個人主義的な日本人…友人少なく幸福感低い、京大研究グループ

 個人主義的な日本の大学生は、親しい友人が少なく、幸福感も低いことが、京都大学の研究グループによる調査結果から明らかになった。アメリカの大学生には、個人主義傾向と親しい友人の数、幸福感に関連がなかった。

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日本とアメリカにおける個人主義傾向、親しい友人の数、幸福感の関連
  • 日本とアメリカにおける個人主義傾向、親しい友人の数、幸福感の関連
  • 研究の概要
 個人主義的な日本の大学生は、親しい友人が少なく、幸福感も低いことが、京都大学の研究グループによる調査結果から明らかになった。アメリカの大学生には、個人主義傾向と親しい友人の数、幸福感に関連がなかった。

 調査は、同大こころの未来研究センターの内田由紀子准教授らが、日本とアメリカの大学生を対象に実施。個人主義傾向、親しい友人の数、幸福感について、独自の測定指標などから分析した。

 アメリカの大学生では、親しい友人の数と幸福感に関連がみられたものの、個人主義傾向との相関性はみられなかった。一方、日本の大学生は、個人主義傾向が高い人ほど、親しい友人の数が少なく、幸福感が低いことがわかった。同じ手法で、個人主義的な制度を導入している日本企業で働く成人を対象に実施した調査でも、同じ傾向が表れた。

 研究成果は、スイスの科学雑誌「Frontiers in Psychology」に掲載された。研究グループでは、「少なくとも現在の日本において、個人主義的な人は対人関係の不振を生じ、幸福感が低くなっていることが示された。今後は、対人関係の不振によって生じる社会問題(ひきこもり、無縁社会など)の解決・予防にも貢献していきたい」としている。
《奥山直美》

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