【センター試験2017】(2日目)アオイゼミ、「理科1・2」講評…物理基礎・生物やや難化

 1月14日(土)と15日(日)の2日間にわたり実施された平成29年度(2017年度)の大学入試センター試験。リセマムでは、スマホ学習塾「アオイゼミ」を展開する葵の協力を得て、「理科1(化学、生物、物理)」と「理科2(化学基礎、生物基礎、物理基礎)」を講評する。

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センター試験2017 アオイゼミ
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 1月14日(土)と15日(日)の2日間にわたり実施された平成29年度(2017年度)の大学入試センター試験。志願者数は57万5,967人、現役志願率は過去最高の43.9%。大学・短期大学あわせて848大学が参加した。今後、1月18日には平均点や受験者数の中間発表が予定されている。

 リセマムでは、スマホ学習塾「アオイゼミ」を展開する葵の協力を得て、「理科1(化学、生物、物理)」と「理科2(化学基礎、生物基礎、物理基礎)」を講評する。

◆理科1「化学基礎」

【難易度】昨年並み
教科書の学習内容の理解を問う基本的な問題が中心であるが、一部に、やや難しい計算問題や実験考察問題が含まれた。難易度は難化した昨年とほぼ同じと考えられる。
設問数・マーク数はともに昨年から変化なしであったが、計算問題が昨年より1問増加している。
昨年と比べて計算問題が増加し、複数の思考過程を要する問題も含まれていた。また実験に関する問題が4問あり、昨年に引き続き実験が重視される傾向にある。

【出題分量(前年度比)】変化なし
設問数・マーク数はともに昨年から変化なしで、全体としての分量も大きく変化していなかった。

【出題傾向分析】
・全体概観
昨年同様、教科書の全範囲から幅広く出題された。
知識問題では、教科書レベルの基本的な理解を問う問題が中心だった。計算問題では、教科書の問題で対応可能なレベルの問題もある一方、複数の思考過程を要する問題もあり、
十分に演習していない受験生にとっては難しく感じられたであろう。実験に関する問題では、アボガドロ定数などを用いて文字式を組み立てる思考力が問われ、指示薬の色の変化から
酸・塩基の強弱を判断する必要があり難易度が高かった。必要な数値をグラフから読み取り、反応式をもとに塩酸の濃度を計算するやや難易度の高い問題も見られた。
来年の受験生は、「発展」に記載されている実験の内容、計算問題も含め、教科書全体を満遍なく学習しておきたい。

◆理科1「生物基礎」

【難易度】やや易化
昨年同様、第1問~第3問の出題範囲は変わらなかった。(「生物の特徴および遺伝子とそのはたらき(第1問)」「生物の体内環境の維持(第2問)」「生物多様性と生態系(第3問)」)
また、第3問は昨年と同様「地球上におけるバイオームの分布傾向」に関する問題が出題。
昨年まで出題されていた実験結果から考察を求める出題、また当てはまる選択肢を過不足なく含むものを選ぶ設問が無くなった。

【出題分量(前年度比)】変化なし
大問数は昨年と同じく3で、マーク数も変化なし。
第1問の問題数が1問減少した代わりに第2問の問題数が1問増加したが、配点の大きい変化はなかった。

【出題傾向分析】
・全体概観
「生物の特徴および遺伝子とそのはたらき」「生物の体内環境の維持」「生物多様性と生態系」の3分野から幅広く出題されており、出題範囲は昨年とほぼ同じ。第1問、第3問に関しては、原核・真核生物や細胞小器官、バイオームのグラフ問題など、出題範囲が2015年とかなり近いものになっていた。
全体的には難しい出題形式が減少し、基本的な知識を単語選択問題で聞く問題が増加したため、これまでのセンター試験で出題されたものを中心とした基本的な知識が身についていれば難しくはなかったと考えられる。
計算問題(第1問)は細胞周期に関する出題でやや複雑だった。
また、第3問では例年通りのバイオームの問題に加え、森林の土壌に関する問題が新たに出題。
第2問では体液やホルモン関係の問題に加え、生体防御(免疫)に注目した問題が新たに出題された一方、第1問では細胞小器官、細胞周期について、第3問ではバイオームについての問題が例年通り出題されているため、来年以降もこの範囲はおさえる必要があると考えられる。

◆理科1「物理基礎」

【難易度】やや難化
物理基礎の各分野の内容から満遍なく出題された。
小問集合は、昨年と同様に様々な分野の内容から出題された。
数値計算・文字計算が昨年より増え、複数の公式を用いる問題が増えた。

【出題分量(前年度比)】変化なし
設問数、マーク数ともに変わらず、全体としての分量は変化していなかった。

【出題傾向分析】
・全体概観
小問集合1題と、分野別問題2題の、大問3題の出題。
小問集合ではさまざまな分野から出題され、幅広い学習を問われている。2年連続で出題されている発電の問題は、今年も出題された。
基本的な知識問題から、計算問題、定性的な問題に至るまで、満遍なく出題された。第2問Bではショートされている部分のある電気回路が出題され、
この手の問題に慣れていない受験生もいたと思われる。一方で、第3問は運動方程式と運動エネルギーに関する典型的な基礎問題が出題された。
計算問題では複数の公式を用いる出題も見られたため、やや複雑な設定の問題にも取り組みたい。

【次ページ】続く講評 「理科2」化学、生物、物理を掲載
《編集部》

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