「知らない」が95%…大学生と小学生の「障がい者週間」認知度低く

 バリアフリー社会の実現を目指すNPO法人Checkは、大学生と小学生を対象に「障がい者・福祉授業に関する意識調査」を行った。障がい者週間の認知度が約5%など、福祉に対する認識の低さが浮き彫りとなった。

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「障がい者週間」を知っていますか
  • 「障がい者週間」を知っていますか
  • 今までに足の不自由な方と交流する機会がありましたか
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 バリアフリー社会の実現を目指すNPO法人Checkは、大学生と小学生を対象に「障がい者・福祉授業に関する意識調査」を行った。障がい者週間の認知度が約5%など、福祉に対する認識の低さが浮き彫りとなった。

 同調査は、ユニバーサルデザイントイレマップ「Check A Toilet」を運営する同法人の学生団体「Check Students」により、首都圏に通う大学生289人と小学生230人の男女に対して10月1日から26日に行われた。

 現在、日本の人口の約5%にあたる650万人が障害者手帳を保有し、そのうちの約半分の人が足が不自由とされる。調査は12月の「障がい者週間」を前に、障がいを持つ人々についての理解と、それに伴う学習意欲を調査した。

 まず、毎年12月3日~12月9日は国が定めた「障がい者週間」であることを知っているかの問いでは「知っている」大学生は4.5%。「知らない」は95.5%だった。小学生では「知っている」が5.7%「知らない」が94.3%となり、認知度がどちらも1割にも満たない結果となった。

 今までに足の不自由な人と交流する機会があったかとの問いには、大学生は「特になし」が37.7%ともっとも多く、機会があった学生は「学校の授業で交流」34.9%、「福祉施設訪問」16.6%、「地域ボランティア」5.9%、「街中で障がい者の方のお手伝いをしたとき」4.8%となった。

 小学生でも「機会がない」が48.3%と一番多く、次に「街中で障がい者の方のお手伝いをしたとき」24.8%、「家族・友人にいる」12.2%、「学校の授業」6.1%、「福祉施設に行ったとき」5.7%、「ボランティア」3.0%と続いた。

 大学生・小学生ともに経験が少ないものの、機会があったとした回答が大学生で「学校の授業」が多かったことに比べ、小学生では「街中での手伝い」が多かったことから、今の小学生は少しずつ、街中での福祉に関して意識が上がっているとみられる。

 福祉授業に関しては、今までに障がい者について学校などで授業を受けたことがある大学生は64.4%で、車いす体験や障がい者の方から話を聞くなどしていた。

 また、障がい者について学校で理解を深めるための授業を確保すべきだと思う大学生は92.0%にのぼる。

 同団体では、地方自治体などによる啓発活動が一般にはあまり浸透していないのが現実だが、一度でもボランティア活動や社会貢献活動に参加すると考え方の幅や社会性が広がるとしている。これからは企業内や小中高・大学で、参加しやすい活動を積極的に取り入れていくことが重要という。
《勝田綾》

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