愛知県「学校ホリデー」子供や保護者に満足感…教職員の有休促進も

 愛知県教育委員会は2024年3月5日、2023年度から公立学校に導入した「県民の日学校ホリデー(学校休業日)」の取組状況を公表した。全54市町村の公立学校と全県立学校で実施され、子供や保護者の満足感とともに、教職員の有給休暇取得の促進にもつながったという。

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2023年度「県民の日学校ホリデー」 実施校数
  • 2023年度「県民の日学校ホリデー」 実施校数
  • 「あいち県民の日」「あいちウィーク」「県民の日学校ホリデー」を知っていたか
  • 「あいち県民の日」「あいちウィーク」「県民の日学校ホリデー」の賛否
  • 「あいちウィーク」「県民の日学校ホリデー」の休みの取得状況
  • 「あいちウィーク」「県民の日学校ホリデー」に休みを取らなかった理由
  • 「県民の日学校ホリデー」で親が休みを取らなかった子供の過ごし方

 愛知県教育委員会は2024年3月5日、2023年度から公立学校に導入した「県民の日学校ホリデー(学校休業日)」の取組状況を公表した。全54市町村の公立学校と全県立学校で実施され、子供や保護者の満足感とともに、教職員の有給休暇取得の促進にもつながったという。

 愛知県は、県政150周年を迎えた2022年に「あいち県民の日」(11月27日)を制定。2023年からは、「あいち県民の日」を含む直前1週間(11月21日~27日)を「あいちウィーク」と定めたほか、ウィーク期間中の1日を県内の学校や市町村が「県民の日学校ホリデー」に指定し、休業日とする取組みもスタートした。

 愛知県教育委員会によると、「県民の日学校ホリデー」は全54市町村の公立学校と全県立学校の計1,609園校で実施された。多くの市町村教育委員会では、3連休または4連休となるように「学校ホリデー」を設定し、愛知県独自の連休を作って対応した。

 54市町村教育委員会、生徒1万9,993人、保護者1万8,634人、教職員3,336人を対象に実施したアンケート調査結果によると、保護者からは「自営業で土日は仕事だったが、学校ホリデーのおかげで、久しぶりに子供と遊びに行くことができた」、子供からは「家族とのふれあいが増えた」「ゆとりが増えた」など前向きな回答が多く寄せられたという。

 公立小中学校では、学校閉庁日とすることで、教職員の積極的な有給休暇取得を促すことができ、「学校ホリデー」を含む「あいちウィーク」でほとんどの教職員が有給休暇を取得。県立の高校や特別支援学校でも「学校ホリデー」を含む「あいちウィーク」に多くの教職員が有給休暇を取得した。「休みを取りやすくなった」「生徒のゆとりが増えた」と効果を実感する声もあり、教職員の有給休暇取得が促進されたという。

 愛知県が2023年12月22日~25日、18歳以上の県民2,200人を対象に実施した意識調査結果によると、認知度は「あいち県民の日」72.1%、「あいちウィーク」50.5%、「学校ホリデー」52.7%。「学校ホリデー」対象年齢の子供がいる人に限ると、認知度は「あいち県民の日」83.6%、「あいちウィーク」68.5%、「学校ホリデー」73.4%と、さらに上昇した。

 「あいちウィーク」の中の1日を「学校ホリデー」として休み方改革を促す日本初の試みについては、全体で35.5%が「良いことだと思う」と回答。対象年齢の子供がいる人で「良いことだと思う」と回答した人は49.1%と、半数を占めた。

 「学校ホリデー」を知っていて、仕事をもつ人のうち、ホリデーにあわせて休みを取った人は、小学生の子供をもつ人で45.3%、中高生の子供をもつ人で23.7%であった。

 一方、「県民の日学校ホリデー」で休暇などを取らなかった理由は、「休むと給料が減るため、休みが取れなかった」17.7%、「シフト制等になっていて、休みが取れなかった」「勤務先が普段から休みを取りづらい」16.8%、「自分の代わりに勤務する人がいないため、休みを取れなかった」15.9%の順に多かった。

 親が「学校ホリデー」で休みを取らなかった子供の過ごし方をみると、小学校1~3年生は「自分以外の保護者がいて、自宅で過ごした」33.3%が最多。小学校4~6年生、中学生、高校生・高専生はいずれも「子供だけで、自宅で過ごした」がもっとも多かった。

《奥山直美》

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