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米国で始まる採用革命、MOOCが変えるこれからのキャリアパス

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米国で始まる採用革命、MOOCが変えるこれからのキャリアパス(画像はイメージ)
  • 米国で始まる採用革命、MOOCが変えるこれからのキャリアパス(画像はイメージ)
  • 21世紀社会に必要な個性と自立心を育む個別指導塾「ipal アイパル」塾長 小松健司
 前回(2015年11月10日)は世界で急速に普及しているMOOCについてご案内しました。

 これまでは大学が定めたコースに従って、決められた時間に指定された教室で皆と同じ授業を受けるためにキャンパスへ通う必要がありましたが、新興国においても携帯端末の普及率が9割を超えた(国際電気通信連合調べ)ことにより、世界中で誰もが時間と場所の制約を受けずに、自宅に居ながら自分に都合のよい時間に興味ある講義だけをマイペースで聴講することができるようになったのです。ランチ定食3種類しかない郊外の食事処へ車で行くしか選択肢がなかったところへ、和洋中どんな料理でも24時間指定の場所へ届けるデリバリーサービスが登場したようなものです。

◆教育のオンデマンドサービス化による大学の実質的な解体

 それでもなおMOOCの「つまみ食い」ではなく認証を受けた大学の正式な卒業証書がどうしても欲しいというに人は、大学1年時必修の一般教養科目をオンライン講座で修了すれば(1科目数十ドル)、それを正式な単位として認証大学へ編入できる DreamDegree というサービスを利用する手もあります。これを利用することで、上昇が続く大学の授業料の4分の1を節約できることがポイントです。根底には、ゼミ形式ではない大教室で聴く一般教養の講義など映像で十分、という合理的な考えがあると思われます。このように、オンラインで授業の「バラ売り」が増えていくと大学の存在意義が問われることになり、大学の実質的な解体が進んでいくでしょう。

 さらには普段は自宅でオンライン学習をして、ゼミや実験の時だけ集まる、それも大学が自前で所有する教室ではなくレンタルオフィスや貸し会議室を利用する、といったことも考えられます。日本でもバランスシート上では有形固定資産として計上している都心の一等地に建てた立派な校舎が、いつか不良資産化するかもしれない可能性があることを、私立大学の経営者は頭の片隅に入れておく必要があるでしょう。パソコンやゲーム機器、食品メーカーなどでよく見られる、自社工場を持たないファブレス企業のように、これからは「キャンパスレス」をひとつの選択肢として検討すべきです。

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《小松健司》

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