新しいビジネスを創り出すために…Slogan代表取締役社長 伊藤豊さん

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Slogan代表取締役の伊藤豊氏
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 2005年に企業に向け新卒採用ソリューションを提供するベンチャー企業としてローンチした「Slogan(スローガン)」は、来年10周年を迎える。世界中で20~30代の優秀な人材がベンチャー企業を立ち上げ、新しいビジネスを創出していく中、日本の上位校出身者は成熟した大企業に就職していく。こういった現状に危機感を感じたSlogan創業者の伊藤豊さんは、就職活動を改革し、人材の配置を変えることを目的に起業した。

 開成高校から東京大学に進学し、新卒としてIBMに入社した伊藤さんは、IBM退社後畑違いの「キャリア教育・採用」というドメインでSloganを立ち上げた。起業の意図とSloganに込めた熱意、自身の経験をベースとした若者の就職活動について語ってもらった。

--開成、東大、IBM…世間的なエリート街道を歩んできた伊藤さんが起業に至った経緯を教えてください。

伊藤さん:2000年初頭、勤めていた外資系IT企業で米国本社の外国人に「日本はもう投資する価値がない」という話を聞きました。新規投資はせず、人数も減らしていくと。私はその時、日本が地盤沈下していくというか、社会全体の動向がネガティブな方向に進んでいく気配を感じました。

 そこで私は私なりに考えました。日本が投資する価値の無い国になってしまった理由は、産業を創造できていないことにあるのではないかと。でき上がった産業や、すでに成熟した会社に優秀な人材が送り込まれていることを問題視し、それを少しでも自分の手でよい方向に変えたいと思いました。新しい産業を創る一助とするべく、目下無名の成長企業に人を送り込む会社Sloganを立ち上げました。

 個人的な経験から駆られる理由もありました。私自身、新卒で約2万人規模の会社に入社し、出向先だった30人規模の会社でも働きました。2万人規模の会社は確かに立派で優秀な人もたくさんいましたが、会社があまりに成熟しすぎていて若者が新しいことをするには難しい環境だと感じました。

 その一方で、出向先となった約30人の従業員を抱える会社はかなりの人材不足でしたが、それでも各従業員が各自責任を持って動いており「自分がその会社の代表である」という主体性がありました。私のキャリアの中でも飛躍し、成長した2年間でした。

--就職活動の現状をどのように評価していらっしゃいますか。進路に迷う学生に対するメッセージがあれば教えてください。

伊藤さん:現状の就活は、受験の延長だと捉えられています。よい大学に入ったので、「このランクの会社」に行くべきだという思考が当たり前になっており、卒業校にマッチした企業に「受かる」ための「対策をする」という発想が多いようです。就活生は、そういった考え方がそもそも違う、ということに気づくことがまず重要だと思います。

 私が学生に伝えたいのは、彼等自身が何に情熱を持てるかを知る必要があるということです。大学を2年ほど休学してインターンなりの形で働いてみて、熱くなれるものが世の中にいっぱいあることを知ってから、社会に出てほしいと思っています。

 数年休学することで後の就職活動に影響しないか不安を感じる学生や親御さんもいるかもしれませんが、そんな杓子定規な採用をする企業は、学生に才能を求めていません。私はそんな会社に就職しなくてもよいと思っています。

 そういった経験をせず、いきなり就職活動をはじめる学生もたくさんおり、面接が器用にできる人は一流企業に受かります。でもそれがいかに不毛なプロセスか、と私は感じますし、そういう企業と学生のばかし合いは、その後の両者にとっても不幸だと思います。
《北原梨津子》

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