開設10年、相談員に子どもの悩みを相談…ぱれっと掲示板

 子どもの悩みや相談をネット上で受ける「ぱれっと掲示板」。専門の相談員や同じ経験をした人のアドバイスなどを通じて問題解決を促す「ピア・サポート」として発足し、8月23日で10年が経った。

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ぱれっと掲示板
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 子どもの悩みや相談をネット上で受ける「ぱれっと掲示板」。専門の相談員や同じ経験をした人のアドバイスなどを通じて問題解決を促す「ピア・サポート」として発足し、8月23日で10年が経った。NPO法人や国立大学などの協力のもと、10年間で約1万8,000件の投稿になっている。

 「ぱれっと掲示板」は、平成17年にインターネット上の子どもの居場所となる電子掲示板として開設。富山県のNPO法人「子どもの権利支援センターぱれっと」を中心に、不登校の経験のある若者らで作った相談掲示板「麦の根」の相談員や富山大学の教員が開発した電子掲示板システムを用いて運営されている。

 また、同掲示板は地元の銀行や企業の基金などの助成を受けており、2006年には日本経済新聞社主催の「日経地域情報化大賞」インターネット協会賞を受賞している。

 掲示版は公開型で、無料で利用できる。オリジナルのプログラム機能で管理者がひとつひとつ投稿をチェックし、投稿者の意思を尊重しつつ問題のない投稿のみを掲載している。掲示版の相談員は、医師、弁護士、カウンセラー、大学の先生などが回答員になっているほか、過去に掲示版で問題解決した投稿者が自発的に回答することもあるという。誰でも見ることができる掲示板のため、約束事を同意のうえ、利用することが条件になっている。

 掲示版は、学校や進路、親や友達との関係などの悩みを書き込む「青少年相談掲示板」、親としての悩みを書き込む「親専用相談掲示板」、相談以外の気持ちや近況報告などを書き込む「麦の根・ほっとスマイル掲示板」、掲示板管理者からの連絡「お知らせ掲示板」、「告知掲示板」と5つに分かれている。掲示版によっては1万2,000件の投稿数になっているものもある。

 「子どもの権利支援センターぱれっと」の副理事長で富山大学の高山龍太郎准教授は、10年続いたことについて「熱心な相談員の存在が大きい」とし、「自分の経験を生かし、困っている人への助言をもっと自由に書き込めるような運営方法を考えていきたい」と「ピア・サポート」としての拡充を目指す。
《田中志実》

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