2012年度大学入試、志願者は文低理高…河合塾

 河合塾は12月8日、第3回全統マーク模試実施時に行った受験生の志望校調査をもとに、2012年度大学入試動向を分析した「分析サマリー」をホームページに公開した。

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河合塾第3回全統マーク模試受験者数と大学志望者数
  • 河合塾第3回全統マーク模試受験者数と大学志望者数
  • 学部系統別の志望動向
  • 受験生の志望系統決定時期(Kei-Netアンケートより)
  • 「理科」「地歴・公民」第1解答科目指定の動き
 河合塾は12月8日、2012年度大学入試動向を分析した「分析サマリー」をホームページに公開した。

 河合塾では、10月に高3・卒生を対象とした第3回全統マーク模試(受験者数28万1千718人)を実施。模試実施時に行った受験生の志望校調査について、その結果概要とそこから予想される2012年度入試の動向を「分析サマリー」としてまとめている。

 第3回全統マーク模試の受験者数を文理別に見ると、文系生が若干減少しているのに対し、理系生は昨年に続き増加。大学志望者数は、国公立大、私立大ともに前年比101%と前年並みである。

 国公立大は、全国的に安定した人気を示しており、私立大は、受験料が安くセンター試験の成績のみで受験可能な「センター利用方式」の人気が高まっているという。

 学部系統別の人気を見ると、全体的な傾向は2011年度入試に続き文低理高である。文系では、「法・政治」「経済・経営・商」といった社会科学系で志望者が大きく減少。一方、理系の各系統は志望者が増加しており、理系人気は来春も継続しそうである。医療系は総じて人気が高く、近年不人気だった「歯」「薬」といった分野も志望者が増加している。また、理系各系統では女子志望者の増加が目立つのも特徴である。医療系のほか、「教育」「食物栄養」といった資格に直結する学系も引き続き人気で、景気の動向が受験生の学部系統選びに密接な関係があることが伺えるとしている。

 河合塾入試情報サイト「Kei-Net」上で、受験生に志望系統とその理由・決定時期についてアンケートを行った結果では、志望系統の決定は男子よりも女子、文系生よりも理系生の方が早いことが分かった。

 今回の模試でも増えている女子理系生は、過半数が高1の時点ですでに進路を決めており、早期から理系を志している様子がうかがえる。志望理由を見ると、男子以上に、学部選びと職業を自己表現の一手段として捉えている印象が強いという。一方、男子では「好きだから」がもっとも強い動機として挙げられることが多かった。就職について明確な志望を持つ者もいるが、特に理工系では「好きなことを究めたい」が学部選択の決め手となっているケースが多いという。

 このほか、資料では、理科、地歴・公民の2科目同時間帯実施等の「センター試験の変更と受験生への影響」や「東日本大震災の影響と被災受験生への大学の支援」等についても掲載している。
《前田 有香》

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