早稲田大、150周年に向け「まちと融合した大学」へ

 早稲田大学は2024年4月17日、創立150周年を迎える2032年に向けた早稲田キャンパスの新たな整備指針「Waseda Campus Master Plan2023」(以下、Master Plan)の策定を発表した。「成長するキャンパスから成熟するキャンパスへの転換」を目指し、大学を中心としながら、まちと大学が共存し融合した地域を創ることをデザイン理念とする。

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Waseda Campus Master Plan2023が掲げるキャンパス像
  • Waseda Campus Master Plan2023が掲げるキャンパス像
  • 整備指針における3つの基軸
  • 「門のない大学」から「まちと融合した大学」へ
  • Waseda Campus Master Plan2023

 早稲田大学は2024年4月17日、創立150周年を迎える2032年に向けた早稲田キャンパスの新たな整備指針「Waseda Campus Master Plan2023」(以下、Master Plan)の策定を発表した。「成長するキャンパスから成熟するキャンパスへの転換」を目指し、大学を中心としながら、まちと大学が共存し融合した地域を創ることをデザイン理念とする。

 早稲田大学が1997年に定めた前整備指針は、キャンパスの建物が高層化し「情報技術革命の波」が現れつつある時期に描かれた。キャンパス計画において「歴史継承」と「高機能化」のエリアをゾーニングしたことにより、キャンパスの伝統の保持と並行して、教育・研究のための空間の「量」を求める需要に応えた床面積の増加の両立を目指していった。

 これに対して、今回発表されたMaster Planでは、創立150周年の大学のあるべき姿を定めた「WASEDA VISION 150 Next Stage」(2019年策定)が描いていた成長路線とは異なり、新たに大学に求められるキャンパスの環境として「ウェルネス(教育・研究の質を高める)」「オープンイノベーション(多様な主体が協働し新たな価値を創出する)」「ゼロエミッション(省エネ・創エネと脱炭素を実現する)」の3つの基軸を計画の核に据えたという。

 現在、早稲田キャンパスの正門は、通称「無門の門」と呼ばれ、門柱や門扉がない開放的な造りで、広く社会に開かれた早稲田大学の精神を象徴している。新たなMaster Planでは、大学構内の研究や教育の環境だけでなく、まちと大学が共存し融合した地域を創ることをデザイン理念とし、将来のイメージを提示。早稲田大学が将来「門のない大学」を超えて、「まちと融合した大学」となることを目指している。

 このため、キャンパスの外周部、キャンパスとまちの両方にコモンスペースを創出し、学生・教職員だけでなく、地域住民や訪問者たちに開かれた環境を提供する。また、キャンパス周辺の街中に、小中規模の研究施設が展開するイノベイティブな“大学まち”の形成を企図しているという。

 早稲田キャンパス整備指針「Waseda Campus Master Plan2023」は、早稲田大学のWebサイトから確認できる。

《木村 薫》

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