大学無償化6割・オンライン大学増設5割が賛成…18歳調査

 日本財団は2024年3月6日、「教育」をテーマに実施した18歳意識調査の結果を公表した。国の教育支出に関して増額を求める意見が全体の4割を占め、大学の無償化に関しても6割近くが賛成していることがわかった。

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義務教育期間に関わった教員への信頼度
  • 義務教育期間に関わった教員への信頼度
  • 大学入試に対する考え
  • 教育支出に対する考え

 日本財団は2024年3月6日、「教育」をテーマに実施した18歳意識調査の結果を公表した。国の教育支出に関して増額を求める意見が全体の4割を占め、大学の無償化に関しても6割近くが賛成していることがわかった。

 18歳意識調査とは、選挙権年齢の引下げをきっかけに、2018年10月より、18歳前後の若者の価値観、政治・選挙に対する態度、社会課題の理解などを日本財団が継続的に調査しているもの。第61回「教育」に関する調査は、2024年1月19日~22日、全国の17~19歳の男女1,000名を対象にインターネットで実施。義務教育での経験や国の教育支出の在り方、少子化を背景とした新たな大学再編の動きなど幅広い課題について若者の意見を聞いた。

 少子化にともなう大学の新たな動きに関しては、通学不要のオンライン大学の増設、留学生受け入れの強化を求める意見が過半数、公立大学の増加を求める声が約半数にのぼる一方、大学の定員削減に賛成する声は4分の1弱に留まっている。このほか義務教育で重視されていたと思うことの1位は「基礎学力を身に着けること」で約3割、もっと学んでおきたかったと思うことのトップは生きていく上で必要なお金に関する知識や能力を身に着ける「金融リテラシー」が約2割となっている。

 自身の義務教育での経験をふまえ、義務教育期間に自身が関わった教員たちへの信頼について聞いた。「信頼していた教員は半数より少なかった」「ほとんどいなかった」とする声が全体の4割弱、女性に限ると4割以上にのぼった。

 大学入試について、学力検査を中心とした「一般選抜」と、総合的に評価する「総合型選抜・学校推薦型選抜」があると提示し、どちらの選抜方法が望ましいと思うか尋ねた。「学力検査を中心とした試験が望ましい」と「総合的な評価を中心とした試験が望ましい」との回答が全体では同程度であったが、男性では前者が多く、女性では後者が多い結果となった。

 日本の一般政府総支出に占める初等から高等教育への公財政支出の割合は7.8%で、OECD(経済協力開発機構)平均10.6%より低い。今後どのようにすべきだと考えるか聞いたところ、男性では5割弱、女性では4割弱が「増やすべき」と回答している。

 調査ではこのほか、教育支出を増やすための新たな財源確保策や大学入試の在り方などについても若者の意見を聞いている。調査の詳細はWebサイトより閲覧できる。

《中川和佳》

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