Googleと未来館、共同コンテンツ「検索する地球」公開

 日本科学未来館では14日より、Googleと共同制作した新コンテンツ「The Searching Planet 検索する地球」が一般に公開される。公開前日の13日、日本科学未来館では記者発表会が行われた。

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Googleと日本科学未来館が共同で「The Searching Planet 検索する地球」を公開した
  • Googleと日本科学未来館が共同で「The Searching Planet 検索する地球」を公開した
  • Googleでは、スマートフォン×Google Cardboardを利用したVR版「The Searching Planet 検索する地球」も用意。未来館ではVR体験ワークショップを開催する
  • 日本科学未来館(東京都江東区青海)
  • 直径約6メートル(地球の約200万分の1)の巨大なディスプレイ、ジオ・コスモス
  • 日本科学未来館 展示企画開発課長 内田まほろ氏
  • 「The Searching Planet 検索する地球」は、約8分間の映像作品。検索に使われたキーワードをもとに、国ごとに関心の高い事象を抽出。地図上にイラストで可視化した
  • Google 検索プロダクトマーケティングマネージャーの福江麻衣氏
  • 世界を揺るがす出来事が起きたとき、世界各国は一様の反応を示す。写真は、イギリスで行われたEU離脱を決める国民投票の24時間後の各国の様子を示したもの
 日本科学未来館では14日より、Googleと共同制作した新コンテンツ「The Searching Planet 検索する地球」が一般に公開される。公開前日の13日、日本科学未来館では記者発表会が行われた。

 インターネット検索は、ときに世界中の人々の趣味、関心、感情や欲求を表現するものだが、それを可視化できたら、どんなに面白いだろうか? そんなコンセプトで制作されたのが、「The Searching Planet 検索する地球」だ。同コンテンツでは、地球上の人々がいま何を考え、何に興味を持っているかを「インターネットで検索されたキーワード」から探っていく。国ごと、地域ごと、人種ごと、言語ごとに、人々が知りたい情報は異なる。そうした違いをまとめ、子どもでも直感的に理解できる約8分間の映像作品に仕上げた。

 例えば「食べもの」の検索に使われたキーワードを国ごとに調べたデータがある。そこから日本ではラーメンが人気なことが分かる。外国ではそれが焼き肉だったり、スイーツだったりするわけだ。同様に「スポーツ」の検索から日本では野球が盛んで、スペインではサッカーが、インドではクリケット、アメリカではアメリカンフットボールがポピュラーなスポーツであることが伺える。こうした違いが、イラストを交えた分かりやすい映像で紹介されていく。

 「The Searching Planet 検索する地球」の映像は、日本科学未来館のシンボルゾーンに吊り下げられた直径約6メートルの地球ディスプレイ「ジオ・コスモス」に1日3回、映し出される仕掛けになっている。ジオ・コスモスは有機ELパネルで作られた、いわば巨大な球型ディスプレイ。1,000万画素を超える超高解像度で映像を表現できるのが特長だという。

 日本科学未来館 展示企画開発課長 内田まほろ氏は、コンテンツを制作した経緯について「これまで半年間、Googleさんとコンセプトやストーリーを議論しながら制作してきた。インターネット検索からは、個人の行動が想像できる。そこに着目した」と説明。このコンテンツを通じて、来場者には「ITの技術によって、人類の感覚や感情を地球規模で集められる時代になった。地球は情報の惑星なんだ」といったメッセージを感じとって欲しいと解説した。

 平和な日常では国ごとに検索されるキーワードもさまざま。しかし世界を揺るがす出来事が起きたとき、世界各国は一様の反応を示すことがある。最近の例で言えば、パリで発生した同時多発テロ事件、イギリスで行われたEU離脱を決める国民投票などが挙げられる。そこで「The Searching Planet 検索する地球」には、こうした旬のトピックに対する各国の反応も盛り込まれた。Google 検索プロダクトマーケティングマネージャーの福江麻衣氏は「イギリスの国民投票の結果が出た際は、検索されたキーワードを拾うことで、世界中に衝撃が広がる様子が確認できた」と説明。今後、リオ・オリンピックの検索結果なども追加されていく予定だという。

 なおGoogleでは、スマートフォン×Google Cardboardを利用したVR版「The Searching Planet 検索する地球」も用意している。未来館1階のシンボルゾーンでは、12歳以上の子どもを対象にVR体験ワークショップを開催する(開催期間は7月29日から8月7日まで)。このほか、会場ではGoogle技術陣によるトークセッションなども予定しているという。

 日本科学未来館の館長 毛利衛さんは「宇宙から地球を見たとき、人間は余りにも小さすぎる。だから肉眼では73億人の存在を感じることはできない。でも『The Searching Planet 検索する地球のコンテンツ』によって、インターネットの情報網が73億人を繋いでいるという事実に気付けた」と解説した。また、環境破壊などの問題を取り上げると「個人の知恵、各国の主張、個々の宗教、そういったものでは地球規模の危機は回避できない。人類が22世紀に向けて生き延びるには、知を集合させる必要がある。そのシンボルになるのがGoogleの検索エンジンで、それがGoogleの大事な役割になってくる」と解説。毛利さんらしい視点からの、ユニークな持論を展開した。

 最後に、Google 製品開発本部長の徳生裕人氏は「インターネットの力により世界が縮まり、身近になった。夏休みに日本科学未来館に遊びに来た子どもたちに、そうしたことを感じとってもらえれば嬉しい」と挨拶。また、Googleの歴史を紐解きつつ、「インターネット検索は、あふれる情報の中から本当に必要なものを見つけるツールとして開発された。子どもたちの生きる未来では、さらに多くの情報にさらされるだろう。情報の洪水に流されることなく、自ら能動的に人生を切り開いていくにはどうしたら良いか?Googleが、その一助となれれば幸い。世界が手の平の中にあり、世界中のどんな人とも協力して課題を解決していける。そんな時代が、もうそこまで来ている。それを子どもたちにも感じてもらえれば」と抱負を語った。

Googleと日本科学未来館が共同で映像コンテンツ公開! 毛利衛氏「ネットの情報網が世界73億人を繋いでいる」

《近藤謙太郎@RBB TODAY》

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