神石高原の「学び」が世界へ――三和小の味噌、油木小の米から生まれた募金、そして三和中へ

「願う平和から行動する平和へ」10月8日、なかよし学園が三和小で講演。地域の日常の学びを世界の教育・支援につなぐ「世界とつながる学び」が神石高原で次のステージへ



特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(所在地:千葉県松戸市、代表:中村雄一)は、2026年10月8日、広島県神石高原町立三和小学校において「世界とつながる学び」講演会を実施しました。
今回のテーマは、「願う平和から行動する平和へ!」。
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三和小学校で講演を行う中村雄一代表

三和小学校となかよし学園の取り組みは、今回が始まりではありません。
これまで、児童たちがつくったポストカードがルワンダへ渡り、風鈴やうちわなどの「お祭り教材」が戦禍のカンボジアで避難生活を送る人々のもとへ届けられ、さらに児童が制作した石けんはネパールで子どもたちの命と健康を守るWASH教育の教材として活用されてきました。
そして今回、新たに世界へ向かおうとしているのが、三和小学校4年生の「味噌づくり」の学びです。
4年生の授業に参加したなかよし学園は彼らの考える探究にアドバイスを加え、より現実的な支援活動へブラッシュアップさせました。
同じ神石高原町の油木小学校からは、児童が栽培したお米を活用した販売によって生まれた募金と、「世界の子どもたちへ文房具などを届けてほしい」という思いがなかよし学園へ託されました。
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油木小学校から託された文房具と、文房具を届けるための募金

今後は、神石高原町立三和中学校でも「世界とつながる学び」を展開していく予定です。
小学校の教室で生まれた学びが世界へ渡り、その経験が次の学年、次の学校へと広がっていく。神石高原で今、「地域で学ぶこと」と「世界を変えること」を分けない教育が始まっています。

■「正解」を教えるのではなく、世界を前に自分で考える
10月8日に三和小学校で行われた講演で、中村雄一代表が子どもたちに提示したのは、覚えれば答えられる問題ではありませんでした。
「もしも今、戦場の子どもたちに何か大切なものを届けるとしたら、あなたは何で笑顔を作りますか?」
「みなさんは、どんな料理で笑顔を作りますか?」
「戦争が起こったら自分はどうする?」
「戦争を止めるにはどうすればいい?」

講演は、「答えのない問題を一緒に考える」ことから進められました。なかよし学園が世界各地で実際に出会ってきた子どもたちや家族、戦争や貧困の中で暮らす人々の姿を紹介しながら、中村は「かわいそうな人がいる」と教えるのではなく、
「その人たちと出会ったとき、自分なら何ができるだろう」
と児童一人ひとりに問いかけました。
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答えのない問題を一緒に考えるディスカッションの時間
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児童たちは世界の現場の話を聞く
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自分たちの石けんが世界に届いた

世界には、教科書の最後に「正解」が書かれていない問題がたくさんあります。
講演では、
「みんなの未来に待ち受けるのは“未知”です」
「誰も答えを出せない時代に必要なのは“自分で考えること”です」
というメッセージも伝えられました。

戦争、貧困、災害、気候変動、教育格差。

世界の課題を「誰かが解決してくれる問題」として見るのではなく、自分が持っている知識、経験、好きなこと、地域にあるものを使って何ができるかを考える。そこからこの「世界とつながる学び」プロジェクトは始まります。
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児童の中にはなかよし学園中村里英事務局長にディスカッションを求める子も

■今度は、4年生がつくる「味噌」が世界へ
今回、三和小学校から新たなプロジェクトとして世界へつないでいくのが、4年生が取り組む味噌づくりです。味噌づくりは、三和小の子どもたちにとって身近な学習活動です。しかし、「世界とつながる学び」では、それを学校の中だけで完結させません。自分たちが学んだこと、自分たちがつくったものを、「世界の誰かのために使えないだろうか」という問いへつなげます。
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4年生と行なった探究授業の様子。4年生が考えたアイデアを「実装可能」なものにブラッシュアップする

日本の発酵食品である味噌には、食文化、地域の暮らし、保存の知恵、食を通したコミュニケーションなど、多くの学びがあります。今後、なかよし学園は4年生の味噌づくりの学びを受け取り、海外で活動する学校や地域の人々とつなぐ方法を児童・教職員とともに考えていきます。

ただ「味噌を外国へ送る」ことが目的なのではありません。日本の子どもたちが、
「なぜ私たちは味噌をつくるのか」
「外国の人はどんな食事をしているのか」
「自分たちの食文化をどう伝えればいいのか」
「食べることで、人と人はつながることができるのか」
と考える。
そして世界の人々にも、その土地の食文化や暮らしがあります。日本から何かを「教える」のではなく、互いの食と暮らしを知り、教え合う。味噌という一つの身近な学びが、世界との対話の入口になります。
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三和小の4年生から、たくさんのアイデアと質問を聞くなかよし学園中村雄一・中村里英。

■ポストカード、祭り、石けん。そして味噌へ――三和小の学びは「世界で使われる」
三和小学校の子どもたちは、すでにこの循環を何度も経験しています。2025年度から「世界とつながる学び」プロジェクトに取り組んでいる同校では、児童がつくったポストカードがルワンダへ渡り、現地の子どもたちとの交流につながりました。
また、風鈴やうちわなどの「お祭り」をテーマにした教材は、カンボジアの避難民支援現場へ。戦争によって日常を奪われた人々にとって、祭りは単なる遊びではありません。季節を感じること、誰かと笑うこと、一緒にものをつくることは、避難生活の中で失われやすい「日常」を取り戻す時間にもなりました。
さらに2026年6月には、三和小学校の児童が制作した石けんがネパールへ渡りました。
現地では単に石けんを配るのではなく、「なぜ手を洗うのか」「石けんを使うことが自分や友達の健康をどう守るのか」を学ぶWASH教育の教材として活用されました。
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ルワンダに届いた三和小のポストカード
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カンボジアに届いた風鈴
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ネパールに届いた石けん

自分が学校でつくったものが、本当に世界の誰かの手に渡る。そして、それを使って誰かが学び、笑い、その様子が再び三和小へ戻ってくる。講演で掲げられた、「三和小の学びが、世界の学びを応援する!」という言葉は、理想ではなく、すでに子どもたち自身が実現していることなのです。
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校長先生も一緒にディスカッションを行う

■油木小では「お米」が、今度は文房具に変わって世界へ
神石高原町では、三和小学校だけでなく、油木小学校でも「世界とつながる学び」が進められてきました。
油木小学校の児童が育てたお米は、これまでなかよし学園を通して、カンボジアの避難民支援へ届けられました。現地では炊き出しとして提供するだけでなく、おにぎりづくりなどを通した日本文化・食育の学びにも活用され、神石高原で育った米が、戦争によって避難生活を送る人々の「食」と「学び」の双方を支えました。
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全国から集まったお米と共に炊き出しに活用された三和小のお米
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カンボジアでは珍しいおにぎりを握る
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難民の子どもたちに振る舞われたおにぎり

そして今回、さらに新しい動きが生まれています。油木小学校の児童が栽培したお米を活用した販売によって生まれた募金が、なかよし学園に託されました。そこには、「このお金で、世界の子どもたちに文房具などを届けてほしい」という児童たちの思いがあります。
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油木小学校の児童たちが作成、集めた文房具と、お米を販売して募った募金

お米を育てる。そのお米が誰かの手に渡る。そこで生まれたお金が、今度はノートや鉛筆など、別の子どもの「学ぶ道具」に変わる。一つの地域学習が、形を変えながら世界の教育へつながっていきます。
これは、大人から渡された寄付金を児童が届ける活動とは異なります。

自分たちが手を動かして育てたものから生まれた価値を、もう一度「誰かのために使う」と子どもたち自身が決めている。

そこに、この取り組みの大きな教育的意味があります。

■「支援する」だけでは終わらない。世界から学びが還ってくる
なかよし学園が全国の学校で展開する「世界とつながる学び」の中核にあるのが、CoRe Loop(Co-create & Return Loop)です。
日本の学校で世界について学ぶ。自分たちの知識、地域資源、得意なことを使って何かをつくる。それを世界の教育現場へ届ける。現地の子どもたちが使い、考え、新しい言葉や作品、知恵を加える。そして、その経験がもう一度日本の教室へ返ってくる。
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なかよし学園のCoRe Loopモデル

「送って終わり」にしないことで、支援する側と支援される側を固定せず、互いが教える側にも学ぶ側にもなる教育をつくります。
なかよし学園がこれまで活動してきた世界の現場では、物が不足していても、日本の子どもたちが持っていない経験や知恵を持つ人々がたくさんいます。
・戦争を経験した子どもには、平和について教えられることがある。
・災害を経験した地域には、命を守る知恵がある。
異なる文化の中で生きる子どもには、日本の子どもたちが知らない世界があります。だからこそ、「日本から世界へ」だけではありません。神石高原から世界へ。そして世界から神石高原へ。
この往還によって、世界を「助ける対象」ではなく、「一緒に未来をつくる仲間」として捉える学びへ変えていきます。
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三和小学校に設置された「なかよし学園コーナー」。児童たちは世界を身近に感じるようになった。

■そして三和中学校へ――小学校で芽生えた「世界とのつながり」を次の学びへ
神石高原での取り組みは、さらに広がろうとしています。今後、神石高原町立三和中学校でも「世界とつながる学び」を実施していく予定です。
小学生のときに世界の現実を知り、自分たちの作品や地域資源を届ける。そして中学生になったら、その経験をさらに深め、
「なぜ戦争は起こるのか」
「貧困や教育格差はなぜなくならないのか」
「自分たちの地域にはどんな力があるのか」
「自分の知識や技術を、社会の中でどう使えるのか」
と考えていく。

小学校での体験を一度きりの「良い思い出」で終わらせず、中学校での探究へつなげることで、地域における平和・国際理解教育の学びはさらに深まります。
三和小、油木小、そして三和中。学校ごとに同じ教材を使う必要はありません。
味噌でもいい。
米でもいい。
文房具でもいい。
工作でも、英語でも、音楽でもいい。
重要なのは、「自分が今学んでいることには、世界の誰かとつながる力がある」と子ども自身が気づくことです。
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この日、三和中学校から教頭先生が「世界とつながる学び」の視察に。

■全国50校超・世界11カ国へ――評価された「普通の教室から始まる平和」
なかよし学園の「世界とつながる学び」は現在、全国50校超と世界11カ国をつなぐ教育活動へ発展しています。
2026年10月12日には、「EXPO FUTURES AWARD 2026」において、「世界の子どもが未来を共創する。いのち響き合う平和教育モデル」が「平和と人権」部門グランプリとなるテーマ特別賞(グランプリ)を受賞しました。


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大阪万博EXPOから「平和と人権」で賞を授与されたなかよし学園

大阪万博から評価されたのは、特別な人だけが国際協力をする仕組みではありません。日本の普通の教室で、子どもが絵を描く。石けんをつくる。米を育てる。味噌をつくる。英語を覚える。地域について調べる。その「いつもの学び」を世界の誰かと共有し、世界から新しい学びを受け取る。その循環です。
神石高原の取り組みは、まさにそのモデルを地域の学校現場で積み重ねてきた実践の一つです。
■なかよし学園プロジェクト代表・中村雄一 コメント
神石高原の子どもたちを見ていると、『平和のために何か特別なことをしなければならない』という考えそのものが変わっていきます。
三和小の子どもたちは、ポストカードをつくり、祭りを考え、石けんをつくりました。それがルワンダ、カンボジア、ネパールで本当に誰かの学びや笑顔につながった。そして今度は、4年生が一生懸命学んでいる味噌づくりが世界へ向かおうとしています。
油木小の子どもたちも、自分たちが育てたお米を世界につなぎ、今度はそこから生まれた募金で『文房具を届けてほしい』と託してくれました。
僕は、これこそ教育だと思っています。
『平和にしましょう』と言われたから何かをするのではない。自分が勉強していること、自分が好きなこと、自分たちの町にあるものを見つめて、『これなら誰かの役に立てるかもしれない』と自分で考える。

そして本当に届けてみる。

世界から笑顔や言葉が返ってきた時、子どもたちは『自分にも世界を変える力がある』と知ります。
これから三和中学校にもこの学びがつながっていきます。
小学生だからできること、中学生だから考えられること、大人だからできること。それぞれ違っていい。誰もが、自分の持っているもので平和をつくれる。
神石高原の子どもたちと一緒に、そのことを世界に証明していきたいと思います。」
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なかよし学園は神石高原町の先生方と共に、グローバルリーダーを育てる教育を実践している

■今後の展開
なかよし学園プロジェクトは、三和小学校4年生の味噌づくりについて、児童の学びや思いも含めて海外の教育現場へつなぐ方法を学校とともに検討していきます。
また、油木小学校から託された募金については、児童たちの「世界の子どもたちの学びに役立ててほしい」という思いを受け、文房具等の教育支援につなげていく予定です。
さらに三和中学校とも「世界とつながる学び」の実施に向けた取り組みを進め、小学校から中学校へ、地域で積み重ねた学びが世界との継続的な交流へ発展する教育モデルを構築していきます。
世界へ届けた後には、現地でどのように使われ、どんな反応や学びが生まれたのかを神石高原の子どもたちへ再び届けます。

届けて終わらない。世界から還ってきた学びを、次の行動へ。

その循環を、これからも神石高原の子どもたちとともにつくっていきます。
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児童全員で歌ったカンボジアのPEACE SONG「アラピヤ」。神石高原の子どもたちが世界に平和を作る。

■「世界とつながる学び」について
「世界とつながる学び」は、なかよし学園プロジェクトが日本全国の学校と海外の教育・支援現場をつなぐ往還型の教育プログラムです。
児童・生徒が日常の授業や探究活動で得た知識、制作した教材、地域資源、アイデアを海外へ届け、現地で活用。そこで生まれた反応、作品、知恵、メッセージを再び日本の教室へ戻し、次の学びにつなげます。
この循環を「CoRe Loop(Co-create & Return Loop)」として、支援する側/される側を固定せず、双方が教え合い、学び合い、未来を共創する教育を目指しています。

世界とつながる学びプロジェクト公式ウェブサイト
https://nakayoshigakuen.org/coreloop
■団体概要
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト
代表:中村 雄一
所在地:千葉県松戸市
事業内容:国内外における教育支援、平和教育、探究学習、国際教育協働、「世界とつながる学び」等

■本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org
写真素材・取材対応が可能です。
掲載時の写真クレジット:(C)なかよし学園プロジェクト

プレスリリース提供:PR TIMES
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