3月3日(日本時間)、世界最大の映画の祭典「第86回アカデミー賞」が開催。「長編アニメーション部門」にノミネートされ、日本で最も注目と期待を集めていたスタジオジブリ・宮崎駿の最後の長編アニメーション監督作『風立ちぬ』は、残念ながらを受賞を逃す結果となった。本作は、第二次世界大戦時に零戦の設計者として活躍した堀越二郎をモデルに、作家・堀辰夫の小説「風立ちぬ」をリンクさせ、主人公とヒロイン・菜穂子との恋、そして恋から愛へと成熟していく夫婦の絆を描いたもの。スタジオジブリ作品としては、過去に同部門でノミネートされた2006年の『ハウルの動く城』(第78回アカデミー賞)以来、さらに受賞ともなれば2003年の『千と千尋の神隠し』(第75回アカデミー賞)以来、実に11年ぶりの快挙となるはずだった。第二次世界大戦を時代背景としているとあって、アメリカを開催地とするアカデミー賞で勝戦国・アメリカと敗戦国・日本という国家間のナイーブな事情を含め、どのように評価されるのかに注目が集まっていた。しかし、海外でのこれまでの評価を見てみると、先日のゴールデン・グローブ賞での受賞は叶わなかったが、第34回ボストン映画批評家協会賞、第85回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞(米国映画批評会議賞)、第80回ニューヨーク映画批評家協会賞などで「最優秀アニメーション賞」を受賞し、いずれも高い評価を得ていた。本作は、日本ではこれまでのジブリ作品とは異なった作風で賛否を呼びながらも、2013年度の国内興行収入ランキングでは他の追随を許さぬ圧勝で約120億円の大ヒットを記録。さらに先日、アカデミー賞へのノミネートを受けて日本ではアンコール上映(3月7日まで)も行われており、まだまだ人気は根強い。そして今回、同部門で受賞したのはディズニーの最新作『アナと雪の女王』。すでに海外では公開されており、本国・アメリカを始め世界中で大ヒットを記録しているミュージカル作品で、日本語吹き替え版では神田沙也加、松たか子、ピエール瀧らが声優を務めている。プロデューサーの鈴木敏夫は、授賞式前のレッドカーペットでのインタビューの際に、「(『アナと雪の女王』の)プロデューサーがジョン・ラセターで、宮崎駿の親友がライバルなんだよね。どうなるんだろう!」と豪快に笑っていた。『アナと雪の女王』は3月14日(金)より2D/3Dで同時公開。<長編アニメーション賞/ノミネートされていた作品一覧>■『クルードさんちのはじめての冒険』■『怪盗グルーのミニオン危機一発』■『アーネストとセレスティーヌ』■『アナと雪の女王』 ※受賞■『風立ちぬ』