【PISA2022】OECD1位の「数学的リテラシー」日本の正答率26.6%の難問

 2023年12月5日に経済協力開発機構(OECD)が発表した国際的な学習到達度調査「PISA2022」。コロナ禍を経て4年ぶりの実施となった今回、日本は数学的リテラシーにおいて全参加国・地域中で5位、OECD加盟国(37か国)では1位となった。

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OECD生徒の学習到達度調査(PISA)~ 2022 年調査問題例~
  • OECD生徒の学習到達度調査(PISA)~ 2022 年調査問題例~
  • PISA2022 数学的リテラシー 得点 問1

 2023年12月5日に経済協力開発機構(OECD)が発表した国際的な学習到達度調査「PISA2022」。コロナ禍を経て4年ぶりの実施となった今回、日本は数学的リテラシーにおいて全参加国・地域中で5位、OECD加盟国(37か国)では1位となった。

 リセマムでは、PISAでどのような問題が出題されているのか、世界の15歳に課されている「数学」の問題から一部を紹介する。

 なお、PISA2022年数学的リテラシーの公開問題として公表された問題は、コンピュータ使用型の数学の問題として開発され、2022年調査の数学の枠組みを表すもの。しかし、PISA2025年調査には使用されない。また、公開問題(4大問)の解説および採点基準は、OECDのPISA2022国際結果報告書の本文を国立教育政策研究所で翻訳したもの。日本の正答率は、国立教育政策研究所が作成したデータ。

実際の問題:得点 問1【レベル6/非常に難しい(日本の正答率26.6%)】

平均の概念的な理解に基づき、推測を評価する抽象的な推論問題

<解説> 問1のみで構成された「得点」は、あるバスケットボールチームに関する新聞の見出しから、得点差の平均について推測する問題。このチームが「今シーズン全試合に勝利」し、「今シーズンの得点差の平均が19点」であった場合、実際にはどの試合も19点差で勝ったことがないという可能性があり得るかどうかについて、その判断と理由を答える。実際の試合結果を示す数値が与えられていない中、文脈に沿って「平均の概念」について説明しなければならない、抽象的な性質が特徴の難問となっている。

 解答のポイントは、平均がデータセットの1つである必要はないことを示すか、平均が19であってもデータセットに19が含まれていない例を提示すること。後者については、たとえば「6、9、15というデータセットの算術平均は10である」など、19以外の値を用いて答えを示すことも可能。問題レベルは、完全解答で6(非常に難しい)、部分解答でも5(難しい)。完全解答のレベルは、PISA2022年数学的リテラシーの公開問題の中でもっとも難しいレベルに設定されている。日本の正答率は26.6%だった。

 正答は次ページ。


《畑山望》

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