東大と凸版、次世代型の美術鑑賞システムを開発

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デジタル展示ケース
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  • 「自在置物 龍」(映像画面より)
 東京大学と凸版印刷は27日、次世代型の美術鑑賞システム「デジタル展示ケース」を共同開発したことを発表した。東京国立博物館の協力のもと、同館で2012年1月2日~29日に開催される、東京国立博物館140周年特集陳列「天翔ける龍」にて公開する。

 「デジタル展示ケース」は、デジタル技術を用いて再現した文化財を画面上で鑑賞できるシステム。鑑賞者が「デジタル展示ケース」前面の装置に自分の腕を挿入すると、自分の手が「デジタル展示ケース」の画面上に現れ、あたかもその場にあるかのように自由に動かすことが可能となっている。「自在置物」は、江戸時代から明治時代にかけて制作された金属製の美術工芸品で、動物や昆虫などを写実的に表したもので、「天翔ける龍」では、脚や胴などからだ全体が自在に動く文化財「自在置物 龍」が展示される。ふだんは展示ケースのなかにあって触れることのできない作品を、実際に自分の手で触って動かしているかのような疑似体験により、その作りの精巧さを実感できるという。

 技術的には、東京大学情報理工が持つ複数の感覚情報を組み合わせたインターフェイス技術と、凸版印刷の画像処理技術を応用した自由視点映像生成技術を活用したものとなっている。まず、作品の自在な動きは、あらかじめコマ撮り撮影した画像から、操作に応じて必要な形状の画像を選択して表示することで実現している。このとき、コマとコマの間の対応点を自動的に計算し、中間の形状の画像を新たに生成する「デフォメーション技術」を用いることで、滑らかな動きを実現した。また、対象となる文化財の前に、複数の視点から同時撮影可能なカメラアレイを設置し、撮影された画像を画像処理することで、任意の方向からの画像を合成する「自由視点映像生成技術」を用いることで、作品の自在な動きをさまざまな方向から鑑賞することを実現した。今回のコンテンツでは、全長約36cmの「自在置物 龍」の前に7方向から撮影可能なカメラアレイが設置された。

 博物館での展示を目的とした「デジタル展示ケース」は、文部科学省の委託研究「複合現実型デジタル・ミュージアム」の一環として、東京大学情報理工と凸版印刷が共同で開発を進めている。

東大と凸版印刷、美術品を体感できる「デジタル展示ケース」開発……「天翔ける龍」にて公開

《冨岡晶@RBB TODAY》

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