2025年4月の値上げ、4225品目 1年6カ月ぶりに4千品目超える 年間累計は1万1707品目、前年実績の9割を超える

「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年4月



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株式会社帝国データバンクは、2025年4月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しについて、分析を行った。

SUMMARY
2025年4月の飲食料品値上げは、合計4225品目となった。
食品分野別では、「調味料」(2034品目)が最多。「酒類・飲料」(1222品目)は缶ビール・缶チューハイが一斉に値上げとなり、6カ月ぶりに単月あたり1千品目を超えた。
2025年通年の累計品目数は1万1707品目となり、前年実績の9割を超えた。
飲食料品における値上げの勢いは、前年に比べて大幅に強まっている。

[注]
品目数および値上げは、各社発表に基づく。また、年内に複数回値上げを行った品目は、それぞれ別品目としてカウントした
値上げ率は発表時点における最大値を採用した。なお、価格据え置き・内容量減による「実質値上げ」も対象に含む
2025年4月の値上げ、4225品目 1年6カ月ぶりの高水準
主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした4月の飲食料品値上げは4225品目、値上げ1回あたりの平均値上げ率は月平均16%となった。単月の値上げ品目数としては、1月以降4カ月連続で前年を上回った(+1328品目・+45.8%)。また、値上げのピークを迎えた23年10月以来1年6カ月ぶりに単月で4千品目を超えるなど、大規模な値上げラッシュが発生する見通しとなる。

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2025年4月の値上げを食品分野別に集計すると、調理用みそ製品を中心とした「調味料」(2034品目)が全食品分野で最も多かった。「酒類・飲料」(1222品目)は、缶ビール・缶チューハイなどの酒類で一斉に価格が引き上げられるほか、コーヒー飲料で値上げとなり、24年10月以来6カ月ぶりに単月で1千品目を超えた。「加工食品」(659品目)は、ハム・ソーセージ製品や冷凍食品などが多かった。食用油など「原材料」(33品目)を含め、嗜好品や利用頻度の高い飲食料品が主な値上げ対象となった。

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2025年通年の値上げは、9月までの公表分で累計1万1707品目に上り、前年実績(1万2520品目)の9割超の水準に到達するなど、前年に比べて値上げペースが早まった。1回当たり平均値上げ率は15%と、前年(17%)に比べ低下傾向で推移した。食品分野別では冷凍食品やパックごはんを中心とした「加工食品」が最も多い3499品目で、「調味料」(3294品目)、「酒類・飲料」(2089品目)が続いた。飲食料品における値上げの勢いは、前年に比べて大幅に強まっている。

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値上げ要因では、原材料などモノ由来の値上げが多くを占める一方で、人件費や物流費など「サービス」価格上昇の影響を受けた値上げ要因が拡大した。2025年における要因のうち、最も大きいものは「原材料高」(97.8%)となり、要因別の集計を開始した23年以降で最も高い水準となった。トラックドライバーの時間外労働規制などが要因となった輸送コストの上昇分を価格に反映する「物流費」由来の値上げは81.8%を占め、前月調査時(80.9%)から割合がより拡大した。「人件費」由来の値上げも45.1%を占め、前月調査時(43.5%)から拡大した。最低賃金の引き上げのほか、人手不足に伴う昇給・賃上げによるコスト増から、価格改定に踏み切るケースが増え始めた。


今後の見通し:年間の値上げ、4月に前年実績を上回る見通し
2025年の値上げトレンドは、人件費や物流費などサービス由来のコスト増を要因とした値上げで拡大傾向が顕著となった。世界的な供給難や円安による原材料・エネルギー価格が中心だった2024年前半に比べ、トレンド変化が鮮明となっている。前年にみられた急激な為替の変動による値上げは一服傾向にあるものの、天候不順による生育不良や過去の円安による肥料価格の上昇、燃油などのエネルギー、輸送費用といった間接コストが重なり、コメや野菜類をはじめとした国産食材では調達コストの増加が続いている。飲食料品の価格はプラ容器など包装資材を含め、「モノ由来」と「サービス由来」双方の値上げ圧力に晒されており、2025年の値上げ動向は全体的に値上げの動きが低位に抑えられた前年に比べ、少なくとも今夏にかけて断続的な値上げラッシュの発生が見込まれる。


2025年の値上げ品目数は、4月に予定ベースで前年実績(1万2520品目)を上回るとみられる。年間累計では、賃上げによる人件費や物流費といった粘着性の高い値上げ要因が押し上げる形で、最大で年2万品目前後に到達すると予想される。

プレスリリース提供:PR TIMES
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