子どもの食、ゆとりある世帯は魚・野菜・果物多め…乳幼児栄養調査

 子どもの食べ物は、経済的な暮らし向きによって差があることが8月24日、厚生労働省が公表した「平成27年度乳幼児栄養調査」の結果(概要版)から明らかになった。ゆとりのある世帯は魚や野菜、大豆、果物、ゆとりのない世帯は菓子やカップ麺などの摂取頻度が高かった。

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  • 社会経済的要因の状況
  • 社会経済的要因と魚の摂取頻度
  • 社会経済的要因と野菜の摂取頻度
  • 社会経済的要因と大豆・大豆製品の摂取頻度
  • 社会経済的要因と果物の摂取頻度
  • 社会経済的要因と菓子(菓子パンを含む)の摂取頻度
  • 社会経済的要因とインスタントラーメン・カップ麺の摂取頻度
 子どもの食べ物は、経済的な暮らし向きによって差があることが8月24日、厚生労働省が公表した「平成27年度乳幼児栄養調査」の結果(概要版)から明らかになった。ゆとりのある世帯は魚や野菜、大豆、果物、ゆとりのない世帯は菓子やカップ麺などの摂取頻度が高かった。

 乳幼児栄養調査は、全国の乳幼児の栄養方法や食事の状況などの実態を把握するため、昭和60年から10年ごとに実施している。4回目となる今回の調査では、平成27年国民生活基礎調査で無作為に設定された1,106地区内の世帯のうち、平成27年5月31日現在で6歳未満の子どもがいる世帯を対象とした。2,992世帯3,936人が協力し、有効回答が得られた3,871人分を集計した。

 経済的な暮らし向きについてたずねた結果は、「ゆとりがある」8.4%、「ややゆとりがある」20.9%、「どちらともいえない」33.0%、「あまりゆとりはない」28.3%、「まったくゆとりはない」9.2%。全体では、「ゆとりあり」と回答した世帯は29.3%、「ゆとりなし」と回答した世帯は37.5%であった。

 子どもの主要な食物の摂取頻度は、経済的な暮らし向きによって有意な差がみられた。具体的には、「ゆとりあり」の世帯では魚、大豆・大豆製品、野菜、果物の摂取頻度が高い傾向にあり、「ゆとりなし」の世帯では菓子(菓子パン含む)、インスタントラーメン・カップ麺の摂取頻度が高い傾向にあった。

 たとえば、野菜を毎日1回以上食べている子どもは、「ゆとりあり」82.3%に対し、「ゆとりなし」は74.8%。魚を週4日以上食べている子どもは、「ゆとりあり」49.5%に対し、「ゆとりなし」34.7%。大豆・大豆製品、果物も含め、経済的にゆとりがある世帯の方が、摂取頻度が高かった。

 一方、インスタントラーメンやカップ麺を週1回以上食べている子どもは、「ゆとりあり」7.8%に対し、「ゆとりなし」13.0%。「まだ食べていない」と回答した割合は、「ゆとりあり」24.7%に対し、「ゆとりなし」15.6%であった。菓子(菓子パン含む)を毎日1回以上食べている子どもは、「ゆとりあり」55.6%に対し、「ゆとりなし」61.0%。いずれも経済的にゆとりのない世帯の方が、摂取頻度が高かった。

 このほか、授乳期の栄養方法は、母乳栄養の割合が増加。10年前と比較して、生後1か月では8.9ポイント増の51.3%、生後3か月では16.7ポイント増の54.7%に増加した。母乳・混合乳・人工乳の割合では、経済的な暮らし向きによる差はなかった。
《奥山直美》

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