【愛犬家座談会】ペットの健康管理と理想的な共生スタイルとは?

 愛犬の健康を支えるための正しいペットフードの選び方、食事管理の話題について、3人の識者たちが語り合った。

生活・健康 その他
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愛犬の健やかなフードライフについて語り合った
  • 愛犬の健やかなフードライフについて語り合った
  • 座談会を開催した東京・世田谷区の「KOMACHI&CAFE」
  • モータージャーナリスト/ドッグライフプロデューサーの青山尚暉氏
  • 青山家のマリアちゃん
  • 青山家のララちゃん
  • ロイヤルカナンの山本敦氏
  • RBB TODAY編集長の小板謙次とレオくん
 ペットを取り巻く生活環境が変わってくると、家族の一員として、愛犬にも人間と同じように食事や運動など健康管理の目が向くようになるものだ。今回、RBB TODAYではモータージャーナリストであり、ドッグライフプロデューサーとしても活躍する青山尚暉氏をペットオーナーの代表に招き、ペットフードメーカーであるロイヤルカナン マネージャーで獣医師の山本敦氏、そして本誌編集長の小板謙次とともにペットの健康管理と理想的な共生スタイルについて座談会を開催した。

■ペットの成長段階に合わせたフード選びが大切

【小板】本日は青山さん宅のご家族である2匹の愛犬も連れてきていただきました。まずはご紹介からお願いします。

【青山】ラブラドール・レトリバーの“マリア”は11歳になる女の子です。鹿児島の繁殖場から里親探しのボランティアさんを経由して引き取り、わが家にやってきました。もう一人はジャックラッセルの“ララ”です。先日5歳を迎えたばかりの女の子です。私が小学館BOOK PEOPLE ATLAS、PETomorrowで連載中の「マリアの一夜にしてワンダフルライフ」「青山尚暉のワンダフルライフ」では、わが家の愛犬との日々の暮らしや、愛犬と出かけるクルマ旅の魅力を紹介していますが、本連載の主役はマリアとララ。多方面で大活躍中です。

【小板】わが家の愛犬はトイプードルの“レオ”。4歳の男の子です。私自身、長く愛犬と暮らしてきましたが、この頃は特に以前よりも人と犬との距離が密接になっていると感じています。青山さんは日ごろどんなふうに食事をあげたり、食事の種類を選んでいますか。

【青山】愛犬が気にいっているからといって、ずっと同じフードを続けないよう気を配っています。歯が弱ると健康にも影響が出てくるものと思っていたので、マリアには長い間ドライタイプのフードを与えていました。最近マリアはあまり堅いフードを食べなくなったので、柔らかいフードをトッピングして食べさせるようにしています。愛犬のお口の健康は、からだ全体の健康のバロメーターだと考えています。わが家では毎日、妻がふたりの歯を愛犬用の歯ブラシで念入りに磨いてくれています。これが健康につながっているのではないでしょうか。

【山本】フード選びについては、愛犬にとって最適な栄養バランスを考えてあげることが大切です。1歳前後までの成長期には、骨や筋肉を育てるために多くのミネラルやタンパク質、カロリーを必要とします。同じ成長期でも生後間もなくの頃と、それ以降では成長のスピードや発育する部位が変わってきます。犬は人間よりも歳を取るスピードが速いので、ライフステージを細分化して、その時々に適したフードを与えることが健康のポイントです。成長期に食べていたフードを、大人になってからも食べ続けてしまうと今度は肥満の原因にもなります。

【小板】ところが、飼い主が愛犬の成長段階に最適なフードを自分で見つけることが難しいのではないかと感じています。何か良い方法はありますか。

【山本】確かにそうですね。当社では愛犬の成長段階を細かく分けて、それぞれの段階で必要とする栄養素の違いを示しながら、バランスを整えたフードを開発・販売しています。一覧はホームページでも詳しく紹介しています。愛犬の健康状態や、最適なフードのご相談については、一度お近くの獣医師に足を運んでみるのも良いかと思います。

【小板】最近は獣医療の発展により、ペットの寿命が延びています。愛犬の場合は7歳以上が“シニア”と定義される場合もありますが、7歳を超えたあとも家族として愛犬と長く付き合うための健康管理に注目が集まっています。

【青山】食事だけでなく運動も愛犬の健康と密接につながっていると感じています。体重が増えてくると運動機能も落ちてきますよね。わが家の愛犬にはずっと健康でいて欲しいので、特にバランスの取れた食事と運動には気をつけています。また、わが家では毎月1度、愛犬に健康診断を受診させています。ただ、今年は偶然、年始に1ヶ月ぶんの健康診断を先延ばしにしてしまったことがあって、その時にマリアのからだに腫瘍が見つかりました。幸いなことに早期発見だったため適切な治療を受けることができましたが、シニア犬になったら信頼の置ける獣医師を見つけて、まめに健康診断を受けさせることをおすすめします。

■フードの持つ機能や消化率にも注目

【小板】獣医師である山本さんも、この頃は以前に比べてペットの健康に対する飼い主の意識が高まってきたと感じますか。

【山本】はい、そう思います。特にペットフードへのこだわりは強くなっていると感じています。

【青山】私も原材料など素材の質にこだわりながら、獣医師にも相談して信頼できるブランドの商品を選んでいます。

【山本】信頼できるフードを見つけることは大事だと思います。それぞれのフードが持っている機能にも注目して欲しいと思います。ロイヤルカナンでは「すべては犬と猫のために」という理念を基に、ペットに最良なフードの研究と開発に尽力してきました。ペットに最適な栄養バランスを備え、それぞれの栄養素を効率よく消化して体の中に取り込める、良質な原材料を選定しています。

【青山】なるほど、消化の良さもポイントですね。わが家でもロイヤルカナンの「関節サポート」シリーズを与えたときには、愛犬の糞便の量がとても少ないことに驚いています。

【小板】糞便が少なくなると、栄養の吸収率が良いということなのでしょうか。

【山本】はい、基本的にはそうです。糞便の見た目がきれいであるということは、愛犬の健康を計るための重要なバロメーターになります。当社のペットフードに使用されるたんぱく質のほとんどは、85%以上の消化率となっています。消化しやすいフードは効率よく栄養が吸収されることにつながるので、引いてはペットの健康を支えることになります。

【小板】栄養バランスのよいフードを食べていると、愛犬の毛並みが良くなると聞きます。わが家でも実際にその効果を実感することがあります。

【山本】皮膚や被毛の健康を整えるためには、タンパク質やビタミン、ミネラル、脂肪酸をバランスよく取ることが大切です。例えばダイエットのためとして、単に脂肪分が少ない食事ばかりを食べていると、皮膚や毛がパサパサとしてくることがあります。栄養バランスの良いフードを意識してほしいと思います。

■一度の食事であげるべき最適な量はどれぐらい?

【小板】太りすぎも気になるところですね。

【山本】ロイヤルカナンのフードはパッケージに「最適な量」のほかに、「最大」「最小」の量まで幅を持たせて併記しています。「最適な量」だけを書いてしまうと、その分は絶対にあげなければならないものと誤解されてしまう場合があるからです。食べた量と体重の増減は必ずしも比例していません。生活環境や運動量、季節の寒暖にも影響を受けます。パッケージに記載されている量はあくまで目安としながら、ペットの食欲にも合わせて適正体重が維持できるように調節してほしいと思います。

【青山】例えばロイヤルカナンのWebサイトに、愛犬の体つきなどプロフィールや普段の運動量などのデータを入力して、飼い主が簡単な診断をしながら最適なフードと食べ方を探せるサービスもあると便利だと思います。ペットを飼いはじめたばかりの方にも、安心してフードを選べるよいヒントになるはずです。

【山本】なるほど、それは素晴らしいアイデアだと思います。

【青山】ペットフードの展示会や、ショップへ足を運んだときにフードメーカーが配布しているフードサンプルをいただくこともあります。その量についてはペットが食べて効果を計るためにはやや少ないと感じます。

【山本】ロイヤルカナンでは一部少量パックの商品については、おいしさにご満足いただけなかった場合は全額代金をお返しするというサービスも実施しています。上手にご活用いただきながら、ペットに最適なフードを見つけて欲しいと思います。

■気になるペットフードメーカーの品質管理への意識

【小板】飼い主の方々の中には、ペットフードの品質をどのようにチェックすれば良いのか迷っている方も多いと思います。ロイヤルカナンでは、フードの品質管理をどのように行っていますか。原材料については飼い主が特に気を配っているポイントだと思いますが、一方ではその細かな情報をチェックすることは難しい現状があります。

【山本】ロイヤルカナンではペットフードの原材料は供給元のレベルから細かく把握しながら、同時に製品をつくる工程、パッケージングをして物流ラインに乗せるまで、要所に厳しいチェック項目を設けながらトータルの品質管理を徹底しています。原材料については、ロイヤルカナンが求める品質基準を満たす認定サプライヤーのみから調達しています。入荷した原材料も、加工前に当社の厳しい品質管理基準に合わせた検査を徹底し、基準に合わない原材料は受け入れません。また販売後に万が一の事態が発生した場合も、商品パッケージに記載されているロットナンバーにヒモ付けて、原材料から工程の細かい部分まで、どこに問題があったのかを素早く把握できるよう100%トレーサビリティ(追跡性)を実現しています。

【青山】商品を輸送する際の品質管理も徹底されているのでしょうか。

【山本】もちろん物流の品質管理にも細心の注意を払っています。商品パッケージの内側はアルミ蒸着として、窒素を注入して密封しています。窒素を入れる理由はフードの酸化を防ぐためです。ドライフードには酸化防止剤も使用しています。

【青山】酸化防止剤はペットの体に悪い影響を与えるものという考え方もあるようですが。

【山本】多くの飼い主の皆様からお問い合わせをいただく所なのですが、適切な量を使用している限り、酸化防止剤はペットの体に悪い影響を与えるものではありません。もしも酸化が始まった食べ物を体内に取り込んでしまうと、ペットの体の中で酸化が進んで病気の原因となってしまいます。だからむしろ、適切に酸化防止剤をフードに使用することはペットの健康を保つために良い効果をもたらします。ひとつフードの保管方法について説明を補足させていただくと、ドライフードを冷蔵庫で保管することは避けてほしいと思います。なぜなら冷蔵庫から取り出した時の温度差で、カビが発生する原因にもなる結露が発生してしまうからです。

【参考】※ペットフードの品質と安心・安全(ロイヤルカナン)

■旅先でペットと過ごす際の上手な食事管理

【小板】ペットの健康管理に気を配る飼い主が増えて、愛犬の生活も変わってきました。フード以外にも、旅行する機会の多いペットが健康を保つためにはどんなことが必要になると青山さんは考えていますか。青山さんはお仕事で愛犬と旅に出かける機会も多いと思います。旅先でペットフードに気をつけていることなどがあれば、ぜひ教えて下さい。

【青山】そうですね、私は毎月1~2回、愛犬と一緒に2泊3日前後の旅に出かけていますが、愛犬の食事はなるべく食べ慣れているものを回数分持参して与えるようにしています。自宅ではベースのドライフードを食べやすくするために、調理した鶏肉のささみなどをトッピングすることもあります。旅先では旅館が用意している柔らかいペットフードを持参したドライフードの上にトッピングすることもあります。

【山本】旅行の時にも、ふだんから愛犬が食べ慣れているものを基本食にしてあげることはとても良いと思います。特に旅慣れていないペットの場合は、環境が少しでも変わるとストレスを感じてしまうものなので、例えば食器はいつも使っているものを持ち込んで与えるだけでも良い効果があります。もし同じ食器を持っていくのが大変という場合は、サイズが小さくても構わないので、ステンレスや陶器など素材を揃えてあげるだけでも良いと思います。また、旅先でもできる限りいつもの時間に食事をあげてほしいと思います。

【小板】食事のほかにも、例えばペットにとって快適な車中での過ごし方などで気をつかっていることはありますか。

【青山】そうですね、いまペットにやさしい車のデザインについても注目しています。例えばわが家では、夏の暑い時期に愛犬と旅に出かける際は、車の後方ラゲージルームにふたりを乗せて出かけています。一般的な車の場合、エアコンの温度を計測するためのセンサーがダッシュボードの吹き出し口に付いていることが多いので、飼い主が寒いと感じて温度を上げると、まだラゲージルームはとても暑かったということもよくあります。そのため、わが家の車にはラゲージルームにも温度を計るセンサーを付けています。例えばラゲージルームの側にもエアコンの吹き出し口を設けるなど、愛犬との時間を過ごしやすい車のデザインが、いま求められていると感じます。現在、私はある国内の自動車メーカーとコラボレーションして、愛犬のための理想的なデザインと機能を備えた車を開発しています。近くお披露目できる機会をぜひご期待ください。

【小板】家の中だけでなく、車の中にも愛犬の視点に立った「暮らしやすさ」が追求されていくことで、ますます人とペットの距離が近づくかもしれないですね。本日はありがとうございました。

※座談会場所の協力:東京・世田谷区の「KOMAICHI&CAFE」。http://www.komaichi.com/

【座談会】愛犬の健やかフードライフを考える……長生きを支える食事選びの秘訣とは?

《編集部@RBB TODAY》

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