランメソッドでも、正しい文法で発話することが求められるため、文法力は自然と身についていきます。
しかしDMEメソッドの場合は、文法をしっかり学ぶ時間もあり、文法を学んでから実践が行われます。
そのため、より確かな文法知識がつき、うろ覚えになったり、文法の理屈がわからなくなったりすることがないのです。
文法も習得することで、英会話力を身につけるだけではなく、検定などにも生かせるのがDMEメソッドの良いところですね。
自然なコミュニケーション重視
自然なコミュニケーションの中では、どちらかが一方的に質問し続けるということはありません。しかし、カランメソッドでは質問するのは講師で生徒は答えるのみというレッスンが行われています。
一方DMEメソッドでは、お互いに質問しあうような形でカリキュラムが作成されています。そのため、より自然なコミュニケーション力が身に付くのですね。
さらに、DMEメソッドでは回答自体が間違えていなければ、テキストの回答どおりでなくてもOKとされています。
カランメソッドはテキストに沿った回答が求められていますが、DMEメソッドでは自力で文章を作ることも重視されているため、回答の自由度は高めです。
これも、DMEメソッドの方がより自然なコミュニケーション力が身に付く理由になっているでしょう。
DMEメソッドにおける5つの効果
DMEメソッドに興味が湧いてきた人は、DMEメソッドを取り入れることで具体的にどんな効果が得られるのかにも興味がありますよね。
そこでここからは、DMEメソッドを学習に取り入れた場合の効果を5つに絞ってご紹介します。
自然なコミュニケーションができるようになる
DMEメソッドは、双方向かつ自分で英語の文章を作るという自然なコミュニケーションを重視しています。
そのため、DMEメソッドで学べば、そのまま実践でも使えるような自然なコミュニケーション能力が身につきます。
さらにレッスンでは、講師からの質問に即答することが求められるため、瞬発力も養われます。
通常の会話の中で、いちいち言い淀んでいると、なかなかスムーズなコミュニケーションはできませんよね。
しかしDMEメソッドで英会話を習得すれば、相手の言ったことにすぐにコメントできる瞬発力も身に付くのです。その結果、より自然な会話が可能になるでしょう。
文法や語彙の知識をつけられる
DMEメソッドでは単なる会話の練習だけではなく、文法や語彙もしっかり学びます。そのため、文法や語彙をきちんと理解しながら、会話練習ができるため、確かな知識がつくのです。
文法や語彙の知識がしっかり確立されているかどうかは、非常に重要なポイントです。
これが確立されていれば、応用もしやすくなりますし、実際に英語で会話をするときにも正しい文法で発話することができるでしょう。
英語を英語で理解できるようになる
DMEメソッドでは瞬発力が求められるため、日本語に翻訳している時間はありません。また、頭の中で考えた日本語を英語に翻訳する時間もありません。
ですから続けていれば、自然と英語を英語で理解できるようになるのです。
日本語に翻訳する時間がないと聞くと、難しく感じるかもしれませんが、その点も心配無用です。
なぜならDMEメソッドはごくシンプルな英語から始まり、本当に少しずつゆるやかに難易度が上がっていくからです。
まずはとてもシンプルな英語から、英語を英語で理解する練習ができるため、続けていれば自然と難しい英語も英語で理解できるようになるでしょう。
発音が改善される
DMEメソッドでは、指摘すべき部分があれば、講師がすぐに指摘してくれます。文法や語彙の間違いはもちろんですが、発音にも指摘が入ることがあります。
そしてレッスンでのスピーキング量はかなりのもの。説明以外の時間は、ほぼずっと喋っているような状態なので、嫌でも発音がどんどん改善されていくのです。
リスニング力がアップする
DMEメソッドでは講師が2回質問を繰り返してくれますが、質問の読み上げはナチュラルスピードで行われます。
その質問に自分が答える流れでレッスンが行われるため、じっくり耳を傾けて講師が言っていることを聞かなければ、レッスンが成り立ちません。
ですからDMEメソッドを続けていれば、リスニング力も向上します。ナチュラルスピードに慣れるため、しばらく続けていると、自分でも英語が聞けるようになっていることに気づくでしょう。
DMEメソッドにデメリットはある?
ここまでDMEメソッドについてその効果や、カランメソッドとは異なる利点についてご紹介しましたが、ここまでの内容だと、DMEメソッドに弱点がないように感じるかもしれませんね。
ですが、残念ながらDMEメソッドにもデメリットはあるのです。ここでご紹介するデメリットを見て、「自分には合わないかも」と感じるようなら、DMEメソッドを取り入れるかどうかは再考した方が良いかもしれません。
反復練習に飽きてしまうことも
DMEメソッドのレッスンでは、同じことを何度も言う反復練習が行われます。反復することで記憶の定着が叶うのですが、この反復練習に飽きてしまう人もいるでしょう。
特にその時の学習内容を簡単に感じている場合は、この反復練習を時間の無駄だと感じてしまうかもしれません。
DMEメソッドでは、ある程度レッスンに関するリクエストを聞いてもらえることも多いですから、もしも簡単すぎる反復練習に飽きてしまったときには、講師に告げてみても良いでしょう。
ただし、まだ知識がしっかり身についていない項目を学習している際には、たとえ飽きてしまっても反復練習をするのがおすすめです。反復練習をしているうちに、知識が確かなものになるからです。
スピーディーなレッスンに疲労を感じてしまう
DMEメソッドではテンポよくレッスンが進んでいきます。発話するときも瞬発力が求められるため、レッスンの雰囲気は活気がある感じです。
ただし、人によっては休みなく聞いて話すというシチュエーションに疲れてしまう人もいるかもしれません。
疲れてしまったときや、ゆっくり英語を学びたいとき、雑談をしたいときには、DMEメソッド以外のレッスンを受けるのが良いでしょう。
DMEメソッドが結構疲れるメソッドであることは事実なので、しっかり脳や体の休息が取れている時の方が、効率よく学べます。
英語がある程度話せる人もステージ1から行う
DMEメソッド最大のデメリットは、レベルの問題かもしれません。
DMEメソッドは初心者でもとっつきやすいようにカリキュラムが組まれていますが、すでに英語がある程度話せる人であっても、ステージ1、つまり初心者レベルの内容から始めることになります。
カランメソッドよりも自由度が高いように思えるDMEメソッドですが、このレベルの問題に関しては自由度がなく、誰でも初心者レベルからはじめます。
すでに英語がある程度話せる人だと、進行スピードは早いかもしれません。しかし、それでも簡単な内容から再学習することを、無駄だと思う人もいるでしょう。
講師との相性が合わないと大変
DMEメソッドはテンポよくレッスンを進めるのが大事。ですが、講師と会話の息が合わないと、その「テンポよく」という点を保つことが難しくなります。
性格の相性というよりも、会話のテンポの相性が非常に重要になってくるのです。
もしも講師との相性が合わない場合は、DMEメソッドの効果をきちんと感じることができないこともあるでしょう。
そのため、DMEメソッドで学習をするなら、講師選びも非常に重要なポイントとなります。
DMEメソッドで学べるスクールがあまりない
DMEメソッドはしっかりやれば効果が高く、英語を使ったコミュニケーション能力を磨くにはもってこいのメソッドです。
しかし、このDMEメソッドをコース内容に取り入れている英会話スクールは少なく、DMEメソッドで学ぼうと思うと、必然的にスクールが限られてしまいます。
DMEメソッドを取り入れているスクールは、どこもしっかりDMEメソッドのカリキュラムを忠実に取り入れているため、授業の質については不安はないでしょう。
しかし、月額料金や受講可能時間などのことを考えると、そもそもDMEメソッドを提供しているスクールは使いづらい人もいるかもしれません。
現状、DMEメソッドを取り入れているスクールが少ないことはどうしようもない事実ですが、今後カランメソッドのようにDMEメソッドももっと広まり、選択の幅が広がると良いですね。
DMEメソッドがおすすめなのはこんな人!
ここまでの内容をまとめると、DMEメソッドがおすすめできるのは下記にあてはまる人と言えます。
- アメリカ英語を学びたい人
- ちょっとハードなレッスンでも構わない人
- 自然で実践的な英会話力をつけたい人
- 文法や語彙力もおそろかにしたくない人
- スクールにこだわりがない人
- フィリピン人講師に抵抗がない人
では順番に少し噛み砕いて説明します。
アメリカ英語を学びたい人
ここまでも触れてきたとおり、DMEメソッドはアメリカ英語がベースとなっています。そのため、アメリカ英語を学びたい人、もしくは英語の地域は気にしていない人に、DMEメソッドは適しています。
逆に絶対イギリス英語を学びたい!という人だと、カランメソッドを選んだ方が良いかもしれません。
もしもDMEメソッドに魅力を感じているものの、イギリス英語を学びたいと思っているなら、DMEメソッドのレッスン以外でイギリス英語の発音練習をすると良いでしょう。
ちょっとハードなレッスンでも構わない人
DMEメソッドのレッスンはテンポよく行うことが大事です。レッスン中は割とずっと喋り通しになりますし、講師からの質問にもすぐに答える必要があります。
それを1回25分集中して行うため、疲れてしまうこともあるでしょう。
そんなハードなレッスンでも良い!むしろハードなレッスンの方が良い!と思える人なら、DMEメソッドが向いています。
ですが、ゆっくりペースで楽しみながら英会話をしたい人には、ちょっとハードすぎるかもしれません。
自然で実践的な英会話力をつけたい人
DMEメソッドは自然で実践的なコミュニケーションを重視しています。
英語習得の目的が、英語を使って自然にコミュニケーションをすることなら、DMEメソッドがぴったり!きっと、DMEメソッドの効果に満足できるはずです。
文法や語彙力もおそろかにしたくない人
DMEメソッドは、ただコミュニケーションをするだけではなく、文法や語彙力の向上にも力を入れています。
これにより、正しい英語が話せるようになり、文法や語彙の筆記問題などにも対応できるようになるでしょう。
ただ楽しく話すだけではなく、文法力も語彙力も磨きたいという人には、DMEメソッドがおすすめです。
スクールにこだわりがない人
前述のとおり、DMEメソッドを取り入れているスクールはまだまだとても少ないです。
選択肢の幅が少ないため、「絶対にここのスクールで学びたい」という希望がある人や、DMEメソッドのコースが予算に合わない人は、DMEメソッドを受けることができません。
スクール自体にはこだわりがなく、DMEメソッドが目的なら、きっとDMEメソッドを取り入れたレッスンを楽しめるはず。
ちなみにDMEメソッドを取り入れているスクールは高額なわけではないので、ご安心ください。
フィリピン人講師に抵抗がない人
実は、日本でDMEメソッドを取り入れているスクールは、2023年現在、どこもフィリピン人講師を採用しています。
フィリピン人講師たちは、英語を教えることにおいて経験豊富で質が高いことで知られているので、授業の質や発音のことで心配はいりません。
ですが、どうしてもネイティブに習いたい人など、フィリピン人講師に抵抗がある人だと、今のところDMEメソッドで学習するのは難しいかもしれません。
DMEメソッドがある語学学校に留学すれば良いと思うかもしれませんが、現状DMEメソッドで留学できる場所も、フィリピンが圧倒的に多いです。
逆にフィリピン人講師に抵抗がない、むしろフィリピン人講師の質を信頼している人なら、DMEメソッドを学習に取り入れ、効率よく英会話力を向上させることができるでしょう。
英会話力を鍛えたいならDMEメソッドに挑戦してみよう!
英語を習得したい人の多くが、英会話力を伸ばしたいと思っているのではないでしょうか。
英語でスムーズにコミュニケーションができるようになるためには、コミュニケーション能力を磨くトレーニングが必要です。
そのトレーニングとして有効な方法の1つであるDMEメソッド。もし興味を惹かれたなら、ぜひ挑戦してみてくださいね。