読めるけど、書けない…漢検が設問項目別正答率を調査

 日本漢字能力検定協会が過去の「漢検」の正答率を設問項目ごとに調査した結果、「読み」に対して「書き取り」の正答率が約20ポイント低く、「読めるけど、書けない」状況にあることが明らかになった。

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 日本漢字能力検定協会が過去の「漢検」の正答率を設問項目ごとに調査した結果、「読み」に対して「書き取り」の正答率が約20ポイント低く、「読めるけど、書けない」状況にあることが明らかになった。

 調査は、平成25年度~27年度に第2回公開会場で実施された「漢検」の問題で、すべての常用漢字(平成22年11月30日付内閣告示)を理解し、文章の中で適切に使えるレベルである2級を対象に行われた。算出対象年度の2級の問題は、「読み」「部首」「熟語の構成」「四字熟語(書き取り)、四字熟語(意味)」「対義語・類義語」「同音・同訓異字」「誤字訂正」「漢字と送りがな」「書き取り」の9設問。

 算出対象年度の設問項目別正答率を平均で見ると、「読み」は85.5%なのに対し、「書き取り」は67.2%と18.3ポイントの差があった。また、書き取りの応用問題である「四字熟語(書き取り)」は48.2%、「誤字訂正」は61.6%、「対義語・類義語」は60.4%といずれも正答率が低く、四字熟語や対義語・類義語といった幅広く語彙を使いこなす力が求められる分野にも影響が出ている。パソコンやスマートフォンなどの普及に伴い、漢字を手書きする場面が少なくなり、「読めるけど、書けない」という状況が「漢検」の正答率からも読み取れる結果となった。

 次回の「漢検」は11月6日に行われる。申込みは7月1日~10月6日までとなっており、全国47都道府県、約180の公開会場で受検できる。
《外岡紘代》

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