若い世代は慣用句を使わない…日本語変化の実態調査

 ジャストシステムは3月21日、全国の10代〜70代以上を対象に行った、身近にある日本語を考えるアンケート調査「変わりゆく日本語の実態」の結果を公開。日本大学文理学部国文学科教授の荻野綱男氏の解説のもと、同社の「ATOK 30周年記念サイト」に掲載した。

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「変わりゆく日本語の実態」調査結果
  • 「変わりゆく日本語の実態」調査結果
  • 慣用句について
  • 「こだわる」の意味
  • 「片足ずつ入れてはく洋服のボトムス」の言い方
 ジャストシステムは3月21日、全国の10代〜70代以上を対象に行った、身近にある日本語を考えるアンケート調査「変わりゆく日本語の実態」の結果を公開した。

 同調査は、慣用句の使い方やことばの意味、日常生活で使う名詞などについて、1月12日から19日にかけインターネット調査を実施。全国の10代〜70代以上の男女3,104人の回答を得た。

 調査結果については、日本大学文理学部国文学科教授の荻野綱男氏の解説のもと、同社の「ATOK 30周年記念サイト」に掲載されている。

 慣用句の使い方を調べる調査では、「怒り心頭に発する」「上を下への大騒ぎ」のそれぞれについて、一部分を隠した状態で言葉の使い方を尋ねている。その結果、10代から70代以上のすべての世代で「怒り心頭に達する」と誤った使い方をしている人がもっとも多い結果となった。一方、「上〜下への大騒ぎ」では、正しく「を」と答えられた人は世代が若くなるほど少なくなっている。

 いずれの設問でも「こういう言い方をしない」という回答が世代が若くなるほと多くなっていることから、慣用句そのものが使われなくなっている傾向があると同社では分析している。

 また、本来ネガティブな意味で使われる「こだわる」という言葉を、「妥協せずに追及する、というポジティブな意味」でとらえている人の割合は、70代以上を除くすべての世代でもっとも多い結果となった。またポジティブな意味・ネガティブな意味のいずれも正しいと回答した人も各世代を通じて多くなっており、言葉の意味が拡大していくなかでゆっくりと変化が起こっていると分析している。

 その他にも同調査では、「カフェオレ/カフェラテ/ミルクコーヒー」や「ズボン/パンツ/スラックス」などの名詞の使い方について、各世代でどの言い方をするかや、自身の年齢で言い方に変化があったかを調べている。
《田崎 恭子》

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