アルバイト学生、3人に1人が学業に支障

 アルバイト学生の3人に1人が学業に支障があり、4人に1人が何らかのトラブルを経験していることが、京都ブラックバイト対策協議会が実施した調査結果から明らかになった。学業への支障やトラブルは、アルバイト収入が増加するほど、増える傾向にあった。

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京都ブラックバイト対策協議会「学生アルバイトの実態に関するアンケート」:回答者の属性
  • 京都ブラックバイト対策協議会「学生アルバイトの実態に関するアンケート」:回答者の属性
  • ●京都ブラックバイト対策協議会「学生アルバイトの実態に関するアンケート」:アルバイトによる月間収入額
  • 京都ブラックバイト対策協議会「学生アルバイトの実態に関するアンケート」:アルバイト収入の使途
  • 京都ブラックバイト対策協議会「学生アルバイトの実態に関するアンケート」:使途が「生活費」と「授業料」の学生の収入比較
  • 京都ブラックバイト対策協議会「学生アルバイトの実態に関するアンケート」:学業などへの支障の有無
  • 京都ブラックバイト対策協議会「学生アルバイトの実態に関するアンケート」:学業などへの支障の具体的内容
  • 京都ブラックバイト対策協議会「学生アルバイトの実態に関するアンケート」:会社(事業主)などとのトラブルなどの経験の有無
  • 京都ブラックバイト対策協議会「学生アルバイトの実態に関するアンケート」:会社(事業主)などとのトラブルなどの具体的内容
 アルバイト学生の3人に1人が学業に支障があり、4人に1人が何らかのトラブルを経験していることが、京都ブラックバイト対策協議会が実施した調査結果から明らかになった。学業への支障やトラブルは、アルバイト収入が増加するほど、増える傾向にあった。

 京都ブラックバイト対策協議会は、京都労働局、京都府、京都市が平成28年3月に設置。学生アルバイトを法定労働条件に満たない劣悪な労働環境で勤務させるなどのいわゆる「ブラックバイト」を根絶するため、関係行政機関が連携して周知・啓発などに取り組むことを目的としている。

 「学生アルバイトの実態に関するアンケート」は平成28年5月14日~7月31日、京都府内の大学34校、短大12校、京都ジョブパーク、京都市わかもの就職支援センターなどにアンケート用紙を配付し、1,899人から回答を得た。回答者は、大学生63.5%、短大生30.6%、大学院生5.3%など。

 アルバイト経験者は1,695人。従事した業種は、「飲食チェーン店」33.3%、「コンビニ・スーパー」24.7%、「その他の飲食店(個人営業など)」17.2%の順に多かった。おもにアルバイトを行っている(いた)時間帯は、「午後10時までの時間帯」71.4%、「午後10時を超える時間帯」28.2%。

 1週間あたりのアルバイト時間数は、「10時間以上20時間未満」がもっとも多い49.1%、ついで「10時間未満」24.1%、「20時間以上30時間未満」21.4%と、週30時間未満の学生が94.6%を占めた。一方、「30時間以上40時間未満」3.7%、「40時間以上」1.3%と、週30時間以上の学生も5%いた。

 アルバイトによる月間収入額は、「3万円以上6万円未満」が46.4%と最多で、「6万円以上9万円未満」27.4%、「3万円未満」19.0%、「9万円以上」6.8%と続いた。アルバイト収入の使途は、「小遣い」が80.4%ともっとも多かったが、「生活費」との回答も45.7%と半数近くにのぼった。

 使途を「授業料」と答えた学生105人に限ると、アルバイトの月間収入は、「6万円以上9万円未満」が最多の41.9%にのぼるなど、より多くの収入をアルバイトで稼ぐ傾向にあった。

 学業などへの支障は、32.6%が「あり」と回答。アルバイト学生の3人に1人が、学業に支障を生じた実態にあった。また、アルバイト月間収入が増加するほど、「支障あり」という学生は増える傾向にあり、「9万円以上」で「支障あり」の学生は4割に達した。「学業などへの支障」の具体的な内容は、「試験勉強の時間確保」60.2%、「授業・講義への出席」54.2%が多かった。

 会社(事業主)などとのトラブルについては、25.5%が「経験あり」と回答。アルバイトをした学生の4人に1人が、何らかのトラブルなどを経験していた。「トラブル経験あり」という学生は、アルバイト月間収入が増加するほど増え、「6万円以上9万円未満」「9万円以上」の学生では、3人に1人が何らかのトラブルを経験していた。

 具体的には、「一方的に急なシフト変更を命じられた」27.5%、「1日6時間を超えても休憩時間が与えられなかった」27.3%、「採用時に約束した以上のシフトを入れられた」21.5%、「準備や片付けの時間の賃金が支払われなかった」20.8%、「一方的にシフトを削られた」20.6%の順に多く、労働基準関係法令など法律違反の恐れがある内容も含まれていた。

 トラブルを経験した際の相談先は、「友人・先輩」39.4%、「家族」37.5%の順に多く、家族と同居している学生では「家族」との回答が半数以上にのぼった。全体では「誰にも相談せず」との回答も26.9%あった。
《奥山直美》

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