藤女子大学の学生が「越冬キャベツ」を研究!雪の下に貯蔵することで健康機能成分が増加

~学生とともに考えるおいしさと健康への影響解明!8月に日本食品科学工学会第70回大会において発表予定~



藤女子大学人間生活学部食物栄養学科(北海道石狩市、以下藤女子大学)と、株式会社 Mizkan(本社:愛知県半田市、代表取締役社長兼 CEO:吉永 智征、以下ミツカン)は、2019年6月~2022年3月まで、「道民の健康にかかわるQOL向上」を目標に、道産食材である和寒町の越冬キャベツの成分分析を実施しました。
本取り組みでは、北海道の食のおいしさを通じて、北海道民の野菜摂取量や健康寿命などの健康課題をお手伝いすることを目的とし、藤女子大学の学生が野菜の成分分析を実施し、道産野菜のおいしさと健康の解明を目指しました。
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北海道民が抱える健康課題


■北海道民は「野菜摂取量」や「健康寿命」に課題あり
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北海道民の野菜摂取量は男性が全都道府県の中で35位、また、健康寿命については女性が46位と課題感が見受けられます(出典:平成28年国民健康・栄養調査報告)。一方で、北海道にはたくさんの道産食材があり、そのおいしさと健康への影響を分析し、道民に伝えることによりその一助になると考え今回の研究着手に至りました。


研究成果


■越冬キャベツの成分分析とおいしさと健康への影響の研究
和寒町の越冬キャベツの成分分析について、越冬条件による成分値の消長によるおいしさや健康への影響について中河原俊治教授(人間生活学部食物栄養学科)と食品学研究室ゼミ生にて研究を実施いたしました。
北海道の長い積雪期間では生鮮野菜の生産は限定的ですが、道北上川郡和寒町の「越冬キャベツ」が生鮮野菜として供給されています。「越冬キャベツ」は秋に収穫されたキャベツを雪中で貯蔵することにより冬期間の出荷を可能にしており、一方、甘味が向上するなど優れた特性を有していることが知られています。そこで北海道民の野菜摂取量の向上という課題に対し、「越冬キャベツ」の機能性成分の消長、おいしさや健康への影響の解明、そしてその健康訴求に寄与することを目的として中河原俊治教授(人間生活学部食物栄養学科)と食品学研究室ゼミ生にて研究を実施いたしました。
その結果、以下のような研究成果が得られました。

1. がん抑制効果などが知られている成分の前駆体であるグルコシノレート(GSL)について調べたところ、「越冬キャベツ」にはシニグリンが最も多く含まれていることが分かりました。シニグリンは、発がんリスク低減効果が知られ、またわさびなどの辛味成分でもあるアリルイソチオシアネートの前駆体です。さらに、グルコイベリン、グルコブラシシンなど有用なGSLも含有していることを見出しました。これらのGSLは11月~3月の雪中貯蔵期間中、減少することなくほぼ一定値を示し、冬期間の機能性成分の供給を可能にしていることを明らかにしました。これらの研究成果は、第77回日本栄養・食糧学会大会(札幌、2023年5月)において発表しました。

2. キャベツが含有するメチルメチオニンスルホニウムクロライド(MMSC)は胃腸薬成分として知られるアミノ酸の一種ですが、「越冬キャベツ」に遊離アミノ酸として最も多量に含有していることが分かりました。そしてこのMMSCの含有量が11月~3月の雪中貯蔵により約20%有意に増加することを見出しました。また、甘味を呈する遊離アミノ酸であるグルタミンは雪中貯蔵によって約70%の有意な増加を示すことを明らかにしました。
これらの研究成果は、日本食品科学工学会第70回大会(京都、2023年8月)において発表する予定です。
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継続して研究に取り組んでいる中河原俊治教授(人間生活学部食物栄養学科)と食品学研究室ゼミ生


今後の取り組み


2023年6月からは、新たな取り組みとして、酪農大国である北海道の乳製品とお酢を合わせることによる効果の研究と、合わせることでできた食材を活用した北海道民の食生活に馴染むメニューの開発に取り組んでまいります。
例えば、60℃以上に温めた牛乳にお酢を加えることでカッテージチーズのような物性の食材ができあがることがわかっています。これが、加熱温度や乳製品の脂肪分含量、食酢の種類や添加量等の変化によっておこる物性の変化や、基礎研究を進めて参ります。さらに、出来上がった食材を学生とともに、道民が無理なくおいしく健康に取り入れられるメニューにしていくことを目論みます。



ミツカンは、企業理念である「買う身になって まごころこめて よい品を」に基づき、商品やメニューを通じて、お客様へ「おいしさと健康」を提供してまいります。

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プレスリリース提供:PR TIMES
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