
2025年4月7日
早稲田大学
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1973年にその歴史をスタートした早稲田大学ビジネススクール(東京都新宿区、以下「WBS」)は、現在の「経営管理研究科」への衣替えから10周年となる2026年にプログラム改編・カリキュラム改革を予定しています。本ページでは、WBSが掲げるミッションと改編の目的、これからのWBSが目指すところ、新プログラム・新カリキュラムの具体的な内容についてご紹介します。
WBSのミッションと改編の目的
WBSは、研究科としての理念(3つのポリシー)に加え、以下をミッションとして定義してきました。
WBS creates a dynamic learning community for all stakeholders as a catalyst for developing insightful and responsible global leaders with actionable management knowledge.
このミッションは、WBSが重視する3つのポイント、すなわち「ダイナミックな学びの場の創出(create dynamic learning community)」「洞察力と倫理観のあるグローバルリーダーの育成(developing insightful and responsible global leaders)」「経営の実践知(actionable management knowledge)」から成り立っています。WBSでは、企業訪問やゲストスピーカーによる幅広い学習機会、日本語生と英語生の交流や海外開講科目・留学プログラムの提供、学界の第一線で活躍する研究者教員とビジネス界の経験豊富な実務家教員によるバランスよい指導などを通して、学生がミッションに則した学びを進められるよう工夫してきました。これにより、EQUISとAACSBという2つの国際認証を取得することができ、世界最高水準の品質の学びを提供するビジネススクールとしての評価を得ています。
また、人生100年時代・DX時代たる現在において、リスキリングやリカレントは個人・企業のみならず、国・社会全体で考えなければならない課題となりました。これに合わせ、ビジネススクールにおいても、大学院だからこそ提供できる学びの機会にはどのようなものがあるか考える必要があります。WBSは、その特徴を生かして企業におけるOJTや個人による独学だけでは身につけることが難しいジェネラル・マネジメントの知見の学びを提供し、アカデミックと実務のバランスよい指導によりビジネスの理論と実践を融合できる人材の育成を図ります。
今回のプログラム改編・カリキュラム改革は、現在的な社会・企業からの要請に応えるとともに、WBSのミッションをより高いレベルで実現し、世界に伍する競争力を持つ新時代のビジネススクールを目指すためのものです。
WBSの目指すところ
コロナ禍を含む社会の変容や生成AIを始めとする技術の進歩により、現在のビジネス環境はますますVUCAの時代になっています。現代社会で通用するグローバルリーダーの育成を使命とするビジネススクールも、これに合わせて自ら柔軟に変化していく必要があります。
WBSでは既にサステナビリティやカーボンニュートラル、生成AIといった最新のトピックを扱う授業を新規に開講してきました。また、早稲田大学として推進している全学横断型の「カーボンニュートラル副専攻」に複数の教員が協力しており、WBS設置の科目を提供している他、WBSの在学生も当該副専攻を履修しています。
これ以外にも、今後のビジネスにおいてますます重要となるアントレプレナーシップ・イントレプレナーシップは伝統的にWBSの得意分野であり、また非営利団体や公共団体、国際機関といった企業以外の組織との連携も重点領域として扱っています。海外開講科目や留学プログラムで得られるグローバルな知見、日本語プログラムと英語プログラムの学生の交流による異文化コミュニケーションも、WBSが目指すビジネスリーダーの育成に資するものです。
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根本直子教授『ESG投資と企業の課題』日本企業が抱える課題を取り上げ、ESGの観点から今後のあり方を探求する授業です。世界の株式市場で広がっている、数字には反映されない企業の価値に注目して投資先を選ぶ動き、中でも環境、社会、企業統治への取り組みを評価する「ESG投資」を中心に扱います。具体的な企業の事例を基に、今後ESG投資が確かな潮流として根付いていくためには何が必要なのか、また企業経営者、市場参加者はどう関わっていくべきかを考察します。
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斉藤賢爾教授『プロンプトエンジニアリング―生成AIの応用』近年技術の進歩が激しい大規模言語モデル(LLM : Large Language Model) 等のいわゆる「生成AI」に対する例示・指示を行う「プロンプトエンジニアリング」を扱う授業です。LLM を言葉でプログラミングすることを通して、学生自身が自らの様々な要求に答えられるような生成AIの応用スキルを身につけ、かつ事業によって身近な社会を変えるための新しい方法を模索します。
また、カリキュラム・授業のみならず、組織としてのWBS自身も変革できるよう努力を続けています。WBS・早稲田大学としての自己点検、国際認証機関からの評価、国際諮問委員会(International Advisory Board)からのアドバイス等を踏まえてミッションに基づく戦略を見直し、学びの質保証、教員・学生のダイバーシティ、校友との関係強化、企業との連携、ハイインパクト研究・国際共同研究といった重点項目を推進してきました。
WBSは、今回のプログラム改編・カリキュラム改革を含む教育・研究・社会貢献の全方位において進化を図り、日本のビジネスにインパクトを与え、またグローバルステージでも評価されるビジネススクールとしての更なる発展を目指していきます。
プログラム改編・カリキュラム改革の内容
新プログラムの構造
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新プログラムの構造
今回のプログラム改編においては、これまで昼間2種類、夜間3種類となっていた日本語のMBAプログラムを、昼間と夜間でそれぞれ1種類に統合します。
具体的に、昼間のプログラムは「全日制グローバル(4月入学)」と「1年制総合」を統合して標準修業年限1年の「全日制MBA」(募集定員35名)とすることで、1年間という短期間でMBAを取得するリスキリングの機会をより多くの学生に提供します。また、夜間のプログラムは「夜間主総合」と「夜間主プロフェッショナル マネジメント専修」「夜間主プロフェッショナル ファイナンス専修」を統合して標準修業年限2年の「夜間主MBA」(募集定員150名)とすることで、働きながらジェネラル・マネジメントに必要な知識を確実に修得し、自身の強みも見つけられるプログラムを提供します。
なお、英語で学ぶプログラムである「全日制グローバル(9月入学)<International MBA>」、「MSc in Finance」、「早稲田-ナンヤン ダブルMBA」については、募集定員も含め変更はありません。
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新・全日制MBA プログラム・コーディネーター
杉田浩章教授「新・全日制MBAは、『1年間・フルタイム・短期集中』で一気にMBA取得を目指すプログラムです。実務のブランク期間を最小化して経営力を磨きたい、学び直しのための休職制度を使ってスキルアップしたい、事業承継へのプロセスを進めるタイミングで経営のバックボーンを身につけたい、トップとして会社経営に必要な能力を短期間でブラッシュアップしたい、という方々に最適です。ハードな1年間を体験した後には、新たな可能性を秘めたあなたに生まれ変わることができるでしょう」
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新・夜間主MBA プログラム・コーディネーター
淺羽茂教授「新・夜間主MBAプログラムは、現在の夜間主総合、夜間主プロフェッショナルが統合されて生まれるWBS最大のプログラムであり、日本で最も元気のよいビジネススクールのエンジンとなるでしょう。働きながら平日夜と土曜日に学校に通って勉強するのは大変ですが、知的好奇心が強い仲間との学びは刺激的です。多様なキャリアの学生が揃っており、ここで培ったネットワークは貴重な財産になります。是非、この新・夜間主MBAプログラムで、リーダーとして成長してください」
新しいカリキュラム
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新しいカリキュラム
プログラム改編に合わせてMBAのカリキュラム改革も行います。全日制MBA・夜間主MBAともに、修了要件は「コア科目」「選択科目」「ゼミ」「ペーパー」から構成され、合計必要単位は現行と同じ50単位です。
まず、コア科目については、現行の「必修コア科目」「選択必修コア科目」計12科目を整理し、新たな「必修コア科目」8科目の履修が修了要件となります。新カリキュラムにおける必修コア科目は次の通りで、従来のコア科目を引き継いでビジネスの基本要素を網羅する科目群を設定するととも、新設科目である「リーダーシップ」を必修とします。
1.リーダーシップ
2.マーケティング
3.ファイナンス
4.ビジネス会計
5.人材・組織
6.経営戦略
7.ビジネス統計
8.技術・オペレーションのマネジメント
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『リーダーシップ』共同担当
杉浦正和教授「本授業では、2026年度から始まる新プログラムの中核テーマである『全人格的リーダーシップ』を、未来志向かつ包括的な視点で探究します。倫理的・哲学的思考を深めつつ、自身の価値観とも真摯に向き合います。4名の教員が専門性を持ち寄り、協働で授業を進行します。受講生は理論的枠組みを学ぶだけでなく、振り返りやアセスメントを通じて自らの特性や強みを明確にし、リーダーシップの本質に迫るとともに、深い自己理解に到達します」
選択科目については、全日制MBAでは日英科目または海外開講科目4単位以上および一般選択科目8単位以上の履修を必須とし、夜間主MBAでは選択科目20単位以上の履修を必須とします。また、多様な分野の選択科目を約200科目設置している点はWBSの強みの一つですが、カリキュラム改革の一環として、選択肢の豊富さを残しつつ、領域・内容に合わせた整理を図り、学生が関心のある分野を体系的に学べるような工夫を行います。例えば、指定分野について一定以上の単位数を取得した学生に対して、当該分野の「コンセントレーション」の修了を認定する制度を検討中です(詳細は決定し次第改めてお知らせ)。
加えて、WBSの特長として挙げられるゼミ・ペーパーについても必修を継続し、学生はゼミで得た知見をプロジェクト・ペーパーという形でまとめ、最終的に公開審査会で発表します。全日制MBAでは入学直後から、夜間主MBAでは2年次から、それぞれ1年間少人数で学び、担当教員・ゼミ生との濃密な議論や修了生・企業関係者との交流、ペーパー作成に向けた調査・分析を通じて、「経営の実践知」の獲得を図ります。
新プログラムの入試制度
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新プログラムの入試制度
改編後の日本語によるプログラムの入試は、現行と同様に秋募集と冬募集の年2回実施する予定です。新・全日制MBAにおいては一般入試、企業派遣入試、事業承継者入試の3制度を、新・夜間主MBAにおいては一般入試、企業派遣入試の2制度を設けます。
一般入試は、日本語によるプログラムの基本となる入試制度で、第一次選考の書類審査と第二次選考の面接審査で判定を行います。企業派遣入試は、証券取引所上場企業およびそれに準ずる企業等が出願者の学費を全額負担し、出願者の派遣を強く推薦する場合に利用できる入試制度です。また、事業承継者入試は、全日制MBAにのみ適用される入試制度で、親族等が企業を経営し、将来的にその企業を承継する予定の方が利用できます。
なお、プログラム・入試制度ごとの出願資格や選考方法といった詳細については、2025年7月に公開予定の入試要項でご確認ください。また、英語によるプログラムの入試については、“Admissions”のページでご確認ください。
研究科長より
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大学院経営管理研究科長
池上重輔教授
「いま、世界はかつてないスピードで変化しています。技術革新、地政学リスク、価値観の多様化。こうした複雑で予測困難な環境の中で、リーダーには経営知識やAIを含む技術知見に加え、これまで以上に高い視座と深い洞察、そして強い倫理観が求められています。
2026年、早稲田大学ビジネススクールは、グローバルマインドセットをもったリーダーの育成を目指し、日本語による全日制・夜間主MBAプログラムを刷新します。この改編は、社会の最前線で活躍するビジネスパーソンが、より柔軟かつ実践的に、本質的な学びを得られる環境を提供するためのものです。
全日制では、1年という短期集中型を中心に、留学や海外プログラムなども柔軟に選択できる構成とし、志ある学生が多様なキャリアやライフスタイルに応じて学べるように設計しています。夜間主では、仕事と両立しながらも、深い思考と理論の探究に没頭できる2年間を用意しました。いずれも決して“楽な道”ではありません。しかし、だからこそ得られる真の成長があります。
この新たなWBSは、皆さんの視野を広げ、思考を鍛え、未来を切り拓く力を授けてくれるはずです。そして、ここで出会う仲間との濃密な対話と挑戦の経験が、きっとあなたの人生を豊かにするでしょう。もし、今の自分を超えたい、未来に責任を持てるリーダーになりたい――そんな想いがあるなら、ぜひこの新しいWBSの扉を叩いてください。私たちは、あなたの挑戦を心から歓迎し、全力でサポートします」
プレスリリース提供:PR TIMES