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【NEE2013】米国、そして世界で急速に進む教育のオープン化

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マサチューセッツ工科大学 言語学教授 MIT OCW教育諮問委員会委員長の宮川繁氏
  • マサチューセッツ工科大学 言語学教授 MIT OCW教育諮問委員会委員長の宮川繁氏
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  • MIT OPEN COURSEWARE
 “未来の教育を考える”教育関係者向けセミナー&展示会「New Education Expo 2013」(NEE)が6月6日から8日まで、東京ファッションタウンビル(江東区有明)にて開催された。約50のセミナーは、大学改革、教育の情報化、タブレット端末や電子黒板を使った未来の教育環境など、さまざまなテーマで開催された。

 そのうちの一つ「米国、そして世界で急速に進む教育のオープン化」と題したセミナーでは、マサチューセッツ工科大学(MIT)言語学教授 MIT OCW教育諮問委員会委員長の宮川繁氏が登壇し、最近日本でも話題になっているOCW(オープンコースウェア)の現状を報告した。

◆世界46か国、250機関、2万2,000科目の大学教材が無料公開

 OCWとは、MITが2000年に開発し2001年に本格スタートしたもので、大学の講義に使われている教材をすべて無料でインターネット上に公開し、登録なしで誰でも自由に閲覧できるというもの。プロジェクト発足5年後には、MITのほぼすべての講義が公開され、現在、2,100タイトルが公開されている。

 ユニークユーザー数は1億で、月120万人のユニークユーザーがアクセスし、その数は年々増えているという。地域別でユーザー数がもっとも多いのが北米44.3%、次にアジア19.6%、以下ロシア~ヨーロッパ16.9%、インド8.9%、中近東4.4%、南米4.4%。アフリカはインターネット環境がまだ整っていないため1.5%となっているが、大学内のイントラネットを利用してオープン化を進めているそうだ。

 OCWは他大学にも広がり、いまや世界46か国、250機関、2万2,000科目が公開されている。日本でも東京大学・京都大学・早稲田大学・慶應義塾大学など22大学が約3,000の講座を公開している。

 MITがOCWをスタートした当時は、米国は.comバブルの時期にあたり、eラーニングコンテンツによるオンラインビジネスに参入する大学も多かった。MITはいわば後発にあたるわけだが、それらの大学にヒアリングをしたところ、eラーニングをビジネスとして成り立たせるのは困難だということがわかったという。

 一方で、MITの教授たちの多くが、それぞれに自分の使った教材をインターネットに無料で公開していることがわかった。この教員たちになぜ無料で教材を公開するのか尋ねたところ、広く学生の声を聞いて、よりよい教材を作るための実験的な試みであり、これでビジネスをしようとしている教員は一人もいなかった。これらの事前リサーチの結果から、教員が作った教材でビジネスをするという発想を捨て、すべてのコンテンツを無料で公開するというOCWの構想がスタートしたという。

◆教育のオープン化は、授業の質の向上にもつながる

 MIT内のOCW利用者の内訳は、90%が現役の学生、84%が教員。以下、卒業生が50%。また、新入生のうち入学前からOCWを知っていた人の35%が、OCWの存在が志望動機の一つになったと答えている。

 教員の閲覧率が高いのは、「自分の教材の確認という目的もあるが、他の教員の授業を見ていることも要因だ」と宮川教授。「これは大変画期的なこと。従来は、教授間で他の教授の授業を見る機会がなかったが、OCWのおかげで何万ものティーチングモデルを見ることができ、互いに切磋琢磨することが可能になる」。教育のオープン化は、大学の授業の質の向上にもつながっていく。

 OCWを普及させるうえでネックとなるのは著作権の問題だ。現状では、OCWで公開する教材に引用されている著作物や画像は、美術館など、著作権所有者1件1件と契約を結んだうえで使用している。また、現在MITのOCWで公開されている教材は、すべてクリエイティブ・コモンズライセンスで提供しているので、学習者は、すべてのコンテンツを自由にダウンロード、コピー、改変でき、自分のレポートに引用することができる。
《石井栄子》

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