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広尾学園のデジタルファブリケーションラボ始動、生徒がものづくり技術を体験

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広尾学園 Projcet ABBA
  • 広尾学園 Projcet ABBA
  • ワークショップのプログラム
  • 3Dプリンタの出力サンプルと仕上げの工具
  • モデリング用のPCとプリンタ
  • ケイズデザインラボの取り組み例
  • ケイズデザインラボの関わった製品や作品
  • ケイズデザインラボ 代表取締役CEO 原雄司氏
  • 彫刻作品を3Dプリンタで出力するアーティストも増えている
 広尾学園は、PC、スキャナー、3Dプリンターなどを活用したデジタルファブリケーションラボを立ち上げるため、Project ABBA(Atom to Bit/Bit to Atom)というプロジェクトを始動。7月26日にプロジェクトの第一弾として、同学園の生徒が3Dツールの体験ワークショップを実施した。

◆広尾学園独自のSTEM教育を目指す

 Project ABBAの構想は、広尾学園の金子暁教務開発統括部長・教諭が、生徒たちが最先端のものづくり環境に触れる機会と、授業に役立つラボを作るため、渋谷にあるケイズデザインラボに相談したことがきっかけで始まったという。

 次世代のものづくりというキーワードでは、科学技術と理数教育に重点をおいた「STEM教育」、多様な工作機器を備えることでものづくり環境を整える「FabLab(ファブラボ)」などが存在する。広尾学園では、これらの取組みを意識しつつも学園独自の教育に繋げたいとして、新たな挑戦を行うという。

 このプロジェクトでは、各学年のICT委員を中心に、ワークショップや文化祭での活用、授業で学んだことの発展的な活用を考えていると金子氏は話す。今回のワークショップは、Projcet ABBAの最初の本格的な活動として実施され、運営を担う中学生のICT委員が参加した。

 開催場所は、ケイズデザインラボの渋谷オフィスにある工房内。講師は同社の代表取締役CEO 原雄司氏が担当し、まず3Dプリンターとはどういった機器なのかを最新事例や動向などを交えながら紹介した。その後、3Dスキャナーやモデリングソフト、3Dプリンターなどを体験するプログラムが組まれた。

◆3Dプリンターの活用方法と事例に驚く生徒たち

 講師の原氏は、自社の活動や取組みを事例として紹介しながら、3Dスキャナーや3Dプリンターの機能や利用方法について解説することから始めた。同社のラボに設置されている3Dスキャナーはドイツのメーカーが作ったもので、人体などの大きなものでもスキャンできることが特徴だ。

 このスキャナーでは、音楽グループをスキャンし、プロモーション用の実物大フィギュアモデルを作ったことや、スキージャンプのフォームのシミュレーションを行うため、選手をスキャンした上で飛行中の空気の流れを解析するために使われたこともあるという。また、新型車と同じラジコンモデルを作るために3Dスキャナーや3Dプリンターが活用された事例や、文化財の保護や研究のため仏像などの精密な複製を作る事例、精巧な顔や表情を持つアンドロイド開発に利用されている事例、医療用の人工骨、人工臓器、ギプスを作る例などが紹介された。

 そのほか、プラスチックや樹脂以外の素材もプリントできる金属プリンターやフードプリンターなども紹介された。金属プリンターでは、腕時計のハウジングなどを設計・製造した例、フードプリンターではチョコレートやキャンディーの例が紹介された。人によって必要な栄養素を調整したカスタムメイドの機能食を作ることもできるという。

 参加した多くの生徒は、3Dプリンター活用例の幅広さだけでなく、身近なところで利用されていることに驚いていた。

◆次世代ものづくりの要はモデリングデータ

 これらの最先端事例において重要なのはモデリングデータだと原氏は説明、近年は彫刻家など芸術家が3Dプリンターで作品作りをすることも増えていると話す。作品をモデリングデータとして作ることで、海外で個展を開くときにデータだけを現地に送り、出力を現地のプリンターで行うことも可能になる。造形をデジタル化し、そのデータで形を作る、これがABBA(Atom to Bit/Bit to Atom)の意味であり、ラボのコンセプトでもあるという。
《中尾真二》

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