ロボットは東大数学をどう解く? 東ロボに富士通研究所が参画

 国立情報学研究所と富士通研究所は9月10日、国立情報学研究所の人工頭脳プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」に、富士通研究所が本年度より「数式処理・計算機代数」技術をベースに数学チームとして参画すると発表した。

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数学問題を解くための手順
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 国立情報学研究所と富士通研究所は9月10日、国立情報学研究所(NII)の人工頭脳プロジェクト「ロボットは東大に入れるか(東ロボ)」に、富士通研究所が本年度より「数式処理・計算機代数」技術をベースに数学チームとして参画すると発表した。

 東ロボは、2016年の大学入試センター試験で高得点をマークし、2021年に東京大学入試を突破することを目標に2011年にスタートしたプロジェクト。NIIの新井紀子教授を中心に、1980年以降細分化された人工知能分野の研究を再び統合することで、新たな地平を切り拓くことを目的に取り組まれている。

 コンピューターが数学の入試問題を解くには、「意味解析:人間にとって理解しやすい自然言語や数式で表現された問題文を理解する。」「立式:コンピューターが処理できる形式に変換する。」「計算処理:数式処理ソルバで答えを求める。」の3つの手順が必要になる。

 コンピューターが人間と同様に言葉を理解することは容易ではなく、また、立式ができた後、大学入試2次試験の数学を数式処理技術を使って答えを求めた場合、5〜6割しか解けないのが現状だという。このため、計算アルゴリズムの高度化が重要だとしている。

 富士通研究所では、数学問題を解くために必要な数式処理・計算機代数の研究を長年行ってきており、同プロジェクトに、コンピューターで数学問題を解くためのプログラム(ソルバ)を中心に貢献したいとしている。なお、数学の入試問題はベネッセコーポレーション、東京書籍、ジェイシー教育研究所が提供する。
《田村麻里子》

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