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子どものネット利用「見守りながら段階的に使わせたい」64.9%

デジタル生活 インターネット

所有する機器ごとのフィルタリング利用状況
  • 所有する機器ごとのフィルタリング利用状況
  • 家庭内で利用中のフィルタリング製品・サービス
  • 携帯電話向けサービスで利用しているメニュー(学齢別)
  • フィルタリング製品・サービスごとの機器利用者
  • 利用機器へのフィルタリング導入タイミング
  • フィルタリング導入の理由
  • パソコン、ゲーム機等での利用のきっかけ
  • 現在利用している製品・サービスへの満足度
 URLフィルタリング製品技術・サービスの開発・提供を行うネットスターは2月9日、第12回「家庭でのインターネット利用実態調査」の結果を発表した。

 調査対象は、家庭内でフィルタリングを利用しており、小学生から高校生の子どもを持つ保護者516人(父親52.9%、母親47.1%)、調査期間は2010年11月25日〜26日、ウェブアンケート方式(マクロミル社調べ)。同調査は、家庭でのネット利用動向や利用者意識を把握するために、2004年から実施されている。

 所有する機器ごとのフィルタリングの利用状況について聞いたところ、「パソコン」が81.2%、「携帯電話」が47.9%、「スマートフォン」が18.1%「携帯ゲーム」が19.1%、「据え置き型ゲーム機」が21.3%などとなった。利用しているフィルタリング製品・サービスでは、「ウイルス対策製品」が44.2%、「携帯電話事業者が提供しているアクセス制限サービス」が36.8%、WindowsやMac OSに組み込まれている機能が14.9%、「ニンテンドーDS」や「PSP」、「Wii」や「PS3」などゲーム機で提供されているサービスが12.8%などとなっており、無償サービスの利用者が過半数を占めている。また、「プロバイダ経由でのサービス」12.2%、「ルータ型サービス」3.3%、「i-フィルター」など、有償サービス利用者の合計は21.7%になっている。

 携帯電話でのフィルタリング利用は、ブラックリスト方式(規制範囲が狭く、店頭で推奨されることが多い制限リスト方式)が51.6%、ホワイトリスト方式(特定のウェブサイトにしかアクセスできないサービス)が33.7%、ウェブ利用制限(全規制方式)が14.2%だった。ブラックリスト方式利用割合は学齢とともに上がり(小学生高学年36.6%→高校生63.2%)、ホワイトリスト方式利用割合は学齢とともに下がっている(小学生高学年51.2%→高校生20.6%)。全規制方式の利用割合は小学生・中学生では20%弱で大きな差は見られないが、高校生になると大きく下がり7.4%になっている。

 ブラックリスト方式、ホワイトリスト方式のいずれの利用者も、その選択理由の上位には「ネットを自由に使わせるのが怖いから」がトップに挙がった。また、ホワイトリスト方式利用者では「確実なフィルタリングがしたいから」(40.6%)「ウイルス感染が怖いから」(40.6%)「ネット詐欺が怖いから」(42.2%)についての回答も多かった。

 パソコン向けのフィルタリング利用者の中で、「プロバイダ経由でのサービス」「ウイルス対策製品の(付属)機能」の利用者では、親子ともにフィルタリング対象としている割合が高い。一方「OSの付属機能」の利用者は、子どものみが対象となっている割合がやや高かった。「携帯電話」や「ゲーム」については、子どものみがフィルタリング対象という割合がパソコンに比べると高かった。

 購入時から子ども専用になりがちな携帯電話やゲームは、購入初期段階からフィルタリングを利用する割合が高い。パソコンは、子どもの成長に合わせて、途中からフィルタリングを利用する割合が高まるようだ。

 「プロバイダ経由でのサービス」「ウイルス対策製品の機能」の利用者では「ウイルス感染が怖い」が上位。「OSの付属機能」利用者では「子どもに見せたくないサイトがある」、ゲーム機でのフィルタリング利用者では「ネットを自由に使わせるのが怖い」が上位となるなど、機器によってフィルタリング導入の理由は異なっている。特にゲーム機では「取扱説明書に書いてある」と回答する割合が他の機器よりも高い。

 フィルタリングを利用したきっかけについては「無料だったから」(46.9%)「利用機器に機能がふくまれていた」(24.2%)という回答が多かった。友人や店員、学校など「周囲からの推奨」がきっかけとなっているのは1割未満と低く、現時点での利用者の多くは自発的に導入していることがわかる。保護者の性別でみると父親は「無料だったから」、母親は「体験版があったから」という回答が多い。また、友人、学校など周囲からの推奨がきっかけと回答したのは母親の割合のほうが高い。

 現在使用しているフィルタリング製品・サービスについて、「満足している」との回答は、一番高いゲーム機向けでも54.5%で、パソコン向けや携帯電話向けでは4割から3割だった。しかし不満とする回答はいずれの機器についても10%未満で、「どちらとも言えない」とする回答のほうが多いようだ。利用している製品・サービスで満足している点は携帯電話向け、ウイルス対策製品機能ともに、「設定が簡単」が7割だった。ウイルス対策製品機能では、「ウイルス感染が減った」(24.8%)も目立っている。

 3割近くの保護者は「どの分野をアクセス制限すればいいか分からない」などの理由から推奨ルールを利用しており、携帯電話向けで8割、パソコン向けで6割が推奨ルールをそのまま利用していた。パソコン向け製品・サービスの利用者では、「推奨ルールを一部変更して利用している」など、家庭ごとの方針に合わせて調節を行っている割合が、携帯電話向けに比べると高いようだ。

 携帯電話向け、パソコン向けの両方とも、3割近くの保護者が推奨ルールでアクセス制限されている分野の内容を知らないまま利用していると回答した。推奨ルールを利用している理由は携帯電話向け、パソコン向けともに「1つひとつ分野を選択するのが面倒だから」(5割前後)、どの分野をアクセス制限すればいいか分からない」(3割~4割)に回答が集まっている。

 「子どもの成長に合わせ定期的にルールを見直した(する予定)」と回答した保護者は、携帯電話向けで4割、パソコン向けで2割という結果だった。特に、パソコン向けに関しては「ルールを見直したことがない」の割合が3割と携帯電話に比べ高く、成長に合わせて制限分野を調節するなどの利用は低かった。

 フィルタリング利用で保護者が難しいと感じる点を聞いたところ、「ネットを利用する上で必要な能力が備わっているかの把握」「利用できるサイトの範囲を拡大する際の見極め」が利用機器を問わず上位となった。

 アダルトや違法情報掲載サイトなど、いわゆる「違法・有害」系のサイトをアクセス制限できるということについての認知度は高いが、ゲームやショッピング、コミュニケーションサイトまでフィルタリングでアクセス制限できるという点についての認知度は低く、正しく理解している保護者は3割以下だった。特に母親の認知度の低さが目立つ。

 フィルタリングを解約した(検討した)理由の上位には、「(必要な)連絡掲示板が見られない」(19.1%)、「音楽ダウンロードができない」(15.2%)、「コミュニケーションサイトが見られない」(14.6%)が挙がった。本来、個別調整機能の利用などで解決できる問題が上位となるなど、既にフィルタリングを利用している家庭であってもフィルタリングの特性については理解不足で、活用するには至っていない場合があることがわかる。

 子どものネットデビューのあり方について、「見守りながら段階的に使わせたい」と考える保護者が64.9%で最も多い。以下、「教育をした上で自由に使わせる」が44.4%と続いている。「見守りながら段階的に使わせたい」との回答は母親に、「教育をした上で自由に使わせる」との回答は父親のほうに多く見られた。

 「ネット利用をする上で必要とする能力の一覧」(34.7%)や「各サイトの対象年齢」(27.5%)、「アクセス制限が必要なサイトとそれを解禁してもいい時期の目安」(25.2%)など、子どものネット利用についてのガイドラインを求めている保護者が多い。また「サイト閲覧先やネット利用傾向を分析するツール」など、子どものネット上での行動傾向を把握するためのツールについても求められていることもわかった。特に、ガイドラインについては母親、ツールについては父親で関心が高いようだ。

 保護者がフィルタリングを利用する理由は「ウイルス感染が怖いから」が49.2%で最も多かった。その他、「機器を共用している」(26.7%)(から仕方無く)といった理由も上位となった。「保護者自身を対象としたフィルタリングは利用していない」は27.9%に留まり、既にフィルタリングを利用している家庭の7割以上では、保護者自身も何らかの形でフィルタリング対象となっている。また、自身をも対象としてフィルタリングを利用しているのは、父親よりも母親に多い。自身が利用するフィルタリングルールは「子供向けの推奨ルール」(36.6%)が「大人向けの推奨ルール」(23.9%)よりも多かった。

 保護者が考えるフィルタリングの役割は「子ども」に関する理由が5割以上だったが、「安全にネットを利用できる」(65.5%)、「自分の身を守る」(38.4%)など、「保護者自身」「家族全体」に関する回答も多く見られ、安全なインターネット利用に欠かせないと考える保護者も多いことが伺える。また、22.8%の保護者が、両親など離れて暮らす親族のネット利用についても心配していた。具体的に心配な点としては「ウイルス感染」(78.8%)や「ネット詐欺」(66.7%)など。その対策として、回答者の78.8%が「離れて暮らす親族にフィルタリングを利用して欲しい」と考えており、25.8%が「既に利用させている」。(利用して欲しいが)「まだ利用していない」理由としては遠隔地ゆえに「管理が難しい」(40%)が上位となった。
《前田 有香》

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