本物の学力を育てるための教材づくり…Z会 大矢忠和氏

 1931年の創業から昨年80周年を迎えた通信教育のZ会。1985年には教室事業もスタートし、現在は幼児から大学受験生向けコース、さらには社会人向けのキャリアアップコースも展開する。

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Z会 執行役員 学習支援部長 大矢忠和氏
  • Z会 執行役員 学習支援部長 大矢忠和氏
  • トロフィーを両手に喜びの表情を見せる大矢氏
  • デジタルZえいご「Is it a penguin?」
  • デジタルZえいご「Oh, no! It's a cow.」
 1931年の創業から昨年80周年を迎えた通信教育のZ会。1985年には教室事業もスタートし、現在は幼児から大学受験生向けコース、さらには大学生・社会人向けのキャリアアップコースも展開する。顧客満足度調査で決定するイード・アワード2011 通信教育部門「小学部」「中学部」の各総合で最優秀賞を受賞したZ会の執行役員 学習支援部長 大矢忠和氏に、Z会の特長や、今後の展開について聞いた。

−−受賞おめでとうございます。ご感想をお聞かせください。

大矢氏:8割以上の方に支持(顧客満足度で「とても満足している」「満足している」の合計)をいただけて大変嬉しいですし、支持してくださった方に感謝の気持ちでいっぱいです。部門別で結果を見ますと「教材の質」の部門では9割以上もの支持をいただきました。創業以来、Z会では、生徒が本物の学力を身につけるための教材づくりを徹底して追求してきましたが、それを認めていただけたのだと嬉しく思います。

−−教材づくりではどのような工夫をされていますか。

大矢氏:Z会の創業の理念は「百の聴講より一の実践」です。漫然と講義を聞くのではなく、「自ら学び、調べ、考え、表現する学習」を繰り返し、実践することで、受験だけでなく将来にも通用する本物の学力が身につく。本物の学力を育てるための教材づくりを私たちは目指してきました。

 また、通信で勉強を継続するのは難しいことです。勉強を楽しく継続できるよう、「あ〜そうだったのか!」という驚き、納得、喜びの一瞬が埋め込まれた教材づくりにこだわっています。

−−Z会設立の経緯を教えてください。

大矢氏:Z会は1931年に創業し、昨年80周年を迎えました。創業者の藤井豊は旧制中学校の英語教師でしたが、耳が不自由になり教壇に立つことができなくなりました。しかし、子どもに教えたいという気持ちが強く、通信添削による教育を始めました。これがZ会の始まりです。

 当初は「実力増進会」という名称でしたが、会員さんたちが増進会のイニシャルZをとって「Z会」と呼んだのが愛称として定着し、今では会社名にもなっています。いわば、会員のみなさんが会社を作ってくれたようなものです。

 創業当初は高等教育機関を目指す生徒が対象でしたが、第二次世界大戦による休業・再開を経て、高3生のみだった会員を、1961年には高校1、2年、1982年には中学生、1999年には小学生へと広げてきました。2006年に世の中のニーズに応える形で中学受験コースを、2010年には幼児教育をスタートしました。また、1985年には、通信講座だけでなく、教室事業もスタートし、現在は幼児から大学受験生向けコース、大学生・社会人向けのキャリアアップコースも設けています。

−−Z会の通信教育の特長は何でしょうか。

大矢氏:会員の児童・生徒が課題に取り組み、研修を受けた添削指導者が指導をし、会員は添削結果を見て復習をする、というのが基本です。幼児・小学生は担任制ですが、中学生・高校生は教科ごとに複数の添削指導者が担当します。また、添削指導者のほかに、学習アドバイザーがいて、学習全般についてのサポートをしています。

 コースは、英国数(算)理社だけでなく、目的ごと、志望大学ごとなど、子どもの成長に合わせて細分化された展開をしています。

−−Z会の強みは何でしょうか。

大矢氏:大きくは、次の5つだと考えております。

 1つ目は、東大、京大、早慶を中心とした、大学合格実績によるブランドイメージ。

 2つ目は、そのブランドを支えている、信頼に恥じない仕事をしようと意欲をもった添削指導者、教材の執筆者等の良質なネットワーク。

 3つ目は、学力や学習意欲の高い会員(児童・生徒)が集まっていること。3.11の大震災以来、添削答案を提出すると付与される努力賞ポイントを、賞品交換ではなく寄付に利用した生徒が1,000人を超えました。このような会員はZ会の誇りです。

 4つ目は、通信教育事業、教室事業、出版事業の3つをもち、子どものタイプに合わせた学習手段を提供できること。

 そして5つ目は、「子どもたちに最高最良のものを届けたい」という従業員の思いです。

−−準備されている新サービスや企画はありますか。

 大矢氏:最近人気が高まっている公立の中高一貫校を目指すコースを、今年4月に新設します。

 また、6〜8歳の児童を対象に、タブレットPCを利用した英語学習「「デジタルZ」はじめてまなぶえいご」も4月に開講します。タブレットPCは一括・分割購入もレンタルも可能で、毎月1回、配信される教材で、英語を体感しながら楽しく学べます。直感的に画面をタッチすることでストーリーが展開し、自然に英語を耳から覚えられるコンテンツです。

−−最後に、2012年の受験生に向けてエールをお願いします。

大矢氏:今まで取り組んだことに自信をもって、当日は存分に力を発揮してほしいですね。

−−ありがとうございました。

 リセマムは、2011年9月10日〜11月10日、小学生、中学生、高校生および大学受験生のお子さんをもつ保護者を対象に、塾・予備校・通信教育の顧客満足度調査を実施し、「イード・アワード2011 塾部門・通信教育部門」として12月に最優秀賞および優秀賞、各部門賞を発表した。Z会は「通信:小学生」で総合最優秀賞のほか、「分かりやすい通信」「教材の質がよい通信」「学費満足度の高い通信」を受賞。「通信:中学生」でも総合最優秀賞を受賞し、「教材の質がよい通信」「学費満足度の高い通信」で部門賞を受賞した。

◆イード・アワード2011 塾部門
 >>> http://resemom.jp/feature/award02/

《聞き手:田村 麻里子》
《石井栄子》

石井栄子

子育てから、健康、食、教育、留学、政治まで幅広いジャンルで執筆・編集活動を行うフリーライター兼編集者。趣味は登山とヒップホップダンス、英語の勉強。「いつか英語がペラペラに!」を夢に、オンライン英会話で細々と勉強を続けている。最近編集を手掛けた本:『10歳からの図解でわかるSDGs「17の目標」と「自分にできること」』(平本督太郎著 メイツ出版)、『10代から知っておきたいメンタルケア しんどい時の自分の守り方』(増田史著 ナツメ社)『13歳からの著作権 正しく使う・作る・発信するための 「権利」とのつきあい方がわかる本』(久保田裕監修 メイツ出版)ほか多数

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