週1回以上腹痛の子供、半数に中等度以上のうつ症状

 週1回以上の腹痛を訴える小中学生の約半数に、病院への相談が望ましい「中等度以上」のうつ症状がみられることが、国立成育医療研究センターが2022年8月22日に公表した調査結果から明らかとなった。

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 週1回以上の腹痛を訴える小中学生の約半数に、病院への相談が望ましい「中等度以上」のうつ症状がみられることが、国立成育医療研究センターが2022年8月22日に公表した調査結果から明らかとなった。

 「2021年度新型コロナウイルス感染症流行による親子の生活と健康への影響に関する実態調査」は、層化二段無作為抽出法により全国50自治体から選ばれた小学5年生~中学3年生とその保護者を対象に2021年12月、郵送調査を行った。調査協力者は、小中学生2,350人(回答率52%)、保護者2,451人(回答率54%)。調査結果は、子供の回答を分析し、うつ症状の重症度は、思春期の子供を対象としたPHQ-A尺度を使用。

 まず、直近半年間に自覚した身体症状(頭痛・腹痛・腰痛・めまい)の頻度について尋ねたところ、いずれかの症状を週1回以上の頻度で自覚していた子供は20~31%だった。もっとも多かった症状は「腹痛」で11~18%。ついで、「頭痛」が7~13%、「腰痛」が5~12%、「めまい」が3~9%と続いた。学年別では小学5年生がもっとも低く、学年があがるほど増加傾向となった。

 また、週1回以上腹痛を自覚している子供では、半数で中等度以上のうつ症状がみられた。一方、週1回以上の身体症状がない子供では中等度以上のうつ症状は5%と少なく、身体症状と抑うつ症状に関連性が示唆される結果となった。

 夏休み明けは、特にからだやこころの不調をきたしやすい時期と言われている。うつがある子供は、自分では助けを求められないことも多いため、近くにいる大人が子供の変化に注意し、決して無理をさせないこと、症状が強い場合や長引く場合には医療機関に相談することが大切になってくる。国立成育医療研究センターコロナ×こども本部のWebサイトでは、子供が無料相談できる「チャイルドライン」や、虐待相談ができる児童相談所等の一例をリストにまとめて公開している。


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《川端珠紀》

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