経団連調査…企業が求める人材&大学に期待する取り組みとは?

 日本経済団体連合会は1月18日、「産業界の求める人材像と大学教育への期待」に関するアンケートの結果を公開した。

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グローバルに活躍する日本人の人材に求められる素質 知識 能力(複数回答)
  • グローバルに活躍する日本人の人材に求められる素質 知識 能力(複数回答)
  • グローバル人材育成に向けて大学に期待する取り組み(複数回答)
  • 日本国内における外国人の人材の採用状況
  • 本社採用人数に占める外国人人材の割合
  • 採用に際して大学生に期待する素質 態度、知識 能力
  • 文科系、技術・理科系大学生に期待するもの(複数回答)
  • 大学生に不足しているもの
  • 大学が取り組みを強化すべきもの
 日本経済団体連合会は1月18日、「産業界の求める人材像と大学教育への期待」に関するアンケートの結果を公開した。

 企業が求める人材の素質・能力や大学生が社会に出るまでに身につけるべき知識、職業意識、人材育成に向けて大学や企業に求められる取り組み、産業界と大学間の連携の実態などについてアンケートを行った。調査対象は日本経団連会員企業1,283社、地方別経済団体加盟企業。実施期間は2010年9月15日〜11月1日、回答数は596社。

 グローバルに活躍する日本人の人材に求められる素質、知識・能力について質問したところ、最も多かったのは「既成概念に促われず、チャレンジ精神を持ち続ける(419社)」、次に「外国語によるコミュニケーション能力(368社)」となった。非経団連会員では「企業の発展のために、逆境に耐え、粘り強く取り組む(144社)」という意見も多い。

 海外赴任者に求める外国語能力に関しては「客観的基準は設けていない(501社)」とする回答が多く、設けている場合(54社)では、TOEIC(英語)と中国語検定(3級、4級以上)を挙げる回答が多かった。

 グローバル人材育成に向けて大学に期待する取り組みとしては、「専門科目を外国語で履修するカリキュラムの構築(271社)」が最も多かった。また、「企業の経営幹部・実務者から、グローバル・ビジネスの実態を学ぶカリキュラム(260社)」という回答も多く挙がっている。

 国内における外国人の採用状況については、「継続的に雇用を行い、現在も雇用している(247社)」で全体の42%、経団連会員企業の中では59%、海外売り上げ比率50%以上の企業では77%となっている。しかし、本社採用における外国人人材の占める割合はまだ少ない。本社の外国人採用では、留学生の占める割合が増加傾向にある。

 大学生の採用にあたり重視する素質としては「主体性」「コミュニケーション能力」「実行力」「チームワーク・協調性」となっている。さらに技術系・理科系では「専門分野の知識」「論理的思考や課題解決能力」を身につけることが期待されているようだ。

 大学が取り組みを強化すべきものとしては「教育方法の改善(440社)」「大学教員の教育力向上(261社)」という回答が多かった。人材育成に向けた大学との連携に関しては、企業幹部による講義や大学の特定のカリキュラム開発への協力などを挙げている。
《前田 有香》

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