【e絵本】歴史に“苦手意識”をもつ前に「時の迷路」

 歴史が苦手…。学生の頃、そんな思いを抱いていたお母さん・お父さんも少なくないはず。だからこそ、わが子には苦手意識をもってもらいたくない。けれど、何から始めればいいのだろう?

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時の迷路
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 歴史が苦手…。学生の頃、そんな思いを抱いていたお母さん・お父さんも少なくないはず。だからこそ、わが子には苦手意識をもってもらいたくない。けれど、何から始めればいいのだろう?

 今回は、そんな時にも役立ちそうな絵本アプリを紹介する。日本の過去にタイムスリップして迷路遊びを楽しめる人気作「時の迷路」。香川元太郎作・絵、iPhone/iPad対応。1,500円にて、PHPより配信中。

 累計125万部を越える大ヒットを記録した、人気迷路絵本シリーズを元にしている。「トケイ石」という不思議な石を追いかけて、読者は現代からまず、恐竜時代にタイムスリップ。氷河時代、縄文時代、弥生時代…と、迷路や探し絵をクリアしながら時の流れを順番に見られる仕組みだ。

 作者の香川元太郎さんは、歴史考証イラストの専門家として、数々の歴史雑誌・学習参考書などに作品を提供してきたことで知られる。正確で層の厚い知識を、子どもにもわかりやすい形でアウトプットした本作品は、予備知識にない4~5歳の子どもにも“ゲーム”としてすんなり受け入れられる出来である。迷路をしながら、細かに描かれた絵に親しむ。それが“自分が生まれるよりずっと前に、今とはまったく違う世界が存在したこと”を感覚としてもつことにつながり、ひいては後の学習にもよい影響として出てくるのではないだろうか。

 「う、歴史かあ…」と身構えるより前に、体にしみこませてしまうこと。少しのとっかかりができれば、子どもたちはぐんぐんと伸びていける。
《てらしまちはる》

てらしまちはる

ワークショッププランナー/コラムニスト/絵本ワークショップ研究者。東京学芸大学個人研究員。2022年3月に単行本『非認知能力をはぐくむ絵本ガイド180』(秀和システム)を刊行。絵本とワークショップをライフワークとしている。アトリエ游主宰。

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