株式会社SAKIGAKE JAPAN(本社:東京都中央区、代表取締役:近藤宗俊)は、東京都および公益財団法人東京都環境公社が実施する「グローバルサウスのGX促進プロジェクト」の採択事業として、2026年1月20日から30日まで、インドネシア共和国・南スラウェシ州マカッサルにおいて第2回現地調査を実施いたしました。
本調査では、再生可能エネルギーと特殊蓄冷材(PCM)を活用した「オフグリッド型水産コールドチェーン輸送システム」の社会実装に向け、現地の水産加工会社であるPT. Kenndo Fisheries Indonesia(以下、KFI)と連携協議を実施しました。同社のタコ加工工場を視察し、具体的な実証候補地としての条件整備や、現場の運用フローに適合する事業モデルの構築に向けて大きな一歩を踏み出しました。
■ 実施背景とこれまでの経緯:初回調査から「具体的な実証設計」フェーズへ
当社は、2025年12月に実施した初回調査において、オフグリッド型(独立電源型)の水産コールドチェーンが、食農物流の改善だけでなく、地域の防災力向上や福祉といった多角的な視点からのニーズがあることを確認しました。
この成果を踏まえた今回の第2回調査では、「どこで、誰と、どの工程を対象に検証するか」という、より具体的な実証設計フェーズへと移行しました。今回の訪問は、直ちに正式な提携やシステムの導入を決定するものではありませんが、現場の条件と事業者のニーズを直接確認し、継続的に運用できる実証モデルを設計するための重要な調査です。設備の性能だけで判断する単なる技術提案にとどまらず、現地事業者とともに日常業務に寄り添いながら、実現可能性と持続可能性を担保する事業モデルの構築を重点的に進めています。

■ KFI社との協業検討:タコ加工工場を「コールドチェーンの結節点」として活用
1月26日、当社はKFI社の代表である葛貫賢治氏と面談を実施し、マカッサル周辺における漁業・水産物流の現状と課題、そして実証後を見据えたビジネスモデルについて深い協議を行いました。翌27日には同社が運営するタコ加工工場を訪問し、実際の加工現場を視察しました。
水産物の品質を維持するためには、漁獲直後の保冷から、海上・陸上輸送、加工、保管、出荷に至るまで、温度管理を一切途切れさせないことが重要です。そのプロセスにおいて、加工工場は漁業者から集まる水産物を受け入れ、次の流通工程へとつなぐ極めて重要な「結節点」となります。
実証候補地を選定する際、当社は単に「冷却機器を物理的に設置できるか」という点のみを評価しません。「既存の作業動線に無理なく組み込めるか」「衛生管理を維持できるか」「現地スタッフが日常的に運用・点検を行えるか」、そして「実証終了後も、現地の負担で事業として継続できる費用構造か」という、ビジネスとしての成立要件を検証しています。現場特有の条件を踏まえた対象範囲の絞り込みと、日本側・現地側の明確な役割分担を描くことができました。

■ 日本の技術を現地へ:継続運用を見据えた「フェーズフリー」モデル
SAKIGAKE JAPANが社会実装を目指す「オフグリッド型水産コールドチェーン輸送システム」は、太陽光発電、蓄電池、PCM(特殊蓄冷材)、高断熱保冷ボックスを最適に組み合わせたものです。これにより、商用電源や化石燃料に依存する冷凍トラックを使用せずとも、漁船上、離島の保冷拠点、加工工場、市場までの全工程を一つの流れとして捉えた低温物流が可能になります。
しかし、日本の優れたハードウェアをそのまま持ち込むだけでは、社会実装は成功しません。私たちは現地の水産物流を理解する事業者の知見をシステムに融合させ、運用主体、保守体制、さらには既存の氷代・燃料代・輸送費と比較した上での費用対効果を示すことが不可欠だと考えています。
さらに、本事業の最大の特長は、平時の物流改善がそのまま地域のレジリエンス(災害回復力)に直結する点にあります。日常的に鮮度維持や食品ロス削減に活用されている設備が、停電や自然災害などの非常時には、大型インフラへの依存を抑えた「自律分散型」の低温インフラとしてそのまま機能します。日常と災害時を切り分けない「フェーズフリー」の概念を、グローバルサウスの現場で具現化する画期的な取り組みです。
■ 今後の展開と事業化に向けた展望:産学官連携の呼びかけ
今後はKFI社との協議をさらに深め、実証に必要な物流工程、機器構成、データ管理、衛生手順等を明確にし、技術・事業の両面から実現可能性の最終検証に入ります。
SAKIGAKE JAPANは、日本の先進的な防災・環境適応テクノロジーを現地の経済文脈に翻訳し、真に地域で継続利用できる仕組みとして実装することを目指しています。このビジョンに共感し、オフグリッド型水産コールドチェーン輸送システムの実証、技術連携、現地展開にご関心をお持ちの企業、大学・研究機関、自治体の皆様からのご連絡を広くお待ちしております。


