英語を学習中の人の中には、リスニングができなくて苦しんでいる人もいるでしょう。リスニングを上達させたくて、練習をしているのに、思うように上達しないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
英語のリスニング力をアップするためには、間違ったリスニング方法を改善して、正しいリスニング練習をすることが大事。
そこでこの記事では、英語のリスニングが上達する学習方法についてご紹介します。リスニングが思うようにできなくて悩んでいる人は、こちらを参考にすれば、リスニング力がアップするはずですよ。
英語のリスニングが上達しない8つの理由
リスニング練習をしているのに英語のリスニングに伸び悩んでいる人は、リスニングに必要なスキルが身についていなかったり、学習方法を間違ってしまっていたりするのかもしれません。
そこでまずは、英語のリスニングが上達しない理由について解説します。
1. そもそも英語の知識が不足している
英語の音源を聞いていて理解ができない場合、そもそも英語の知識自体が不足している可能性があります。
同じ文章を使うなら、リスニングよりもリーディングの方が簡単なはずです。
しかし、聞き取れなかった音源のスクリプトを読んで、あまり意味がわからないなら、英語の知識が不足していると判断して間違いないでしょう。
いくらリスニング力があったとしても、英語の知識が足りていなければ、リスニング音源を理解することはできません。
知識が足りていない人は、まず語彙力や文法力の強化が必要になるでしょう。
2. 英語を英語のまま理解できていない
英語を聞いたり読んだりしているときに、日本語訳をするクセがついてしまっている人は意外と多いです。
読む時は自分のペースで読めるため、それでもなんとかなるでしょう。しかしリスニングの場合は、次から次へと読み上げが進むため、日本語訳をしていると追いつきません。
英語を英語のままで理解できない場合は、リスニングがとても難しくなってしまいます。
そのため、日本語訳をするクセがある人は、英語を英語のまま理解するスキルを身につける必要があります。
3. 発音のルールに慣れていない
英語の発音自体に慣れていない場合も、リスニングが難しく感じてしまいます。
英語の発音は日本語とは全く異なりますし、子音が多いため、子音を聞き取れる能力も必要です。
また、リエゾンと言いますが、音と音がくっついたりもするので、そうしたルールにも慣れていなければ、なかなか英語を聞き取ることはできないでしょう。
4. 音源のスピードが速すぎる
音源のスピードが速すぎるのも、リスニングが上達しないように思える一因になっているかもしれません。
当然ながら、英語のレベルが初級レベルの場合、ナチュラルなスピードの音源では聞き取りがかなり難しくなってしまいます。ナチュラルスピードで大体のことを理解できるのは、上級レベルの人です。
試しに音源のスピードを落としてみて理解ができるなら、スピードが自分に合っていない可能性があります。
リスニング力を鍛えたいなら、まずは無理なく聞き取れるスピードのものからはじめてみましょう。
5. 自分に合ったリスニング教材を選べていない
自分に合ったリスニング教材を選べていないのも、なかなかリスニングが上達しない原因になっているかもしれません。
自分に合ったリスニング教材とは、レベルやトピックが適切なものということです。
自分のレベルに合っていないリスニング教材に取り組んでも、思うような上達は見込めません。
簡単すぎるものはもちろんのこと、すぐに上達しようと思って、難しすぎるリスニング教材に取り組んでも、全く聞き取れないならリスニングの練習にならないのです。
また、トピックも意外と大事。単にリスニング力を強化したい場合は、自分が理解できるトピックのものを選びましょう。
たとえば、科学に全く興味がない人が科学の話をしている音源を理解するのは非常に難しいです。
もしも理解できる分野を広げたいなら、リスニングではなく語彙力の強化で語彙を補強しましょう。そうすれば、リスニング力がある人なら、すぐにその分野のリスニングもできるようになるからです。
6. 聞き取れなかった部分を気にしすぎている
リスニング音源を聞いていて、聞き取れなかった部分があると、そこばかり気になってしまうかもしれません。
しかし聞き取れなかった部分を気にしていると、その続きを聞き取ることができないでしょう。これを繰り返していれば、そもそも効果的なリスニング練習にならないのですね。
ちなみに、たとえ英語に流暢な人でも、リスニング音源で聞き取れない部分は発生します。
日本語で考えてみるとわかるかと思いますが、多少聞き取れない部分があっても、その他の部分が聞き取れれば、特に問題なく全体の意味は把握できますよね。
聞き取れなかった部分が、なんと言っていたのか、あとからわかるパターンもあるでしょう。
ですから、聞き取れなかった部分に固執するのはとてももったいないことなのです。多少聞き取れなかったとしても、あまり気にせず、次に読み上げられる単語や文章に耳を傾けることが大切です。
7. 聞き流しのみでリスニングに取り組んでいる
聞き流し学習なんてものがありますが、聞き流しのみでリスニングに取り組んでいても、なかなかリスニングが上達しません。
これは、聞き流しをすると、英語をBGMのように聞いてしまうからです。
音楽を聴いているときを想像するとわかりやすいでしょう。音楽を聴きながら何かをしているとき、その歌詞が耳に入ってきたとしても、意味までは把握していないのではないでしょうか。
英語の聞き流しをしていると、この状態になってしまうので、リスニングしながら意味を理解する能力がなかなか身につかないのです。
聞き流しも全く効果がないわけではないのですが、聞き流しを取り入れるなら、プラスアルファでしっかりリスニングの練習に取り組むことが必要です。
8. リスニングに取り組む時間が足りていない
リスニングに取り組む時間が短い場合も、なかなか思うようにリスニングを上達させることができません。これはシンプルに、練習量が足りていないからですね。
定期的にリスニングの練習をしている!と思っているかもしれませんが、リスニング力をつけるには、頻繁にリスニングに取り組む必要があるのです。
たくさんリスニングの練習をしていると思っている人も、その取り組み方、時間配分の仕方に問題があるかもしれません。
英語のリスニングを上達させる学習方法とは?
自分のリスニングが上達しない理由がわかったら、その問題を解決できる学習方法に取り組めば、リスニングが上達し始めるでしょう。
そこでここからは、英語のリスニングが上達する学習方法をご紹介していきます。
まずは語彙力・文法力を身につける
語彙力・文法力、つまり英語の知識が足りていなくてリスニングで伸び悩んでいる人は、語彙力・文法力を強化する学習に取り組みましょう。
語彙や文法に関する教材に取り組んだり、英語学習用アプリを使ったりと、やり方はさまざまです。
また、自然と語彙力や文法力をつけていきたいなら、英語の本を読むのもおすすめ。ただし、本を読む場合は、数をこなさないとなかなか語彙力・文法力に結びつきません。
中学レベルの参考書に挑戦したり、資格試験用の教材を利用したり、どんな方法でも良いのでまずは語彙力・文法力をつけて、リスニングに必要な知識を養いましょう。
日本語訳をする癖をやめる
英語を聞いたり読んだりして日本語訳をする癖がついている人は、早めにその癖を手放しましょう。
日本語訳の癖がついていると、英語知識のレベルが上がっても、リスニングはなかなかおぼつかないままになってしまいます。
これは、リスニングをするときに余分に時間がかかってしまうからですね。
どうしても日本語訳をしてしまう人は、まずリーディングで日本語訳をしない練習をしてみましょう。今のレベルよりも簡単な文章をリーディングすれば、日本語訳せずに理解しているはずです。
それに慣れたら、少しだけレベルをあげていく……という風にすれば、日本語訳をする癖が抜けていくはず。
リーディングで日本語訳をしなくなったら、次はリスニングに挑戦してみましょう。ここでも、ちょっと簡単なものから取り組めば、日本語訳せずに理解できている自分に気づくはずです。
こちらも、少しずつレベルをあげていけば、今の英語知識のレベルにぴったりなリスニング音源も、日本語訳せずに理解できるようになるはずです。
7〜8割聞き取れるものでリスニング練習をする
リスニングができないと感じている人は、そもそも自分のレベルに合ったリスニング音源を選べていない可能性も高いです。
リスニング教材を選ぶときには7〜8割くらい聞き取れるものを選びましょう。残りの2〜3割を聞き取れるようになる練習だと思ってください。
7〜8割理解できれば、その音源が何について話しているのか、おおまかな概要はつかめるはず。しかし、細かいことはよくわからないという状態ではないでしょうか。
そのくらいのレベルが、リスニング練習をするのに適した教材レベルです。
じっくりリスニングに取り組む時間をつくる
リスニング力をつけたいなら、聞き流しではなくじっくり英語に耳を傾ける時間を作る必要があります。聞き流しをしてはいけないわけではありません。
しかし、聞き流しだけではリスニングは上達しませんから、じっくり英語を静聴する時間も作りましょう。
じっくり聞くとは、しっかり話者の言っていることに耳を傾け、意味を理解しながら聞くということです。
もちろん練習ですから、わからないところがあっても良いのですが、英語をBGMにするのではなく、英語と向き合い、わからないところは何度も聞くなど、じっくり取り組む時間を作ってください。
たとえ短時間であってもじっくりリスニングに取り組む時間を作れば、どんどん力はついていきます。聞き流しをしていた頃と比べれば、ちゃんと力がついていくのを感じるでしょう。
ちなみにリスニング練習は、別に教材を使わなければならないわけではありません。
レベルが自分に合っているのであれば、子ども向けアニメや海外ドラマ、ニュース番組などを使っても大丈夫です。
ただし、ちゃんと意味を理解しながら見るということを忘れずに。
隙間時間を有効活用して頻度をアップ!
英語学習に取り組んでいる人の中には、週1で2時間など、まとめて勉強している人もいるかもしれませんね。
それでは効果が出ないわけではありませんが、よりスピーディーにリスニング力を身につけたいなら、週1回2時間よりも、ほぼ毎日15分でもリスニングに取り組んだ方が、効果がでやすいです。
記憶を定着させる、そして英語の音に慣れるということを考えると、時々勉強するよりも、毎日継続することが大事。
毎日は時間が取れない……という人も、リスニングは隙間時間を使った学習がしやすい分野ですから、隙間時間を有効活用しましょう。
たとえば、何かの待ち時間、通勤通学時、お湯を沸かしている間、ちょっと体を休めたいときなど、耳が暇なのであれば、リスニングには取り組めます。
スマホにリスニング音源を入れていれば、いつでもイヤホンを使って英語を聞くことができるでしょう。
ちょっと時間が空いたときに、じっくり英語を聞くようにしていれば、いずれは耳が英語に慣れていきます。
その状態なら、語彙力や文法力を強化することで、どんどん聴ける英語の範囲が増えていくでしょう。
学習時間の確保に困っている人は、隙間時間にリスニングに取り組めるよう、スマホのように持ち歩けるものにリスニング音源を入れておきましょう。
スクリプトを見ながら発音を感じ取ってみる
英語の発音ルールに慣れていなくて、リスニングがなかなか上達しない人もいるはずです。そういう人は、ただ英語の音源を聞くだけではなく、スクリプトを用いた学習もおすすめです。
スクリプトを見ながら音源を聞いていれば、どの単語がどんな風に発音されているかがわかります。音のつながりであるリエゾンなども理解しやすくなるでしょう。
スクリプトを見ながら、一文一文音を止め、音源の真似をしてみるのもおすすめです。自分で発音できるようになれば、その音は聞き取れるようになるからです。
自分で発音する場合は、さらに録音までしてチェックすると、より効果的ですよ。
英語のリスニングに関するQ&A
ここまで、リスニングが上達しない理由や、学習方法をご紹介しましたが、まだまだ疑問が残っている人もいるでしょう。
そこで、ここからは英語のリスニング学習に関する疑問にお答えしていきます。
これを参考にすれば、リスニング学習に関する疑問が解決し、より効果的な学習ができるようになるはずです。
文中で、聞き流しだけではリスニングが上達しないことに触れましたが、巷に「聞き流し学習」といったものがあるため、「聞き流しでリスニングは上達しないの?」と驚いた人もいるかもしれませんね。
実際のところ、聞き流しだけではあまりリスニングの上達は期待できません。聞き流しをしているときは、意味を理解せず、まるでBGMのように聞いているため、下手をすると英語の音源をすべてBGMのように聞いてしまうクセがついてしまうおそれもあります。
ただし、聞き流しが全く効果がないわけでもありません。聞き流しでも、例えば同じ音源を何度も何度も繰り返しきいていれば、その音源が言っていること自体を覚えてしまい、特徴的な文章などは自然と発音できるようになるでしょう。
また、英語独特のリズムやアクセントの付け方は、身に付く可能性も高いです。
ですから、聞き流しも全くしないよりはした方が良いです。ただ、それだけではリスニングにおける理解力の向上はあまりのぞめないことを覚えておきましょう。
たとえば、掃除や料理などの家事をしながら、お風呂に入りながらなど、何かをしながらリスニング音源を聞くことは、じっくり耳を傾けているなら「聞き流し」にはなりません。
そういったながら学習がダメというわけではないので、何かをしながら意味を感じとるリスニングをしているなら、十分効果が期待できます。
リスニング力アップの方法として、シャドーイングが良いというのを聞いたことがないでしょうか。確かにシャドーイングはしっかり音を聞くことになりますし、聞いたままを発音するため、発音の改善にも繋がります。
ただ、シャドーイングをしているときは、音を追いかけるのに夢中になるため、意味はあまり追えていないはず。しっかり意味を感じ取りながらシャドーイングができる人はなかなかいないでしょう。
そのため、英語を聞いて理解する能力をアップするためには、シャドーイングはあまり有効な方法ではないのです。
ただし、シャドーイングをすれば発音のルールや英語のリズムなどは習得できます。ですから、全くリスニング力に関係ないわけではありません。
ただ、シャドーイングのみでリスニング力をアップするのは難しいでしょう。シャドーイングも学習に取り入れつつ、ただ音源を聞いて意味を理解する練習も必要なのです。
リスニングに悩んでいる人は、効率よく短期間でリスニング力を向上させたいと思うこともあるはず。しかし結論から言えば、短期間ですぐにリスニングを飛躍的に上達させる方法はありません。
短期間の定義にもよりますが、たとえば1ヶ月集中してリスニングに取り組んだとしても、入門レベルの人がいきなり中級、もしくは上級レベルにはならないのです。
これは、リスニング力をつけるためには、語彙力や文法力の強化も必要だからです。
ただし、1ヶ月集中して取り組んでいれば、確実に成果は表れます。前は聞き取れなかったものが、聞き取れるようになるということはあるので、短期間でもある程度リスニング力を向上させることは可能です。
ですが、もしもその1ヶ月がすぎた後に、リスニング学習をやめてしまうと、またリスニング力が下がってしまいます。
英語のリスニング力の向上、そして維持のためには日々の積み重ねをずっと続けることが大切なのです。
リスニングの練習をしていると、上達を感じなかったり、学習内容が単調だったりして、つまらない・つらいと感じることもあるかもしれません。
そんなときは、自分が楽しめるものを練習に取り入れてみましょう。
たとえば好きな海外ドラマや洋画でも良いですし、アニメでもかまいません。ドラマや洋画は上級者向けですが、子ども向けアニメなら、初級レベルの人でも十分理解でき、しかも楽しめるものもあります。
また、ゲーム感覚で学べる英語学習アプリなどを取り入れると、つらいと感じることが少なくなるかもしれません。
さまざまな工夫をして、楽しみつつ、しっかり力のつく学習を続けてくださいね。
英語のリスニングは毎日継続すれば確実に上達する!
リスニングが上達しないと悩んでいる人も、毎日英語のリスニング練習に取り組めば、確実に上達していきます。
今回ご紹介した学習方法なども取り入れつつ、無理なく続けていける方法で、リスニング学習を続けてみましょう。
数ヶ月後には、これまで全く聞き取れなかったものが、スムーズに聞き取れるようになっているはずですよ。