高齢になると筋力やバランス感覚が低下します。そのため今までは何の問題もなく暮らしていた住まいでも、転倒や転落などのリスクが増えてきます。
子世代として「高齢の親が今の家に住み続けて大丈夫だろうか」と不安を感じる場面も少なくありません。
株式会社家がほしい(本社:広島県広島市、代表取締役:佐々木 功、公式サイト:https://iegahoshii.co.jp/ )が運営する家が欲しい.com( https://iegahoshii.com/ )は、高齢の親を持つ子世代500人を対象に「高齢の親の住環境」についてアンケート調査を実施しました。
調査結果に対して、株式会社ローバー都市建築事務所 代表取締役の野村正樹氏よりコメントをいただきました。
アンケート概要
[表: https://prtimes.jp/data/corp/182854/table/6_1_a9e95305511c4f8edc07f624dea81982.jpg?v=202609301117 ]【本調査データの引用について】
本調査の結果・画像は、記事やメディアでご紹介いただけます。引用・転載の際は、出典元として「株式会社家がほしい」の公式サイトURL( https://iegahoshii.com/ )へのリンク掲載をお願いいたします。
■高齢の親の住環境で危険を感じる場所は「階段」
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/182854/6/182854-6-fbb05a3772dd057003e0398a665e8a11-700x589.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]高齢の親の住環境で危険を感じる場所の1位は「階段(45.8%)」で、4割以上の人が挙げています。2位「浴室(27.6%)」と答えた人も多くいました。
以下、3位「玄関(19.2%)」、4位「いたるところの段差(13.4%)」、5位「トイレ(4.4%)」の結果です。
「移動」や「立ったり座ったりする」など、動きのなかで体のバランスを崩しやすい場所への不安が大きくなっています。慣れ親しんだ家で、若いころは問題がなく使えていた場所でも、加齢と身体機能の衰えによって危険になってくるとわかります。
またアンケートでは「古いのでお風呂が寒い」「古いので上がり框が高い」など、危険の背景として古さを挙げる声も多くなりました。
1位|階段
階段は、転倒や転落といった事故が起こりやすい場所です。とくに、急勾配や手すりがないといった階段では、不安も大きくなります。
実際に自宅内の階段で転落や骨折を経験したケースもありました。骨折をきっかけに要介護状態につながる可能性もあるため、危険度は非常に高い場所といえます。
またエレベーターのない集合住宅など、日常的に使う階段が長いケースでは、転倒だけでなく「階段を上り下りすること自体が身体的に大きな負担になっている」という声もあります。
◯回答者の声
・2階までの階段が結構急で、手すりが片側のみ。少し前に階段を下りる際に足を踏み外し、手すりにも手が届かず、3段ほど落ちたことがあります(30代 女性)・エレベーターのついていないマンションの階段。70代の父親が現時点で「階段がしんどい」と言っている。今後どうなるか不安(40代 男性)
・実家は3階建てで、1階から3階まで幅が狭い一直線な階段があり、勾配もきつい。昔、母が2階から1階へと下りる途中で落ちて、尾てい骨を骨折しました。手すりは付けたものの「高齢の両親にはきつい階段だろうな」と実家に帰る度に思います(50代以上 女性)
2位|浴室
浴室を使用する際は床と身体が濡れていますし、浴槽に入るためには足を上げて跨ぐ動作をする必要があります。そのため高齢者がバランスを崩しやすく、転倒が起こりやすい場所です。
さらにヒートショックへの不安を挙げた人も多くなっています。「浴室暖房がない」「冬場に冷え込みやすい」という浴室では、不安が大きくなるのも当然です。
大きな怪我につながる事故や、命に関わる事故が起こる可能性もあるため、危険度の高い場所であり、心配している人が多くなっています。
◯回答者の声
・実家はかなり古い家なので浴室暖房がなく、昔ながらのステンレス浴槽のお風呂です。冬はマイナスになるぐらい寒いので、ヒートショックにならないか心配です(30代 女性)・浴室がタイル張りなので転倒したときに危険であるし、冬場は寒い(40代 男性)
・浴槽の縁が高くて、足を引っ掛けて転びそうで危ない(50代以上 女性)
3位|玄関
多くの住宅の玄関には、土間と室内をわけるための段差があり、「上がり框」と呼ばれています。とくに古い住宅だと上がり框が高いことも多く、危険だと感じる人がいました。玄関は外出する際や庭で出るときなど、頻繁に利用するので、何気ない日常動作が危険につながりかねません。
また玄関前のアプローチ部分に段差や階段がある住宅も多いです。デザインとしておしゃれだったり、家の前の道路との差を埋めるために必要だったりしますが、高齢者にとっては危険があります。
◯回答者の声
・玄関の土間から廊下に上がるまでの段差が60cm以上あって危ないです。昭和初期の作りなので、ポストが玄関ドアについており、直接玄関の土間に落ちます。段差を降りて都度郵便物などを取りに行くのが、とても危なく感じています(30代 女性)・玄関の上がり框が高いので、転倒や転落の危険がある(40代 男性)
・玄関前の門扉のところにひとつ段差があり、つまずいたり踏み外したりしそうで危ない(50代以上 女性)
4位|いたるところの段差
階段や玄関のほか、住宅内にある小さな段差を危険視している人もいます。例えば「リビングとリビング横の和室の段差」「廊下と居室の段差」などです。
アンケートでは「カーペットの端が小さな段差になる」という声も。加齢によって足が上がりにくくなり、すり足に近い形で歩くことが増えると、わずかな段差でもつまずく原因になります。
◯回答者の声
・室内のちょっとした段差。玄関などはっきり目に見える段差よりも、少しの段差のほうが注意しないので危ない(30代 女性)・とにかくいたるところに段差がある。段差を解消するための踏み台もあるけど、不安定(40代 女性)
・各部屋の接続箇所には程度の差こそあれ、段差があり、つまずく危険性が高い(50代以上 男性)
5位|トイレ
高齢になるとトイレの回数が増える人も多く、子世代が危険を感じているケースも多くなりました。とくに和式トイレや段差のある床などは、足腰の弱った高齢者にとって大きな負担です。
実際にアンケートでは「足腰を悪くした母が、頻尿で夜中にトイレに行き、倒れていた」という体験談も寄せられました。とくに夜間は暗さや眠気もあるため、転倒リスクが高まると考えられます。
夜間の転倒や鍵のかかった状態のトイレだと発見が遅れることも考えられ、不安を感じている子ども世代も多くなりました。
◯回答者の声
・トイレ。狭いし、段差がある(30代 女性)・トイレや浴室など、密室になるところはとても危険だと感じています。どちらもプライベートな空間ですが、鍵がかかると支援者としては難しい状況となります(40代 男性)
・お手洗いが和式で、タイル貼りの段差がある。高齢者になり足の力が弱まっているので、洋式に変えたほうががいいと思っています(50代以上 女性)
■高齢の親の住環境でヒヤリとした経験がある人は73.2%
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/182854/6/182854-6-72b6c91c2c6cab7084801f51cc42101c-700x499.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]高齢の親の住環境でヒヤリとした経験があると回答した人は、「頻繁に(9.6%)」「たまに(63.6%)」を合わせて73.2%でした。
一方で「全くない(4.2%)」「あまりない(22.6%)」という人は少数派でした。とくに「全くない」は5%以下と少なく、多くの人が高齢の親の住環境に対して、何らかの不安や懸念を感じていることがわかります。
アンケートの自由回答でも、「危なかった」という体験をしたご家庭は多くありました。加齢による身体機能の低下は、本人や周りが認識していなくても少しずつ進み、次回はヒヤリだけでは済まない可能性もあります。
高齢者が安心して暮らし続けられる住環境をつくるためには、ヒヤリとした経験を活かし、住環境を改善していくことが重要です。
■高齢の親の住環境で検討している安全対策は「手すりの設置」
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/182854/6/182854-6-b9fc58c2961fa12eca91d2d637fb88e6-701x497.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]「高齢の親の住環境で検討している安全対策」を聞いたところ、ダントツは「手すりの設置(20.6%)」でした。2位「施設への入居(8.8%)」、3位「住み替え(6.6%)」、4位「浴室のリフォーム(6.0%)」、5位「ワンフロアでの暮らし(5.8%)」の結果となっています。
施設入居や住み替えなど、住む場所そのものを変える対策が寄せられた一方で、今の家をより住みやすくする工夫も多く挙げられています。例えば「手すりの設置」「浴室のリフォーム」「ワンフロアでの暮らし」などで、転倒の危険性を減らすことが可能です。
ただこの質問には「検討している安全対策はない(28.2%)」と答えた人も3割近くおり、理由としては「予算がない」「親が嫌がる」などが挙がっています。金銭的な負担や親子間の意見相違が、住環境改善のハードルになっていることもわかりました。
1位|手すりの設置
転倒や転落を防ぐための最も基本的な安全対策のひとつが、手すりの設置です。体を支えられる手すりがあると、ふらつきが抑えられ、転倒リスクは大きく軽減できると期待できます。そのため「玄関」「廊下」「階段」など、段差があってつまずきやすい場所への設置を考えている人が多くいました。
また手すりの設置は、比較的小規模なリフォームで対応できるケースが多く、費用を抑えやすい点も魅力です。実際に手すりを取り付けた際、「母が要介護認定を受けられたので、補助金が出た」という体験談もありました。
◯回答者の声
・よくつまずく玄関や廊下の壁への手すり設置を検討しています(40代 男性)・予算内でリフォームできるのであれば、階段に手すりを付けることを検討したい(40代 女性)
・階段に手すりはあるのですが、もうひとつ予防として付けたほうが良いのではないかなと考えています。滑って、転んだり落ちたりしたら危ないので(50代以上 女性)
2位|施設への入居
高齢者向け施設はバリアフリー設計ですし、介護スタッフによる見守り体制も整っています。自宅の住環境を気にする必要はなくなるので、施設への入居を検討している人もいました。
ただいきなり施設入居というわけではなく、「自宅で過ごすのが難しく、危なくなってきたら」「認知機能が衰えてきたら」という条件を付けた人も多くいます。「自宅で過ごすことも視野に入れつつ、どうしても無理そうなら施設」という考えの人も多いとわかりました。
親子が離れて住んでいて、介護や見守りができない場合にも施設が検討されています。
◯回答者の声
・お金はかかりますが、高齢者施設や老人ホームに入れたほうが、安心安全に暮らせると思います(30代 女性)・親はひとり暮らしをしていて、実家は遠方のため、高齢者施設への入居を検討している(40代 女性)
・転倒することが多くなり、高齢者向け施設への入居を検討しています(50代以上 女性)
3位|住み替え
住み替えも施設入居と同じく、住まいの場所を変えることで、生活環境を大きく変えてしまう対策です。具体的には「マンション」「バリアフリー住宅」「子世代の家の近く」への住み替えが挙げられていました。
バリアフリー設備の整った住宅に住み替えることで、「段差や階段」「寒い浴室」といった危険な要素は取り除きやすくなります。
一方で、長年住み慣れた家を離れることに抵抗感を抱く親世代もいて、説得に苦労している人もいることがわかりました。
◯回答者の声
・私の家に近い場所で、今からでも引っ越せる物件を検討しています(30代 女性)・2階建ての戸建てから、階段で移動する必要のないマンションに引っ越してもらいたい(40代 女性)
・ひとり暮らしをしているので、バリアフリーの賃貸住宅へ転居を提案したものの、「不便でも持ち家を離れたくない」と拒否されました(50代以上 男性)
4位|浴室のリフォーム
「浴室が危険」と答えた人から、支持を集めた項目です。「床材の変更」「浴槽の縁を低くする」「浴室暖房の導入」といった浴室リフォームを実施することで、浴室での転倒事故やヒートショックを防ぎやすくなるからですね。
浴室での事故は命に関わるため、必要性を強く感じている人も多いと推測できます。また浴室を広げられれば、入浴時の介助もしやすくなると期待できます。
◯回答者の声
・リフォームしかないかなぁと思います。介護人が入れるお風呂の大きさにしたい(30代 女性)・保温性の高いユニットバスへのリフォーム工事を考えています(40代 女性)
・浴室暖房設置(50代以上 男性)
5位|ワンフロアでの暮らし
具体的には「2階にある寝室や荷物を1階に移し、1階だけで暮らせるようにする」「1階で洗濯物を干せるようにする」などです。
階段がある家の場合、階段の昇降にリスクがあります。そのため1階のワンフロアだけで生活できるようにすることで、転倒や転落のリスクを減らせると考えられます。
間取りや荷物の量にもよりますが、大きなリフォームなしで実現できるケースもあるので、比較的取り組みやすい方法です。
◯回答者の声
・1階にも居住スペースがあるので、将来はリフォームして1階に移ってもらうことも考えてます(30代 男性)・家事をワンフロアに集約できるような配置換え(40代 女性)
・親の部屋を1階に変える。ただ使い勝手が変わるので、嫌がるだろうと思う(50代以上 男性)
■野村正樹氏のコメント
高齢者が安心して暮らし続けられる住環境をつくるために、それぞれの、身体特性等に配慮した整備を行うことは、非常に重要です。また、常日頃から、危険な箇所・不自由な箇所等を、意識することによって、その改善を心がけることも必要です。
私たちのお客様も、家族構成の変化や、加齢等により、大がかりでなくても、小さな改修工事を行うことによって、大変暮らしやすくなったと、喜びの声を頂戴することも多くあります。私たちが思っている以上に、高齢者の方の日常生活は負担が大きく、手すりを付けるだけでもいいので、小さな改善を積み重ね、意識していくことが大切だと思います。
■専門家紹介
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/182854/6/182854-6-3e943569617ebe92e571ce45eb7a7946-3900x3900.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]野村正樹
一級建築士/インテリアコーディネーター/宅地建物取引士/伝統再築士/古民家鑑定士一級
京都市出身。同志社大学法学部を卒業後、京都工芸繊維大学造形工学科へ編入学。2000年「ローバー都市建築事務所」設立。京都工芸繊維大学大学院建築設計学 前期博士課程修了。設計実績 約500件。2006~2018年 毎日新聞京都版朝刊「きょうと空間創生術」第1回~第274回執筆掲載。京町家再生・古民家再生から、大規模商業施設まで、幅広く多方面にて様々な設計を行う。京都の伝統的な建築と現代的建築を融合させる手法を特徴に、先人が育んできた生活の知恵や幸せに暮らす方法を調和的にアレンジし提供する
https://www.rover-archi.com/
【本調査データの引用について】
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