au損害保険 島田信之社長、金額負担少なくシンプルな自転車保険を

 イード・アワード2012「ファミリー自転車」顧客満足度調査自転車保険部門の最優秀賞および保険料、プランの充実度、わかりやすさの3部門を開業1年半のau損害保険が受賞した。島田信之社長は「シェアを固めておくためには、この2年くらいが重要な勝負の時期」と語る。

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au損害保険 島田信之社長
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 イード・アワード2012「ファミリー自転車」顧客満足度調査自転車保険部門の最優秀賞および保険料、プランの充実度、わかりやすさの3部門を開業1年半のau損害保険が受賞した。島田信之社長は「シェアを固めておくためには、この2年くらいが重要な勝負の時期」と語る。

--イード・アワード受賞の感想からお聞かせください。

島田社長(以下:島田氏):大変光栄なことでありがとうございます。特にわかりやすさといったところが、まさに満足度そのものだと思いますので、そういう点でご評価頂いたことは非常にうれしく思っています。まだ開業してから1年半の新しい会社ですので、我々がやろうとしていることが世の中に受け入れられたのではないかということで、うれしく思う反面、さらに気を引き締めていきたいと考えております。

--KDDIとあいおいニッセイ同和損害保険が新しいコンセプトの損保会社をつくった背景は。

島田氏:お互い130年くらいの歴史をもっている業界です。その歴史ある2つの業界の企業が一緒になって、今度はまったく新しいことに挑戦しようという発想でできたのがこの会社です。やはり携帯電話をひとつのキーワードにしまして、いつでもどこでも手軽に携帯で(保険に)入れる。それまでは代理店を通して入っていたものを、人を介さないで携帯で簡単に入れるということを我々のメッセージとしました。

◆金額負担少なく、シンプルな自転車保険が携帯電話とフィット

--新しいコンセプトの損保会社のメイン商品に自転車保険を据えた理由は。

島田氏:携帯電話を使って、いつでもどこでも手軽に保険に入って頂くというのがコンセプトですので、長い説明や、大量な資料を使って保険を売るのではなくて、わかりやすく簡便な伝え方となります。そうすると携帯を使ってできる商品というものは比較的限定されてきます。そういう意味で自転車保険が一番フィットしたと考えています。

 また(保険料が)高すぎるものでもいけないということも考え、月々400~500円払って頂けば保険事故の際に賠償額最大1億円まで補償するというプランを設定しました。

--実際にau損保の自転車保険に加入されている方の年齢構成は。

島田氏:20~30代が半分を占めていますが、必ずしも若い人だけではありません。やはり今、自転車での事故が色々と問題になったり、また逆に自動車から自転車に乗り換えるという方々もいて、40代以上の方々も入られています。

 携帯電話で加入するという入口のデバイスがありますので、当初は割と若い方に特化するのかなと思っていました。しかし、意外に一定の比率でお年を召した方もいらっしゃいます。また女性の比率は全体の3分の1くらいになっています。

◆自転車保険の認知はこれからの課題

--自転車保険は採算が合わないことを理由に既存の損保各社が撤退した経緯がありますが。

島田氏:我々のコンセプトである携帯電話で加入するというのは、保険代理店が途中にあるわけではないので、そういう意味でコストがかなり安くできるのは間違いないと思います。全体の仕組みとしては一定のお客様を確保すればきちんと経営としても成り立っていく、それが自転車保険をメインにして今後も継続して経営していけると考えているところですね。

--自転車保険の認知度はどうですか。

島田氏:私の感想としてはそれほど高くないと思います。ひとつには自転車の場合は自賠責、強制保険がありませんので、事故を起こした時に誰がその保険金を払うのかということを、きっちり考えて自転車を運転している方は少ないと思います。

 例えば自転車による事故で保険金3000万円の高額判決が下りたということが記事になって、その都度、関心を集めます。そういうことが一般に頭の中に入っていれば、それほど大きな記事にはならないと思います。逆にいうと、そういう状況だから我々の自転車保険に入って頂くという素地があるのではないかと思っています。

◆社会全体が自転車の使い方を見直しつつある

--2011年5月の開業から1年半が経過しました。

島田氏:やはり東日本大震災ということをひとつのきっかけにして、社会が環境保護や健康あるいは通勤手段として自転車をもう一回考え直すきっかけになったのではないかなと思います。私どもは2011年5月に開業し、夏にかけて月々保険料100円という開業記念キャンペーンも行いながら自転車保険を販売しました。世の中全体の背景もあり、自転車保険が受け入れられたのではないかなと思います。

 健康志向、環境志向、通勤手段の多様化というのは根強く残っていますし、今後も拡大していくと思いますので、自転車保険のお客様を増やしていくことが当面、我々の主な取り組みだということはいささかも変わっていません。

--自転車保険のほかに旅行保険なども手掛けていますね。

島田氏:まさにそれもこれからという感じです。現在、(保険料)1日500円ワンコインという形でご提案しています。今年の夏も海外旅行保険のお客様は増えつつありますが、自転車保険に比べると非常に激戦のマーケットですね。

 旅行を決められて、次に保険を選ぶ時に、価格サイトで比較して入るというパターンが多いと思います。そうしますと、やはり圧倒的に安いとか、逆に圧倒的に何か他社に比べて補償範囲が広いとか、そういうものでないとなかなか勝ち残っていけないのが現状です。そのため、今冬の商戦に向けて、価格サイトでご評価頂けるような商品に中身を見直し、強化をして取り組んでいこうと思っています。

◆40〜60代男性向け商品の強化も

--他社との差別化や商品戦略についてお聞かせください。

島田氏:他社との差別化という観点でいいますと、入り口のデバイス、モバイルで入るというところが一番の我々の強みだと思っています。さらに携帯でもスマートフォンでもauのお客様であれば通信料と一緒に保険料の決済ができるということも、他社にはない利便性ですね。まずはauユーザーをもう少しきっちり確保するといったところが、自分たちの大きな仕事になると思います。

 商品戦略では、実は自転車の保険だけでユーザーの皆さんにアピールできるかというと必ずしもそうではないという気もしています。40~60代の男性の方が携帯やスマホにしても、かなり使い慣れているというのがわかってきましたので、そういう方々にフィットするような商品にも少し力を入れていきたいと思っています。

◆イード・アワード2012 ファミリー自転車
 >>> http://resemom.jp/feature/family-bicycle-award2012/
《小松哲也》

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