メタバース児童館「ロートの放課後」子供たちの居場所へ

 スマイルラボとロートこどもみらい財団は2023年10月5日、「Nicotto Town/ニコッとタウン」に、子供たちが自由に参加できるメタバース児童館「ロートの放課後」をオープンした。自宅から気軽に1人でアクセスでき、自分らしく過ごせる交友関係を広げることもできるという。

生活・健康 小学生
Nicotto Town「ロートの放課後」
  • Nicotto Town「ロートの放課後」
  • Nicotto Town
  • (左上から)マイルーム、毎月の季節イベント(左下から)マイガーデニング、マイレストラン
  • ロートの放課後 専用エリア
  • (左から)大部屋のルーム、小部屋のルーム
  • アバターアイテムイベント
  • ロートこどもみらい財団

 スマイルラボとロートこどもみらい財団は2023年10月5日、「Nicotto Town/ニコッとタウン」に、子供たちが自由に参加できるメタバース児童館「ロートの放課後」をオープンした。自宅から気軽に1人でアクセスでき、自分らしく過ごせる交友関係を広げることもできるという。

 「Nicotto Town/ニコッとタウン」は、絵本のような手描き風のかわいいアバター(キャラクター)を登録し、バーチャルライフ(仮想生活)を楽しむ2Dメタバース。2008年9月に日本発のメタバースとしてサービスを開始。「ウェブマネーアワード2010」でユーザー投票1位を獲得し、その後も入賞多数。2023年9月に15周年を迎え、現在10月時点で累計登録ID数が160万IDを突破した。住人のうち、10~60代の女性が70%を超えており、幅広いユーザー層により、これまでも子供たちの受け皿として安全性に配慮してきた。

 一方、文部科学省の調査によると、近年、小・中・高の不登校の児童生徒数が約30万人に急増、また、90日以上の不登校であるにもかかわらず、学校内外の専門機関などで相談・指導などを受けていない小・中学生が4.6万人にのぼるという。2023年1月に内閣府が行った「こどもの居場所づくりに関する調査研究」では、子供・若者の主体性を尊重することが重要で、子供・若者の「行きたい」「居たい」「やってみたい」の3つの声を大切にしたいと整理した。

 今回、子供たちが「いつでも安心していられる居場所」になることを目指し、子供たちだけがアクセスできるエリア「ロートの放課後」を作った。安心安全なインターネットの居場所を目指してきた「Nicotto Town/ニコッとタウン」の運営ノウハウと、ロートこどもみらい財団が共創し、子供たちがさまざまな価値(遊び、学び、会話)に触れることで、アイデア・スキルの可能性を探る「キッカケ」を提供する。

 「ロートの放課後」では、子供たちだけがアクセスできる専用ワールドや専用ルームを用意した。多数の人々が行き交う一般ワールドと異なり、「ロートの放課後」の子供たちだけで集まれるため、自分のペースで過ごすことができる。一般ワールドで他者とのつながりをもち、自分らしく過ごせる交友関係を広げることもできるという。

 安全面では、コミュニケーションはボイス非対応で、テキストチャットなどで行う。ユーザー同士のトラブルを避けるため、1対1ミニメール機能がない。絵本のような世界観テーマのため、写真を投稿する機能がないなど安全性に配慮しているという。

 また、「ロートの放課後」はオンラインの居場所であると同時に、オンラインで体験活動を提供する居場所も目指している。好きなこと・興味のあることに沿って多様な分野の専門家から話を聞くロートこどもみらい財団のプログラム(月4~5回程度)に参加できる。さらに、「Nicotto Town/ニコッとタウン」と連携し、アバターアイテムの要望を募集するイベントの定期開催も予定しているという。

 2023年5月11日に先行実施したプレイベントでは、子供たちと一緒に企画したアイテムを「Nicotto Town/ニコッとタウン」で公開した。アバターアイテムの要望を募集するだけではなく、アイテム企画の観点から採用されやすい要望の書き方講座や寄せられた要望がアイテムとして完成するまでのデザインの公開、アイデアに対するレビューなどを行い、子供たちの「こんなアイテムを作ってみたい」という気持ちになるきっかけを提供したという。

 「ロートの放課後」を利用するには、「ロートの放課後」にログインできるアカウントを取得する必要がある。ロートこどもみらい財団に登録(メロー登録)し、「ロートの放課後」の申請フォームから申し込む。申請後、アカウントがメールで通知。また、ゲームコンテンツの提供など一緒に楽しんでもらえるパートナーも募集する。今後の予定として、「ロートの放課後」に一緒に楽しむ場所(出展できるスペース)を設ける予定。詳細はWebサイトで確認できる。

《大田芳恵》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top