神戸市、高校生の通学定期代を無償化へ…全国初

 神戸市は2024年2月14日、2024年度から市内の高校生の通学定期代を全額補助すると発表した。大阪府が導入する高校授業料無償化制度に対抗し、子育て世帯の定着を図ることが目的。2024年度当初予算案に12億3,000万円を計上した。

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高校生等通学定期券補助の大幅拡充
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 神戸市は2024年2月14日、2024年度から市内の高校生の通学定期代を全額補助すると発表した。大阪府が導入する高校授業料無償化制度に対抗し、子育て世帯の定着を図ることが目的。2024年度当初予算案に12億3,000万円を計上した。

 高校生などの通学定期券補助はこれまで、月1万2,000円(年額14万4,000円)を超える費用の2分の1を補助していた。2024年度からは補助制度を大幅に拡充。9月1日から通学定期代を全額補助し、市内高校などへの通学を無償化する。2024年度当初予算案には、経費として12億3,000万円を盛り込んだ。

 大阪府が2024年度から高校授業料の完全無償化を段階的に始めるのにともない、子育て世帯の流出が懸念されることから、高校生のいる世帯への経済的支援の拡充策として実施する。神戸市によると、通学費の無償化は全国初めて。神戸市には、国公私立高校、高専、専修学校など、多様な教育環境があり、市内の高校などに与える影響を最小限にしたいとしている。

 市内の高校に通う生徒の定期代は、神戸市があげた事例によると、北区鹿の子台北町から市立六甲アイランド高校に通う場合で年額24万7,100円、西区玉津町から県立長田高校に通う場合で年額20万8,120円、東灘区森北町から私立灘高校に通う場合で年額10万1,260円になるという。

 新制度の対象は、2024年4月1日から2025年3月31日までの対象期間中に神戸市内に住民登録がある、18歳になる年度の末日までの高校生など。所得制限はない。ただし、生活保護など他制度で支援がある場合は対象外。

 対象の学校は、市内の高等学校(全日制・定時制・通信制)、高等専門学校(第1学年から第3学年)、中等教育学校(後期課程)、専修学校(高等課程)、外国人学校。市外・県外の学校に通う場合は、全額の補助ではなく、これまでどおりの一部補助。市外に住んでいて、神戸市内の高校などに通う場合は対象外となる。

《奥山直美》

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