東工大の大隅良典栄誉教授、ノーベル賞メダルを寄贈

 東京工業大学は2024年3月29日、同大の大隅良典栄誉教授からノーベル生理学・医学賞のメダルを寄贈されたことを公表した。寄贈されたメダルは同大の入学式、学位記授与式、学園祭、すずかけサイエンスデイやホームカミングデイなどの行事で一般にも広く公開予定だという。

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メダル寄贈のようす(右から大隅栄誉教授、益学長)
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 東京工業大学は2024年3月29日、同大の大隅良典栄誉教授からノーベル生理学・医学賞のメダルを寄贈されたことを公表した。寄贈されたメダルは同大の入学式、学位記授与式、学園祭、すずかけサイエンスデイやホームカミングデイなどの行事で一般にも広く公開予定だという。

 大隅栄誉教授(科学技術創成研究院 細胞制御工学研究センター長)は、「細胞の環境適応システム、オートファジーの分子機構と生理学的意義の解明」により 2016年にノーベル賞を受賞。今回、若手研究者や中高生に基礎研究の重要性や科学の面白さを実感してもらうことを目的にメダルの寄贈を決めたという。

 大隅栄誉教授から益一哉学長へメダル寄贈のセレモニーが3月15日、すずかけ台キャンパスにて行われた。益学長は、これからの将来を担う中・高校生や若手研究者に「是非“本物”に触れてほしい」と呼び掛けるとともに、「貴重なメダルに込められた大隅先生のご意思を重く受け止め、今後も基礎研究を重視し、若手研究者の育成に真摯に取り組んでまいります」と大隅栄誉教授へ感謝の意を述べた。

 その後の懇談会では、大隅栄誉教授から「高校に講演に行くと『どうすれば失敗しないか』『失敗したらどうすればよいか』という質問が多く大変驚いた。失敗しない研究などない。若い人たちには失敗を恐れずにどんどん挑戦してほしい」などのコメントがあり、益一哉学長ら参加者一同、あらためて「失敗を恐れずに独創的な研究に挑戦することの大切さを若い人たちに伝えていかなくてはいけない」と実感したという。

 東京工業大学博物館には、ノーベル財団から3個のみ作成を許可されたレプリカの1つを常設展示。すずかけ台図書館においては大隅良典栄誉教授展示コーナーを設置し、ガードナー国際賞、国際生物学賞、京都賞などの賞状、メダル、楯を多数展示し、一般にも広く公開している。詳細は同大のWebサイトで確認できる。

《川端珠紀》

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