ユニセフ新事務局長、南スーダン訪問~子どもたちの命と未来を守る支援継続へ【プレスリリース】



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【2018年1月19日 ジュバ(南スーダン)/ナイロビ(ケニア)/ニューヨーク 発】

今年1月1日に就任したユニセフ(国連児童基金)の新事務局長ヘンリエッタ・フォアは、南スーダンを訪問し、子どもたちの現状について、以下の声明を発表しました。

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私は南スーダンに2日間滞在し、4年間におよぶ人為的な紛争が、いかに子どもたちを病気にさせ、飢えさせ、死に晒しているか、その実態を目にしてきたところです。

容赦ない暴力の影響は甚大です。私は栄養不良の乳児に治療を受けさせるために、何日も歩いてきた母親に会いました。10歳で強制的に武装グループに徴兵された男の子と話をしました。2014年に故郷のベンティウで紛争が勃発した際に、両親と離ればなれになってしまった2人の兄妹にも会いました。

しかし、恐怖の中にも、希望の兆しを見ることもできました。栄養不良の乳児は回復しつつあります。元子ども兵は学校に戻り、医者になる夢を描いています。そして今日、2人の兄妹は4年振りに母親との再会を果たすことができました。

ユニセフなどの支援機関は、現地の最も危険な環境下で、子どもや若者に、彼らの生活に必要なものを提供すべく活動しています。これは並大抵のことではありません。南スーダンは人道支援従事者にとって世界で最も危険な場所です。昨年だけでも28人の人道支援従事者が殺害されました。それでも私たちは、支援を必要とする何百万人もの子どもたちに、支援を届け続けています。昨年、私たちはパートナー団体と協力して、180万人近くの子どもにはしかの予防接種を実施し、18万人以上の重度の急性栄養不良の子どもを治療し、30万人の子どもに教育の機会を提供しました。

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しかし、これらの活動はまったく十分ではありません。紛争が終わる兆しはなく、人道支援の必要性は巨大です。240万人の子どもが家から逃れることを余儀なくされました。25万人以上の子どもが重度の急性栄養不良に陥っており、死の危険に直面しています。1万9,000人以上の子どもが紛争に徴用・徴兵されました。学校の少なくとも3校に1校が損傷し、破壊され、占拠され、あるいは閉鎖されています。さらに、私たちは1,200件以上の子どもに対する性的暴力の被害を確認しています。

これらの数字は増え続けています。これらの人数を合わせると、若い人々一世代すべてが、彼らの社会の構築に貢献するために必要不可欠な機会を得ることを拒否されていることになるのです。

乾季に入り、人々の支援の必要性と脅威がさらに高まります。すでに、避難民キャンプで助けを求める子どもや家族の数が増えています。しかし、私たちはこの支援の必要性の増加に対応するための資金が不足していることを懸念しています。

南スーダンの子どもたちと若者に希望と安全を取り戻すためには、紛争を終わらせるほかありません。それまで、私たちは、紛争当事者から無制限かつ継続的なアクセスを、支援者からはさらなる資金協力が必要です。これらなくしては、南スーダンの何百万人もの子どもたちの命と未来が危ぶまれる状態が続いていきます。

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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

プレスリリース提供:PR TIMES
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