小学生の生活・学習・人間関係などを調査…学研「小学生白書」

 学研教育総合研究所は10月21日、小学生白書Web版「小学生の生活・学習・人間関係等に関する調査」のまとめを公開した。通信機器の利用が小学生の生活に与える影響などについてまとめている。

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 学研教育総合研究所は10月21日、小学生白書Web版「小学生の生活・学習・人間関係等に関する調査」のまとめを公開した。通信機器の利用が小学生の生活に与える影響などについてまとめている。

 調査は、日本全国180万人を超える母集団から調査に協力できる小学1年生~6年生の保護者を抽出し、保護者付添いのもと小学生本人が回答した。各学年で男子100人と女子100人、6学年で計1,200人、それぞれの保護者1,200人から回答が集まったところで調査を終了。調査時期は2015年10月16日~19日。大きく分けて、「生活に関わる項目」「学習に関わる項目」「人間関係・自己認識に関わる項目」について調査している。

 「生活に関する項目」では、小学生を取り巻くICT環境が急速に変化する中、小学生の通信機器の利用実態について詳しく調査。6年女子の「就寝時刻が午後11時以降」の割合は35%と比較的高く、携帯メールやLINEなどの使用割合も高いことから6年女子のコミュニケーションツールを利用する時間が就寝時間に影響している可能性について、今後調査を行う必要性があるとしている。また、読書についても、通信機器の使用時間との関連を考慮する必要があるとし、読書と通信機器の特色や質を十分考慮した活用方法の研究が必要だと提言している。

 「学習に関わる項目」では、グループ学習に対する児童の評価などを調査した。グループ学習について、「好き」「どちらかといえば好き」というおおむね肯定的な意見が6割以上を占めたが、6年女子では「どちらかといえば嫌い」「嫌い」の割合が17%と、6年男子と比べて11ポイントも多く、男女に受け止め方の違いが見られた。一方で、「授業がおもしろかった」などの肯定的な意見も男女ともに多く、グループ学習をアクティブラーニングの基本的な授業形態の1つとして、今回の児童の意識調査も参考にした充実改善が求められるとしている。

 「人間関係・自己認識に関わる項目」では、小学生の自分自身についての認識や人間関係の実態について調査。「自分の好きなところ」では、「他との外的な比較を通した能力を評価する項目」よりも、「友達と仲がいいところ」など「対人関係の中で自分の内面を評価する項目」のポイントが高く、小学生にとって友人関係が大切であることを表す結果となった。逆に「自分の嫌いなところ」では、「他との外的な比較を通した能力を評価」しているようすがうかがえ、子どもたちがグローバル社会において、主体性を発揮しながら多くの人々と協働し創造的に生きていくためには、互いの個性を尊重し合いながらともに成長していける環境を整え導いていく必要を感じるという。
《外岡紘代》

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