ポケベル、国立科学博物館の重要科学技術史資料に登録

 かつて、主要なモバイル通信手段として活躍した「ポケベル(ポケットベル)」の通信装置が、「どこでもつながる『ポケベル』を支えたインフラ」として、国立科学博物館の重要科学技術史資料(愛称「未来技術遺産」)に登録された。2日、NTTに登録証が授与された。

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ポケットベル送信装置
  • ポケットベル送信装置
  • ポケットベルのシステム構成図
 かつて、主要なモバイル通信手段として活躍した「ポケベル(ポケットベル)」の通信装置が、「どこでもつながる『ポケベル』を支えたインフラ」として、国立科学博物館の重要科学技術史資料(愛称「未来技術遺産」)に登録された。2日、NTTに登録証が授与された。

 登録された装置は、NTT技術史料館が所蔵している3種のポケットベル送信装置。1968年に始まった「ポケットベルサービス」の通信装置として、一時代を築いた同サービスを底支えした。

 「未来技術遺産」は、国立科学博物館が、「次世代に継承していく上で重要な意義を持つ科学技術史資料」および「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存と活用を図るために登録・保護する、先進技術文化財の愛称。「フジカラー写ルンです」や「カメラ付き携帯電話」などがすでに対象となっている。

 「ポケットベルサービス」は、1968年7月に東京23区内で開始された。当初は電話着信に対しポケットベルが鳴動するだけのものだったが、世界に先駆けてデジタル化され、また、文字情報を送信するなど、サービスの高度化と高速化が進んだ。その過程で活躍したのが、これら3種の通信装置だ。

 ポケットベルは、その後、若者文化にもなった。自由文の送信を可能にするなど高機能化が進んだこともあり、カードタイプやペンタイプなどデザイン性に富んだ多彩な受信機の登場と相まって、1990年代には、若い世代を中心とした「ベル友」ブームが到来した。公衆電話で送信し合う若者の姿が社会現象となり、テレビドラマの題材にもなるなど、携帯電話が普及するまでの間、「どこでもつながる」移動体通信機器として活躍した。

ポケットベル通信装置、国立科学博物館の重要科学技術史資料に

《尚@RBB TODAY》

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