不登校のきっかけ1位「先生との関係」保護者の約9割悩む

 多様な学びプロジェクトは2023年11月16日、「不登校の子を育てる保護者のニーズ調査」の10月13日時点で回収できた582人のアンケート結果を公表した。不登校のきっかけ1位は「先生との関係」で、保護者の86%が子供への対応や将来に悩んでいることがわかった。

生活・健康 小学生
当事者実態ニーズ 全国調査
  • 当事者実態ニーズ 全国調査
  • 「お子さんが一番最初に学校を休むようになった(休みがちになった)きっかけは何だと考えますか」
  • 「現在子供への対応または子供の将来についてどのくらい悩んでいますか?」
  • 「あなたが行政に望むものを選んでください」

 多様な学びプロジェクトは2023年11月16日、「不登校の子を育てる保護者のニーズ調査」の10月13日時点で回収できた582人のアンケート結果を公表した。不登校のきっかけ1位は「先生との関係」で、保護者の86%が子供への対応や将来に悩んでいることがわかった。

 多様な学びプロジェクトは10月6日より、声が届きづらい不登校当事者の実態とニーズを把握するため、「不登校やさみだれ登校の子供」「保護者」「不登校経験者」の実態・ニーズ調査を行ってきた。このうち、10月13日時点で回収できた「保護者」を対象とした582人のアンケート結果を公表した。

 「不登校のきっかけ」に関する保護者回答の1位は「先生との関係(先生とあわなかった、先生が怖かったなど)」が最多で261人(33.5%)。文部科学省発表の「2022年度(令和4年度) 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」では、教員回答1位は「(子供自身の)無気力・不安」となっており、両者にギャップがあることがわかった。2位は「学校システムの問題(価値観が古い、時代にあわない、風土にあわないなど)」で、204人(26.2%)であった。

 また、「現在子供への対応または将来についてどのくらい悩んでいるか」については、「すごく悩んでいる」33%と「悩んでいる」22%、「まあまあ悩んでいる」31%で、あわせて86%(501人)の保護者が悩んでいることが明らかとなった。

 「行政に望む支援」の1位は「フリースクールなど学校以外の場が無料や利用料減免」75.4%(439人)、2位は「フリースクールなど学校以外の場に通った場合の家庭への金銭的支援」74.2%(432人)」となり、「学校が変わってほしい」72.3%(421人)、「学校教員への研修」72.2%(420人)と続いた。

 現在利用している施策に関する保護者の認識について尋ねた項目では、「教育支援センター(適応指導教室)」「教育相談(行政)」「スクールカウンセラー」について「利用できるところはあるが利用していない」「利用したが助けにならなかった」の合計が5割を上回った。

 調査では、今回公開した「保護者アンケート」だけでなく、「元不登校経験者アンケート」と「こどもアンケート」も実施している。3つの調査の回答期日は12月31日まで。

 また、2024年1月11日には、アンケート結果の報告を兼ねたシンポジウムをオンラインにて開催する。シンポジストは文部科学省担当者、先進自治体の教育委員会、民間居場所運営者、不登校の子供や保護者、学校教員などを予定している。参加は、12月初旬より受付を開始する予定。

◆シンポジウム~不登校当事者の実態とニーズを把握し、官民共創でつくる効果的な施策とは~
日時:2024年1月11日(木)13:30~16:30
対象:自治体教育委員会、学校関係者、フリースクール等居場所関係者、不登校児童生徒とその保護者、その他興味のある人
開催方法:オンライン配信
参加方法:Webサイトより申し込む ※12月初旬より受付開始予定

《いろは》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top